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【日本史】猫の絵だけど、猫の絵じゃない(名所江戸百景)

こんばんは、瑠奈です。

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今回は歌川広重の作品『名所江戸百景』を取り上げようかにゃと思います🐱

歌川広重『名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣』国立国会図書館デジタルコレクション(参照 2024-12-15)


これは、広重が描いた『名所江戸百景』シリーズの一つである「浅草田甫酉の町詣」 という作品です。


まず、猫。


この絵を見た時、猫の絵に見えるかもしれませんが、広重が描きたかったのは、本当に猫なのでしょうか。


一つずつ、見ていきましょう。

猫が見ている先に、富士山、田んぼの一本道を大勢の人が歩いているのがわかります。


また、猫が座る窓の敷居には、口をすすぐための器があります。




そして、絵の左端、青い柱に見えるのは屏風です。


屏風から少し見えているのは、小さな熊手の形をした簪。4本ありますが、1本は台紙から外れています。

その奥に見えるのは、御簾紙でしょう。
御簾紙とは、遊女が客との寝間に持参した高級和紙のことです。


そして、この絵のタイトルは「浅草田甫酉の町詣」。

江戸時代、浅草というのは、共通認識で、吉原のことを指しておりました。

ですので、この絵の舞台は、吉原であることがわかります。


では、この絵が吉原から見た一景であることを踏まえて、富士山と田んぼを歩く大勢の人について考えてみましょう。


まず、富士山。

富士山の方角の空が、赤く染まっていることから推測すると、これは西の空で、日が落ちて間もない時間帯なのでしょう。

吉原の営業時間は、昼の12時から16時までが昼見世。18時から24時くらいまでが夜見世と、営業時間が別れていました。

そのため、この絵は夜見世が始まってすぐの時間だと思われます。


そして、田んぼの一本道を歩く大勢の人。

吉原のすぐそばにあった大鳥神社では、旧暦11月に酉の市が行われます。

酉の市が紋日の時は、お値段が倍になる稼ぎ時。
この日は、吉原の大門だけではなく、大鳥神社の近くの門も開いて、裏からも吉原へ入れるようになりました。

絵のタイトルにもある通り、この日は大鳥神社が、酉の市であったのでしょう。たくさん人が居るわけです。


以上のことをまとめると、
この絵は果たして猫の絵に見えるでしょうか。

屏風から少し見える簪と御簾紙から...
・酉の市へ行ったお客が、遊女に簪を手土産にプレゼントした。
・屏風の奥では、お客と遊女が逢っている最中

と私は推測いたしました。。。


また、この猫が、遊女の境遇とも重なります。

格子の中から、賑わう外の世界を見つめている様子。
吉原から出ることの出来ない遊女の切なさ辛さを暗喩しているのではないでしょうか🐱


猫の絵だけど、猫の絵じゃない。



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母がバツ2の女子大学院生。瑠奈
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