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短歌「人は変わる、人は変わらない」

食べたかな? 疑問形で言ふ母よろし食べてをらぬと断定せずに

 認知症になって、親の性格が一変してしまった。そう嘆く声を聞いたことがある。だが、考えようによっては、認知症になってからの性格が本来その人のもつ性格だったと捉えることも出来るのではないか。
 父の最晩年は怒りっぽくなって、今まで声を荒らげることの少なかった父が、ちょっとしたことで怒り出すことがあって困惑した。自分の頭や身体が思い通りにいかないもどかしさや薬の影響もあったかも知れない。一方で、むしろ今まで父は、腹の立つこともぐっと堪えてきてくれていたのではないか、今ではそうも思う。
 母は認知症になっても基本変わらない。心のままの人だったのだと改めて思う。

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