太陽と世晴れて【プロローグ】
「さん」
「・・さん」
「恩地さん!」
『ん・・?』
「もう13:30過ぎてますよ、いつまで昼寝してんスか💧」
この日の午後は同僚の亘理に起こされた。
『あ・・。あぁ、すまない』
(つながってると、食後はとくに心地良すぎて眠くなるな・・)
亘理は酒癖はよくないが、自分よりまわりを優先するタイプだ。以前は怒りっぽい性格だったが、トキを重ねた今は笑うことのほうが多い。若い頃、白目黒目がハッキリ分かれ、鋭かったその瞳もキラキラと輝いている。
私は、オジ=サン・毛ノービ。光術家。だが現代にそのような職業はなく、世界に愛を返すにはお金という愛もわずかばかり必要。ということで表向きにはサラリーマンとしてIT企業に勤めている。
ここでの名は恩地 太袈支。数年前に父のハゲは他界し、今は母の天葉と二人暮らし。
つながってるというのは自然すべてとソレであるということ。人間である以上、いや人間でなくとも存在すべてそうなのだが、いざ起きると目の前に現実の顔が現れるため、ついそれを忘れてしまい思考になる者も多い。
”つくる、つながる、とどける”
という言葉がある。
むかし、父から学んだことだが、実際には世界はすでにつながってる。だから人の意志や意思などあってもなくとも、”つくってた、つながってた、とどいてた” ないし、例えばあなたが何もしていなくとも”つながってる、とどいてる” となる。
人間に自由意志があるかどうか。
と考えることもあるだろうけど、そもそも太陽はずっと照らし、何もいわず見守っている。人間とは人間でなく霊止(ヒト)、霊魂が本質であると呼ぶことは島根にある出雲大社や古事記、古神道などの文献からも見聞きしたことがあるだろう。
ヒは陽であり光。
トは留まる。
光が留まる。
霊止(ヒト)。
それはほんとうのあなたのこと。
なぜ?とか、どうして?とあらゆる対象に対しその意味をあなたが考える前に。そのままで本質は誰しも太陽なんだ。
すべては光に包まれている。
あなたは光そのものにある。
光は光であるから。
どこにも境界などない。
純粋な光一色でしかない。
それでも。
まだ全体である光とつながっていないのなら。
至福という恩寵を感じていないのなら。
ここは鏡の世界。
他者は写し鏡の他者。
あなたもあなた以外も師であり弟子。
なぜ鏡の世界なのか?というと。
その観念に気づくためでもある。
ほんとうの自分とは何かを探す目的の者にとって。
それを知る運命にある者にとって。
観念を手放すためのこの写し世は。
あなたのほんとうの顔である他者は。
あなたの人生にとって。
唯一無二の。
最高の師となる。
宇宙という。
ひとつの光。
その光の中にありながら。
光に還る過程を楽しむ。
奇跡の異空間。
男性や女性やジェンダーという概念など関係なく。
そこからヒカリは生まれた。
もともとなかった。
観念を浄化し。
本質に還れば。
つまり。
あなたが何者かを知れば。
現象という現実世界の霧が晴れ。
あなたがいっそう輝きはじめる。
あなたの世界は光に染まる。
本質はすでに太陽。
そこから考えという美しい虹を描くといい。
あなたが太陽なら。
あなた以外も太陽だったとわかる。
生も師も。
霊も死も。
ぜんぶ愛だったのだと。
そしてここは。
この世という鏡世は。
いや。
古くは守護や高次やあの世と呼ばれる。
あちらさんからも。
あなたに光を返すだろう。
なぜなら。
それらもあなただったのだから。
そこには。
不平不満を口にする者も。
何かの見返りを求める者も。
他者を傷つける者も。
どこにもいない。
そこには。
光そのものの。
あなただけが。
在る。
「さん」
「・・さん」
「恩地さん、部長から呼ばれてますよ」
『・・ありがとう。亘理サン✨』
「なんか業務中に恩地さんがエロ動画を観ていた件みたいです」
『 ❗ 』
静寂が。
一瞬あたりを包み込んだ。
”一者”は。
顔を見合わせ。
微笑んだ。
在る恩地は言った。
『徹底指導?😂』
愛ゆえに愛が愛に愛という光を・・。 あなたにいつも拈華微笑💖