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短歌「お待たせしました」

大蓮に見し亡き父のまぼろしは母の座をあけ座つてをりぬ

 この「喜怒哀“楽”の俳介護+」の俳句や短歌には、想像だけでつくった虚の句や歌は含めないでおこうと決めていた。実際に自分の目で見たもの(こと)だけを題材に詠まないと、介護のリアルが伝わらないような気がしたからだ。
 けれど、今日は嘘の歌を載せます。4年前に亡くなった父が、なかなか母が来ないので待ち遠しいだろうなと思ったときに、ふとこんなイメージが頭に浮かんだので、そのまま歌にしてみた。そして、いまこの文章を書きながら、父と並んで座っている母を想像しようと努めている。
 お待たせしました、お父さん。また、お母さんをよろしくお願いします。

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