夕暮れは手を離す勇気を試される。微笑ましいのに泣いてるみたいな横顔がとても価値のあるものに見える。

 排気口/中村ボリ企画公演『人足寄場』も早いもので残すは本日と明日になった。怖い?ってなんだと七転八倒した日々も遠くに過ぎ去り今はとかく多くの方に観て頂きたいという想いばかりだ。台本作業の辛さも喉元過ぎれば何とやら。

 本日は15時の回も19時半の回も当日券がある。明日はまだ予約できる。迷っているのなら是非とも。春先の不確かで不気味な誘い。戻ってくる時に頼りになるのはスマホの灯り?否、もう戻ってこなくても良い程に暗い方へ。光の差さない暗闇へ。

 真っ暗な劇場が毎日怖くてしょうがない。これは今に限った話ではなく、前回も前々回の公演でもそうだった。真っ暗な劇場は怖い。私はビビりだ。

 私はビビりだ。怖がりだ。だから台本書いている時は自分の考えてる事にすらビビっていた。真夜中に一人で台本を書いている時なんて微かな物音にすら怯えていた。

 ビビりが書いた怖い話。中村ボリ企画。中村ちゃんは多分ビビりじゃない。他の排気口の方々もビビりじゃない。私だけがビビりの街。でもビビりだからこそ怖さの輪郭に触れるのかもしれない。それは冷たくゾッとするほど不確かだ。

 どうか多くの方に観て頂きたい。宜しくお願いします。

 全ての穏やかさを祈って。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集