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信頼できる「仲間」と出会うための10のアクション
仕事というのは、「誰と何をやるか」
「やることをやっていれば、ちゃんと良い“仲間”と出会える」。
祖父がよく鼻高々にそう言っていた。中学時代のコーチも同じことをよく言っていた。さらに、祖父はいつも「友達じゃなくて“仲間”ってところが重要だ」とも同じくらい口にしていた。
社会人になり、特に責任を背負う立場になってからというもの、仲間という存在について考える時間がどんどん増えていきました。それもそのはず。結局、仕事というのは、「誰と何をやるか」という問いが常に根底にあるから。
「なぜやるのか?」は、自分がどんな世界を見ているのか、何を理想とするのか、どんな自分でいたいのか、そんな問いに対しての答え。
そして「どうやるか?」については、経験や知識があれば、ある種のロジックで導き出せるものだと思う。
ただ、「誰と何をやるか?」これは本当に難しい。相手も人間だから、当然簡単には答えが出ないし、チームの力を結集させるのも一筋縄ではいきません。
一人でどんなに頑張っても、到達できるところは限られている。目標が大きければ大きいほど、一人の力なんて小さく感じる。社会に還元するというレベルの話になってくると、仲間はますます不可欠な存在になる。
だからこそ、仕事や目標について考える時、ふと祖父の言葉が頭をよぎる。
ここで勘違いしてほしくないのは、人を操作して自分に注目させ、目標達成に利用したいわけじゃない、ということ。
そうじゃなくて、それぞれが自分の意思で同じ方向を向き、主体的に動き、助け合いながら目標を達成していく。それが、仕事の醍醐味だと思うんです。
これまでの社会人としての道のりを振り返ると、祖父やコーチの言葉がじわじわと現実味を帯びてきたと思います。ありがたいことに、僕には信頼できる仲間がいて、自分たちが心から「面白い」と思えることを一緒に追求できる環境にいます。(とにかく全員最高すぎる!)
なので、改めてこれまで自分が積み重ねてきたことを一度整理しておきたいと思ったんです。前置きが少し長くなってしまったけれど、本題に入ろうと思います。
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01.「自分が」ではなく「ベストは何か?」
今の僕を知っている人には想像しにくいかもしれないが、以前までの自分は「何でも一人でやれる人間」を目指していました。とにかく手当たり次第に色々なことに挑戦し、興味を持ったことは何でもやってみては、気づけば手を離す、そんなタイプでした。
その頃はよく「器用だね」とか「何でも上手にこなせる」と言われることもあれば、「一つ突出したものがない」「器用貧乏」なんて皮肉もよく言われていました。
ゼネラリストとスペシャリストのどちらが良いか、なんて議論もよくされるけど、20代の僕を振り返ってみれば、明らかにゼネラリストだった。そしてある日、すべてを一人でやることをやめました。何でもできるようになろうとするより、もっと大切なことが見えたからです。それは「自分がどうこう」という考え方を超えて、状況において何が最適かを優先することです。
単純な話、自分が前に出ない方が全体のクオリティが上がるなら、その方が良いに決まっています。「自分が」ではなく、「何がベストか?」を考えるようになってから、ようやく周りの人とも自然に協力できるようになったし、むしろ僕と一緒に働きたいと思ってくれる人も増えたように思います。
今のこのスタンスに辿り着いたのは、ただ自分のためだけではなく、「どうすれば皆がNo.1になれるか?」という視点で考え続けてきた結果だと思います。
目の前にいる人たちの価値観や得意なこと、優れた技術を見るたびに、「じゃあ、自分はどうする?」と自問する。相手を尊重し、一人ひとりが活きる場所を作ることこそが、自分の役割なのだと感じるようになった。自分の存在価値を確認するのは、その過程で自然と見えてくるもの。
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02.とにかくわかりやすいやつになる
「あの人だったらきっとこうするよね」くらいわかりやすい人になっておくこと。それが信頼を得やすくする一つの要素だと考えています。逆に、「一体何がしたいのかわからない」と思われてしまうと、個人としてのブランドを確立するのは非常に難しくなる。
これはパーソナルブランディングに関わる重要なテーマであり、だからこそ、自分の好き嫌いをはっきりさせることに努めてきました。昔はよく掴みどころがないと言われることになぜか喜びを感じる時期もありましたが、それは対戦相手には有効ですが、仲間づくりにおいてはただの自己満でした。(この話と発想力や行動力、ビジョンで周囲を驚かせるのとでは訳が違います)
また、日々の出来事の中で新たな自分に気づいたら、有益なコンテンツへと昇華し、その都度SNSにアップしたり、直接コミュニケーションを取るようにしています。そんな行動を繰り返していると、いつの間にか無意識のうちに行動に一貫性が生まれてくるようになります。言っていることとやっていることにギャップがある場合、その人自身が自分という存在の解像度を十分に高められていないのだと思います。
基本的には本音を隠さないことが大切です。最初から本音で対話しておく方が、変に期待を裏切らずに済む。感じたこと、思っていることを率直に言い合えない関係性には、どれほどの意味があるのだろう、と思う。
03.一度のチャンスのために準備をしておく
興味を持たれている状況では、必ずと言っていいほど「なぜ、それをやるの?」「なぜあんな発言をしたの?」と問われる瞬間が訪れます。実際、僕も人に興味を持つと「なぜ?」とつい聞いてしまう。ただ、興味を抱いてもらえること自体が稀であるという大前提を忘れてはいけない。そのため、チャンスは一度きり。その一度のチャンスをどう活かすかは、「なぜ?」に対する回答にかかっています。
実は、以前までの僕は「なぜ?」と聞かれることがあまり得意ではありませんでした。深く考えずに行動していたため、動機を語ることが小っ恥ずかしいと感じていたからだと思う。(単純に浅い人間だと思われたくなかった…)背景や目的と自分の具体的なアクションとの乖離があったらどうしようという不安もありました。しかし、今となっては、人生のほとんどがトライアンドエラーの連続であると割り切れるようになった。
「なぜ?」に対する回答を述べることによって、もしかしたら共感を得られるかもしれない。相手から良いヒントをもらい、協力し合う関係性を築けるかもしれない。だから、なぜ?を聞かれた時の準備やその回答をすることには、決して損はないと思います。この瞬間が新たなつながりや発見を生むきっかけになるのかもしれません。
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04.課題を素直に打ち明ける。対話を重ね一緒に接点を見つける
上記二つのポイントとも近いですが、今後の理想の姿と現在の状況とのギャップを素直に打ち明けることは、仲間を作る上で極めて重要だと考えています。このギャップこそが、他者に「応援したい」と思わせる要素。アスリートの方を応援する時や、漫画の中で主人公をいつの間にか応援している時も、こうしたギャップを認識し、それを埋めるために全てを注いでいると感じるからこそ、心が動きます。
「もし実現できなかったらどうしよう」と不安になることもあるかもしれませんが、そもそも言わなければ実現することはありません。本気で目指したいのであれば、周囲にその思いを伝えておくべきだと強く思います。
さらに、自分のことばかり語るのは独りよがりになりがちです。相手の状況や目標目的にも関心を持つことが大切です。
「目指す方向に何か交差点があるだろうか?」「自分が役立てることはないだろうか?」「一緒に実現できることは何か?」といった視点を持つことで、双方の接点を見つけていくことができます。
この接点をお互いにイメージできれば、きっと相手も主体的に関わろうとしてくれるはずです。相手のニーズ、理想像、背景に耳を傾けよう。
05.些細な行動も共有する
少し話が脇道に逸れますが、成功するプロジェクトの特徴は「ゆっくり考え、素早く動く」こと。逆に、失敗しやすいプロジェクトは「早く考え、遅く動く」と言えます。この「早く考え、遅く動く」というのは、厳密には「遅くなってしまう」という表現が適切かもしれません。計画や構想段階で指針がうまくさだまらないと、実行(形にする)フェーズでつまずくことが多くなります。そして、現状のフェーズから巻き返すのは難しく、結局は以前のフェーズに戻ってしまうことになる。
僕が進行するブランディングプロジェクトにおいても、基本的には「ゆっくり考え、素早く動く」という流れを大切にしています。
ただし、「ゆっくり考える」ということは、決して机にかじりついてじっとしているということではありません。ゆっくり考えるには、リサーチや検証を含めた行動が不可欠であり、実際には多くのアクションを起こしていたりします。
ちなみに成果を出すデザイナーの特徴としても「実際に手を動かし始めるまでが長い」という特徴がある。この背景には、目的や課題、コンセプトを明確にしないとお金をもらってデザインする意味がないと理解しているからこそ、慎重に進める姿勢がある。
そんなデザイナーとつながることで、デザインは投資としての価値を持ちます。
前置きが長くなりましたが、新しい何かを始める際には、ゆっくり考えるフェーズでも素早く動くフェーズでも、今後も共に成長したいと思う人にはできる限り情報を共有するよう心掛けています。
人が何かの取り組みに関心を失うのは、情報が共有されずにいつの間にか距離が遠くなり、自分ごととして捉えられなくなる時です。「今はゆっくり考えているフェーズでリサーチや検証ばかりだから共有する必要はない」。これは古い考えなので捨てるべきです。
些細なことでも行動しているのであれば、その情報をオープンにし、状況を共有することが重要です。見せるべき人には、できるだけ見える場所に情報を置いておくことで、共に進む仲間との距離を縮めることができます。そのため僕の基本方針としては、「情報は常にオープンに。どこかに置いておく」です。
閉鎖的な空間も場合によってはありですが、隔たりが生まれ、一人ひとりが立場を守ることを優先する文化になりやすいので注意が必要です。
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06.思い切って背中を預ける
まず最初に明確にしておきたいのは、「背中を預けること」と「丸投げ」は全くの別物であるということ。この二つは、信頼関係や責任の共有、そして目的意識において根本的に異なります。
背中を預けるという行為は、相手を信じ、協力しながら共に成果を生み出すことを目的としています。このプロセスには自分自身も関与し、責任を共有する姿勢が求められる。
一方、丸投げは、責任を放棄し、相手にすべてを押し付ける無責任な行動です。コミュニケーションの不足や、相手の負担や状況を考慮しない点で、背中を預けることとは対照的。事前の信頼や責任の共有が欠如していることが根本的な課題です。
そういう意味では、逆説的かつスタンス的な話だが、まず自分が巻き込まれる姿勢。相手を使うのではなく、使われることを受け入れるくらいのスタンスがちょうど良いのかもしれません。だから、巻き込み上手と言われている人は巻き込まれ上手。それが背中を預け合うという信頼関係に繋がるんじゃないかと思います。
07.答えを急がない。待てる状況を整える。
誰かの意見を素直に受け入れようと思っていても、目の前の課題に焦るあまり、その声を蔑ろにしてしまうことがある。僕自身、以前はこれをよくやってしまっていた。焦りの中で、共に働く人の正直でまっすぐな意見を見逃していた。こうしたことを避けるためには、「待つ」という選択肢を意識し、「待てる状況を自ら作り出す」ことが重要だと感じています。これがなければ、恐らく信頼できる仲間とチームで素晴らしい仕事を成し遂げることは難しい。
今は時代や文化の変化が激しく、仕事においてスピード感が何よりも求められています。実際、スピード感を持って動かなければ、競合に遅れを取ってしまうこともあり得る。場合によっては気づいたときには手遅れという事態にも直面しかねません。しかし、ここで整理しておきたいのは、「スピード感を持って動くこと」と「急ぐこと」は全く異なるということ。
今の時代において「待つ」という選択が、長期的に見ると最も迅速な結果をもたらすこともあります。だから、焦って急ぐことしかできない状況は事前に解消しておきたいと考えています。
「待つ」という選択肢があることで、もっと面白いことに挑戦でき、より魅力的なものを届けることができる。
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08.常に最もできる奴でいる必要はない
自分が一番すごくなくても構わないと、僕は思います。もちろんスキルや技術、知識もある程度は大事ですが、それらはさほど重要ではありません。むしろ全てが完璧すぎると、周囲にとっては余白が無いと感じ、役割が見えなくなります。たとえ全ての技術や知識を兼ね揃えていたとしてもその完璧さをわざわざ見せびらかす必要はない。
しかし、自分が一番熱く、覚悟を持っていることは不可欠です。「覚悟」という言葉は少し曖昧かもしれませんが、捨て去ってきたものの大きさから、その真意を感じ取れるはずです。
自分よりも素晴らしい才能があったら素直にそれを認め、どう活かすか。それが一番大切な問いです。周りにどれだけ優れた人がいるかを認識し、それを最大限に引き出すことが重要なんです。協力して打ち破りたい常識や固定概念があること。そして成し遂げたい目標や目的をはっきりと持つこと。それが最も大事な気がしています。
ちなみに、そもそも論として、自分より劣っているとか、自分より下だと思う人とは、本当の意味で仲間にはなれません。理由は単純で、その見方の時点で「仲間」と呼べる関係性はすでに崩壊しているから。上下関係が生まれ、そこには信頼や協力が存在しない。むしろ、互いに様子を伺うだけの関係が続きます。相手の出方を見ては自分を守り、心の距離を測る。そんな関係では、深いレベルでの共感や協働が生まれることはありません。
一人ひとりは、長所と一緒に短所も持ち合わせている普通の人間。だからこそ一緒に働く仲間への敬意を意識的に持ち続けなければならないと思います。共通のビジョンを共有し、同じ高さから同じ景色を見て、互いに支え合う存在と繋がりたいなら特に。もし自分が崇められたい場合は例外です。
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09.搾取する人とは距離を置く
人との関係において、搾取する人との距離を保つことは非常に重要です。搾取とは、相手の時間や感情を無神経に消費する行為。裏側では、自分の利益を最優先し、相手の気持ちや価値を軽視することが多いです。
搾取する人たちと関係を続けるのは、自分の成長を止めてしまうだけじゃなく、今いる仲間にも悪い影響を与えてしまいます。ネガティブな力って、本当に強いんです。初めは利益を感じるかもしれませんが、長期的には情熱や創造性を萎えさせ、最終的には疲弊させるだけです。
距離を置くことは、敵対や対立することではありません。むしろ、自分や身内を大切にするための選択です。ちなみにあくまでも一つの例ですが、搾取する人に多い特徴は、「相手への質問が少ない」という点です。
これは企業活動に置き換えるなら採用に当たる話でもあると思います。個人的に採用は会社全体を強くする上で最も大事な取り組みと考えています。
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10.偽らないこと。八方美人にならないこと。
自分をよく見せようと無理をしたり、相手に合わせ過ぎると、どこかで必ずほころびが出ます。人は本音に対して敏感だから、いくら取り繕っても、結局は見抜かれてしまうんです。
一見、表面的にはうまくいっているように見えても、信頼は徐々に崩れていきます。だからこそ、最初から自分を偽らず、素のままでいることが大切です。
正直でいることで、自分の考えやスタンス、そして目指している方向が徐々に周囲に浸透する。歩調が合いやすくなり、目的に向かう力も一つにまとまる。そして、それがチームの外にも広がる。外部の人からも、「このチームは信頼できる」と感じてもらえたり、応援してもらいやすくなります。
個人的に正直さやスタンスを貫くことは、仲間との約束を守り抜くことであると思います。だから、色々書いてきましたがこれが最も重要なのかもしれません。
ブランドづくりは、仲間づくりです。
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