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【ヤクルト】リリーフとして覚醒した大西。なぜ先発として見てみたくなるのか?大西の配置転換から考えるスワローズ投手陣 1回/全3回

大西の2024年成績

2024年はリリーバーとして大きく成長を見せた大西。清水,田口の不調によってブルペン事情が厳しい中、様々な役割で試合終盤の展開を支え続けてきた。

2025年は便利屋から完全に脱却して勝ちパターンに定着してもらいたいところだが、本人的には先発もやってみたいらしい。

いがちゃんねるで言ってた。

確かに、大西の投球を追っていくと、ファン目線先発として見てみたい要素が比較的揃っているように見える。では実際大西の現状の能力やスワローズの事情チームを考慮したうえで 先発・大西を試すのはメリットとデメリットどちらが大きいか?というテーマで考えてみたところ、「いやいや先発転向は厳しいでしょ」とか、「いや、やっぱり大西に先発をやらせてみたくないか?」と自分の中でも整理が追いつかなくなってきた。

というかこのテーマ、かなり奥が深い。まず大西を中継ぎから先発に移すにあたって、先発と中継ぎのチーム事情,どの選手をどれだけ計算するかによって意見が変わってくる。さらに2024年の大西の投球,データを見たうえで先発としてどれくらいの期待値がありそうかを個人の中で結論づけて、その結論とチーム事情と照らし合わせた結果 最終的に中継ぎから先発に移す価値があるのかを判断する必要がある。

スワローズファンとして、スワローズ投手陣の理解度が相当試されるこのテーマ。そしてnoteを書く者として文章力、構成力もかなり試されそうだ。

ということで、今後の投稿予定をまとめてみた。

note1本目:なぜ先発・大西を見てみたくなるのか。2024年の投球などを踏まえて先発として成功するためにプラスに働く要素を紹介。

note2本目:実際、先発・大西の期待値はどれくらいなのか。先発・大西の不安要素も踏まえて明確な期待値を提示。

note3本目:先発・中継ぎの構想,展望をざっくり提示。2本目に提示した期待値の活躍を先発・大西がするとして、どういう条件で投手陣を計算するなら大西に先発挑戦をさせられるのか/させないべきかを解説。

割と連載しますよ感を出しながら新たなシリーズを投下しまくってるからこれも完結するのか本当に怪しいが、オープン戦が始まるまではスワローズ熱が高い割に書くことが無くなるため、なんとか頑張って完結させようと思っている。

この3本立て構想のもとどういう風に着地させるかは全て頭の中で決まってるし、メモ書きとしてもある程度固まってるんだけども。自分の中で完成した絵をきちんと完成させるより、新たな好奇心を満たしたい欲が勝って他事に取り組みだしちゃうのだけが心配。はい、なんとか完成させますよ。


なぜ先発で見てみたいのか

①シュート/スライダーの使い分けで打たせて取る系の投手だから

60登板で防御率1.34のリリーバーと聞くと三振をズバズバ奪っていく剛腕なのかなという先入観を持ってしまうが、大西は奪三振率(K/9)が4.62というところからも分かるように『打たせて取る』が本質。

150㌔の直球,シュートをガンガン投げ込んでいる姿を切り取るとまた剛腕リリーバーのように見えるが、よくよく見ていくと制球力の高さに驚かされる。対右打者の内角の際どいところに食い込むシュートや外角への直球の精度が非常に高く、ゾーン内で勝負することに全く苦労しない。更にスライダーを外角に出し入れすることで、カウントを取ったり決め球として空振りを奪ったりもできる。この内角と外角の使い分けが大西の投球の根幹を支えているなと感じている。

この両サイドへの攻めは左打者にも効果的に使えている。左打者の場合は内角に直球,外角にシュート(,直球)の使い分けで、スライダーは内角の高め低め、外角高めのバックドアの使い分け。

大西の投球の約80%を占めるシュート(速球)とスライダーがシーズンを通して安定して投げ分けられたことが、60登板で防御率1.34という数字を叩き出せた所以だろう。与四球率(BB/9)1.80、神宮を本拠地にして被本塁打率(本/9)0.45と優秀な数字を残しているのも、この内外角のコマンドを制球良く使い続けられていたことの証明ではないだろうか。

この明確な軸は先発投手として成功するためにも重要な役割を果たしてくれそうだ。ヤクルトの先発候補は投げてみないと分からないような安定感の無い投手が多いが、もし大西が先発として成功するとしたら毎試合最低限試合を作ってくれるタイプになるのではないかと想像できる。

②右・左打者に対して質の高いコマンドを持っているから

内外角の速球をきちんと制球よく投げ分けられることも含め、複数球種を内・外,高め・低めへ使い分けるコマンドがどれも高品質なのが大西の良さ。例えば、大西が持つ対左打者のコマンドを挙げていってみると以下のようになる。

①内角高めフォーシーム ②内角(高め)スライダー ③内角(高め寄り?)カット
④内角(低め)スライダー ⑤外角シュート ⑥外角フォーシーム
⑦外角(ゾーン内の高さ)フォーク 

まあ、見出し①の内容と少し被りすぎな感じは否めないが…。ここで紹介したいのはコマンド③とコマンド⑦。リリーバーと言えばとにかく良い球種を2球種程度に絞ってどんどんゾーンに投げ込むことでカウントを稼いでいくタイプが多いが、大西は速球とスライダーの軸以外にカットやフォークでカウントを稼げる。このように多彩なカウントの稼ぎ方を持っているのはまさに先発っぽいし、どのコマンドも『ゴロを打たせる』要素が強いことからも、長いイニングを投げたい先発向きの特徴を持っていると言える。

対右打者に関してはコマンド③,コマンド⑦はあまり使っていない印象だが、内角に食い込むシュートと外角に逃げていくスライダーの択を迫り続けるだけで試合中~終盤も十分対応可能だろう。

それに、大西はスライダーを場面ごとに投げ分けているように見えている。カウントが浅い時には131-133㌔くらいの横曲がり系スライダーを多用するのに対して、決め球として使いたいときは球速を135-137㌔と若干上げつつ、横曲がり系や若干縦スラ気味のスライダーを(意図しているかは分からないが)投げて空振りを取りに行っている。どちらの球速帯も精度が高く、これが対右打者をより迷わせる要素になっているのではないかと感じている。

③大学時代までは鬼のスタミナを誇る先発向き投手だったから

大阪商業大学時代は生粋の先発投手。大学のリーグ戦では通算28試合に先発したうち完投数は11と長いイニングを投げる経験は豊富なことからも、ドラフト当時からドラフト4位ながら先発候補の一角として期待していた。中継ぎとしてプロでも通用することを示し、更に投球内容も先発としての成功が期待できそうな要素を備えているので、このタイミングで先発に挑戦してほしい気持ちは個人的にもかなりある。

粗品「ただァ!」

ぶっちゃけ、それこそ西武・平良みたいに華々しく先発として成功できるとはあまり思っていない。ある程度先発としてやれる可能性はあると思うけど…。という温度感。今回は良いところだけを切り取っているが、次回は先発・大西の不安要素を並べていきながら、最終的に先発・大西はどれくらいの期待値になりそうかというテーマで書いていく。

note1本目:なぜ先発・大西を見てみたくなるのか。2024年の投球などを踏まえて先発として成功するためにプラスに働く要素を紹介。

note2本目:実際、先発・大西の期待値はどれくらいなのか。先発・大西の不安要素も踏まえて明確な期待値を提示。

note3本目:先発・中継ぎの構想,展望をざっくり提示。2本目に提示した期待値の活躍を先発・大西がするとして、どういう条件で投手陣を計算するなら大西に先発挑戦をさせられるのか/させないべきかを解説。

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早坂 レイ
仕事前の朝や週末は基本的にスターバックスに篭ってコーヒーを飲みながら文章を書いたり読んだりしています。 もし僕の文章を気に入っていただけたら、そのコーヒー代400円を奢るという意味でご支援いただけると嬉しいです。

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