映画「私の男」色気がクズさを調和する。
「何したって、あれは私の全部だ!」
なんとも潔くいい台詞だった。
流氷の上で私も叫んでみたい。
道徳も何もかも吹っ飛ばして、あれほど素直に生きれたら、
最悪だけど最高なのではないだろうか。
家族の愛し方も愛され方も知らない2人が依存し合い、
身体の関係で空いた穴を埋める日々。
もちろん周りはドン引きだが、2人はそんな"繋がり"が気持ち良くてたまらない。
正しいとか間違っているとかそんなのはどうでもいい。
2人だけ、2人にしかわからない愛。
ついでに邪魔する者は殺される。
3年ぶりに会う最後のシーン。
綺麗になって結婚相手を紹介する娘は、
父親を差し置いてまともになったのかも・・・そう思ったのは束の間だった。
テーブルの下で足を絡める娘。
結局それにほだされる父親。
気持ち悪い2人なんだけど、なんだか、
好きにしたら、って言ってあげたくなる。
しかし、この映画は配役次第では吐き気がして観られない作品だったように思う。
娘役である当時18歳の二階堂ふみ。幼さも、エロさも、あざとさも、演じきれているのが何よりすごい。
父親役である浅野忠信もこれまたエロい。浅野忠信以外だったら観たくないと思わされるくらい適役である。色気がどうしようもないクズさを調和してくれている。
浅野忠信さま、産まれてきてくれてありがとうございます。
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