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【無料公開】自序
今日より大事な明日は存在しない。
人生はすべての場面が最終レースだ。
どんな生き方をしても必ず人は後悔する。
ならば少しでも悔いを減らすため
いつ死んでもいいように日々を生き切るしかない。
死がなければ生はない。
生き様と死に様は同じだ。
四十歳を過ぎてからますます「死に様」を考えるようになった。
僕の「今」は果たして幸せなのだろうか。
誰にも邪魔されていないだろうか。そして誰も邪魔していないだろうか。
何もかも不満で不安で不愉快だ。
俳句でも大切なのは「今」だと信じている。
感動の在所は現在ただいまの現象、感情でなければならない。
言の葉も人の心もすぐに腐ってしまう。
急げ、急げ、急げ。一生なんてあっという間だ。
悩むぐらいならばぶっ壊れちまえ。
頭で考えても間に合わねえ。脳みそなんて犬にでも食わせちまえ。
「今」は嘘をつけない。「今」だけが本人と等価だ。
つまらない人間になるな。「今」になれ。ハイになれ。
僕の「今」を確認するために、
本書の俳句やエッセイはあえて過去を意識した。
累々たる過去の死骸の上にしか今の僕は存在しない。
俳句は死んだ僕が生きていたときの記録だ。墓碑だ。
下手くそな字を刻んだので笑って欲しい。
「今」は一瞬だ。次々に死んで行く。
お前も墓を作って一服しようぜ。
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