句集を読む:『天球儀』
『天球儀』 春日石疼 2019朔出版
著者は昭和29年大阪生まれ、昭和57年より福島市在住、医師。「小熊座」同人。
[章立て]
Ⅰ月光の檻 平成10~20年
Ⅱ未完の驟雨 平成20~26年
Ⅲ鳥の道 平成26~30年
[好きな句12句]
鳥雲に地図から消えし生地の名
杖百本齢千年滝桜
さざなみの畦より生まれ畦に消ゆ
花野踏む間も幼子に死は育つ
地下街をつなぐ地下街寒の入
原発爆発映像医院待合冴返る
廃炉まで蛍いくたび死にかはる
動くものをらぬ帰宅や冬燈
進化とは遺失のひとつ渡り鳥
一村は同じ命日春時雨
草茂る被曝と知らぬ被曝牛
天球に逃げ処なし冬すみれ
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最後までお読み頂き、ありがとうございました。