父親になること、父親をすること
子供が生まれる前に、読んできた本の中で、よかったものを先にピックアップで紹介したいと思います。
まず最初に紹介したいのが、「父親になる、父親をする」です。
これは発達心理学、家族心理学が専門の柏木先生の著書。
いくつも良いポイントはあるのですが、殊更によかったのは以下の視点です。(私なりの要約です)
・男性は女性と違って、自然と親にはならない。:身体的、ホルモン的な変化が生まれないために、何もせずに親にはならない
・アロマザリング(親以外による養育)の可能性:子供を育てるのは必ずしも親だけではない。両親や地域などのコミュニティの中で子どもは育っていく
・まずは親を意識的に「する」ことで、徐々に親に「なって」いく:親の業務を「する」ことが、親に「なる」一歩目
ということです。
ここで感じたことは、正にその通りで、妻が妊娠中に自分は全く何も変わっていない。ということです。
普通に飲み会も行くし、残業もするし、子どもが妻のお腹の中にいるとは頭では理解できても、どうしても「自分ごと化」ができないのです。
その時にこの本と出会い、「なるほど、それはそれでいいのか。(何も変わらないということが悪い訳では無い)」とホッと胸をなでおろすと共に、「意識的に親をしなければ、親にはなっていかないんだろうな」とも感じました。
我が家は出産後、妻は実家に戻らず、普通に帰宅。
義理のお母さんに平日泊まり込みで2週間ほど家事・育児をご支援いただきました。
その際も、私は帰宅したら、家事・育児を率先して行い、特にミルクあげ、オムツ替えなどは我先に実施しました。さらに土日は義母さんがいないので、余計に自分が率先して家事・育児を実施していたと思います。
上記の通り、「男性は勝手に親にならない」のであれば、「親をしなければ」と思うのですが、もちろん出産後入院時に母乳やミルク、オムツ替えなどを実践している妻の方が経験値が高い。
さらに、私が平日定時で帰ってきたとしても、準備や通勤も入れると、家で家事・育児に関われる時間は約6時間程度。妻は18時間程度関わっているのです。(睡眠時間を6時間として仮定)その差3倍。
どうにかして土日で挽回しないと、そもそも熟練度に差がでるのです。
そういう情報があったため、妻に「君が育児レベル10の時、僕は3くらい。平日で一気に差が出る。だから、土日は僕にやらせてほしい。そして何より、レベル3の僕に、レベル10を求めないでほしい。レベル3は、4,5,6と上がっていくから、経験値を積ませてほしい」と伝えました。
これが奏功して、妻も私のやり方を頭ごなしに怒ることも、罵ることもなく、丁寧に教えてくれながら、お互いで「どうした方がよいよね」と話ができるようになってきました。
育児・家事に関わることへのコミット自体が難しいのは、「親になる」こと自体の認識に男女で差があるから。だと私は思っています。
男女共にその性差を理解して、対処していくことで、お互いが前のめりに育児に関わり、共に親になる仕掛けができるのかもしれないなと感じています。
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