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【作品の物語】たのしいはなし
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すねこすりたちはあつまって、
何やら楽しそうに話している。
次はどこに行き、
誰のスネを、
いつ頃、
どのようにして
こすりに行くか?
という話題らしい。
寝起きのすねこすりも、
鳩がとまりかかった瞼を頑張って
開けながらおはなしします。
さぁ、自慢の毛並みを
手入れし、脛をこすりに行く
準備をしよう。
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額縁は美しい和額を選びました。
「たのしいはなし」
金潜紙・アクリルガッシュ
寸松庵サイズ(13.6×12.1㎝)
すねこすりは犬のような姿形をしており夜道を歩いていると足の間をこすりながら通り抜けるとされるという妖怪である。
が、近年猫の様でもあった。
と目撃情報があるそうなので耳はスコティッシュフォールド、しっぽは柴犬の様なクルンとした尾。
体は仔犬図のような丸々とした体型にしました。
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背景については、私のお気に入りの
アンティーク着物から色味や図柄を
参考に決めました。
すねこすりを5匹描いたのは訳があり、
こちらは五節句をイメージしています。
五節句とは、
1月7日の人日、3月3日の上巳、5月5日の端午、7月7日の七夕、9月9日の重陽です。
五節句の日は1月7日を除いて同じ奇数が重なる日で中国では奇数は陽の数とされ、縁起の良い数字が重なることで逆に不吉な日となったものをもともとは厄払いする日として捉えられていたそうです。
5匹描くことにより、年間通しての厄祓いを願っています。
こちらは11月の個展に出品予定です。