140. 僕がいつも楽観的だと評されるのは、ひとえに苦労のたまものだ。恒心を得たのである。〜出光佐三〜
みなさんこんにちは。
今回は、出光興産創業者であり、映画化もされた小説「海賊とよばれた男」主人公のモデルともなっている出光佐三さんの格言について紹介します。
出光佐三さんについては以前に紹介した記事があるので是非ご覧ください。
僕がいつも楽観的だと評されるのは、ひとえに苦労のたまものだ。恒心を得たのである。
「恒心」という言葉について調べてみました。
こう‐しん【恒心】
〘名〙 常に持っていて変わらない正しい心。しっかりした、ぐらつかない心。「恒産なきものは恒心なし」
国に定法なく、民に恒心なし
また、「恒産なきものは恒心なし」についてはこうあります。
こうさん【恒産】=なきものは[=なければ]恒心(こうしん)なし
「孟子‐梁恵王上」また「孟子‐滕文公上」にみえることば) 定まった財産や決まった職業のない人は、定まった正しい心がない。物質生活は人の心に大きな影響を持つもので、それが安定しないものには確固とした道徳心もない。恒(つね)の産なきは恒の心なし。
※侏儒の言葉(1923‐27)〈芥川龍之介〉恒産「恒産のないものに恒心のなかったのは二千年ばかり昔のことである」
つまり、定まった財産や職業があることで、精神が落ち着いてると正しい判断が常にできるということです。
国に置き換えると、法律を定める(確固たる指針がある)ことで、いざという時の判断に迷いがなくなるということです。
出光さんに関しても、事業が安定するまでは資金の提供を受けた後、
事業が上手く立ちいかず、廃業するかという時にまだ続けられるとさらに資金の提供を受けたり、
ライバル企業からは「海上は販売区域を超えている」と「海賊」と叩かれたり、
戦争後、借金に追われるも社員を一人にクビにしなかったりと、
苦境の際に大きな判断をしています。
事業の立ち上げの際には、事業が経ちいかなくなり廃業するかというタイミングもありましたが、
人を大事にしていた縁と日田重太郎さんとの約束により事業を続けるという選択をしました。
事業を立ち上げた後は、社員のことを第一に考え、
まるで家族のように接して来ており、
社員という盤石な「家族」「財産」があることで正しい選択ができたのだと思います。
そして、人を大事にしていることで事業も大きくなっていき、
社員も出光さんのために、会社のためにと仕事を一生懸命にしていることが分かります。
第二次世界大戦後、船が沈没させられ、社員も失うリスクがある中で、
イランから石油を持ち帰った時も、
出光の利益のためではなく、消費者に安い石油を提供するために輸入したと言います。
事業というものを始め、そこからどのようなものを世の中に残していきたいのかを考え、
それを実行して来たのだと思います。
その結果が石油をイランから持ち帰ることだったり、
社員を一人もクビにしなかったことに繋がっているのだと思います。
苦労して自分の仕事や社員などの財産を作って来たからこそ、
いざという時の判断に迷いがなくなり、
本当に正しいと思うことを選択して来たのだと思います。
最後に
今回は、出光興産創業者であり、映画化もされた小説「海賊とよばれた男」主人公のモデルともなっている出光佐三さんの格言について紹介しました。
楽観的だと評されるのは苦労のたまもの、というのは守るべきものや財産による心の安定があるからこそ、
いざという時の判断に心の余裕が生まれるのだと思います。
事業家や実業家の方ほど、よく周りのことを見れていたり、
社会のためになることをしているイメージがあります。
それも、事業が安定していて、
その事業や仕事を通じて世の中をこうしていきたいという選択から、
世の中のためになることをしているのだと思います。
僕も仕事や財産が安定しているとはまだまだ言えませんが、
仲間と共に成長しながら世の中にいいものを提供できるようになりたいと思っているので、
これからもその自分の芯を持って選択をしていきたいと思います。
自分の人生をどうしていきたいのか、
本当はどんな自分でいたいのかから日々の選択をしていき、
最大限、これで良かったと思える人生にしていきたいと思います。
楽観的なのは苦労のたまものだ、というのも、
苦労の先にはいいことが必ずあるということなので、
最高の人生にしていくためにも、目の前のことも最大限できる選択をしていきます。
それではまたどこかで。