短歌「介護の目標」
この母の幸せはもう分からないだから笑顔の数増やしたい
きょうは認知症の日だという。母が認知症を発症してからもう20年近くになる。あのときなぜあんなことを言ってしまったんだろう。あのときこうしておけば良かったということは山ほどある。なによりも認知症になってからの日々のなかで、母が幸せと感じられる時間がどれほどあったのだろうかということを思う。いまとなっては、母が幸せを感じていたのかを知るすべがない。また、いまの母にとって、なにが本当の幸せなのかも私には分からない。
ただ、すくなくとも笑っているときは不幸せではなかろうと思うことにしている。だから、母の笑顔の数を増やすことが、私の介護の目標だ。