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短歌「母が亡くなって気づいたこと」

母に添ひ眠れば母の夢を見て離れて寝ても母の夢見き

 母の隣に眠っていても、ときどき母の夢を見た。母が夜通し一人で喋り続けることがあるときなどは、気になって眠れないので、別の部屋で眠ったこともあるが、そのときも母の夢を見た。そして、母が亡くなって1ヶ月半が過ぎ、いまも母が夢に出てくる。

 それでやっと気づけた。母の隣にいても、母と離れていても夢を見るのは、母のことが心配だからと思っていたが、違った。私が母のことを心配しているのではなく、母が私のことを心配してくれていたのだ。認知症のときも亡くなったいまも……。

 やはり私の介護は「介けられ」「護られる」介護だった。そして、それはいまも続いている。

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