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【ヤクルト】新外国人ランバート Baseball Savantで見る現状とNPBでの展望

今回の記事は、ヤクルト新外国人ピーター・ランバート投手のMLBでのスタッツをMLBでは23-24年どういう投球をしていたのか?というのを"球種別の投球割合","空振り率","対右左別の使い方"といった観点でチェックしていき、NPBで先発をしていくにあたってどういう攻め方をしていくことになりそうかを勉強した結果をまとめていく。

参考

NPBの成績


1.持ち球と投球割合

表に入れていてこの後も出てくる『xwOBA』という指標は日本の野球ファン
には馴染みが無いと思うので少し解説を入れておこう。

詳しくは以前投稿したこちらの記事を参照いただきたいが、

この場でxwOBAを取り扱う上では

xwOBA=その球種を打者が打った時凡打になりやすい,長打になりづらい打球が多ければ低く出て、逆であれば高く出る指標。安打/凡退の運に囚われずその球種の質を評価できる。

とだけ認識できていればOK。

なんでxwOBAを載せてるのにwOBAじゃなくてBA(被打率)やねん!とツッコミが入りそうだが、ここは誰にでもイメージしやすいものを敢えて採用したいという意図がある。BAとxwOBAは単純比較できないのでそこだけは注意。

指標の解説はここまでにして、まず注目いただきたいのはwhiff率=空振り率だ。

NPBしか普段追っていない私からすると、率直にこう思う。

「うん、空振り率全体的に高すぎないか?」

NPBなら変化球の空振り率が25%を超えていたらかなり上位クラスの決め球というイメージがあるが、20%以上の空振り率を平気で超えてくる。これはリーグや国の違いで空振りに対する考え方や考え方などあらゆる違いから平均が変わってきそうなのでそのまま当てはめることができなさそうだ。

ということで、いったん山本由伸,今永昇太がNPB最終年の2023年からMLB初年度の2024年で各球種の空振り率がどうなったかで比較してみよう。

データをズラズラ並べて当初の目的を忘れている方が多いと思うので、もう一度目的を明らかにしよう。

疑問:ランバートの各球種の空振り率、高すぎないか?
仮説:MLBとNPBでは環境が違うからではないか?
目的:山本由伸と今永の23年→24年各球種空振り率を比較してみようぜ

結果として、直球は6-7%、変化球は10-20%ほどNPBよりもMLBの方が高くなっていることが分かった。だからと言って対象が2人、それもNPBで最上位かつMLBでも上位の彼らの結果とランバートを単純に比較できるわけもないのだが、まあそこは今回大雑把でいいじゃないかと言うことで…。

とはいえ普段からいろんな投手のNPB空振り率を見ていない読者からするとこれを見てもピンと来ないかもしれないが、私的には適当に算出した割には結構妥当に見えるし、そのうえでこんな感じなら悪くないんじゃないかという印象を受けた。スライダーは流石にもう少し空振りを取れそうというか、7-8%くらいは出せるんじゃないかなという気がする。

読者はヤクルトファンが多いと思うので、ここでは来季15勝できると専らのヤクルト・吉村貢司郎と比較してみよう。

2024年、138.1回を投げて防御率3.19、9勝を挙げた吉村貢司郎

空振り率というそこまで成績と相関があるのかないのかよく分からない数字だけだが、吉村の数字よりも全体的にランバートの方が良く見える。かなり期待できそうではないか。

MLBでも上位クラスのチェンジアップ

次に注目いただきたいのは、チェンジアップ。

平均球速87マイル=139㌔弱で、140㌔台も計測する比較的速めなチェンジアップが彼の武器だ。超打高球場のコロラドを本拠地にしていながらチェンジアップは被打率.230、先ほど紹介したxwOBA(=打たれた打球の質)も.246と非常に優秀な数字を記録している。

上で表示しているのは、MLBで2024年50打席以上の対戦数がある投手135名のうちチェンジアップに限定したxwOBAが優秀な順に並べたランキング。ランバートは27位に位置している。この強い打球を打たれづらい速いチェンジアップがどう使われているのかは、この後の対右・対左でどういう攻め方をしているかという話で具体的に説明していこう。

2.対右打者/対左打者別の攻め方

先ほど提示した持ち球と投球割合は対右・対左を混ぜたもの。次に、対右・対左別での投球割合を見ていく。

対左打者への現状とNPBでの展望

第1章からのつながりとしてチェンジアップから話していくが、そうなるとまず注目いただきたいのは対左打者へのチェンジアップの投球割合。左打者への全投球の45%をチェンジアップが占めている。ストレートが43%なので、実質的にチェンジアップとストレートのツーピッチ状態だ。

以後も出てくる球種別・右左打者別の投球マップはBaseball Savantの上URLで確認できる。ぜひ読者のあなたも「このnoteを読み終わった後に」このページでいろんな投手を見漁ってみてほしい。さっきの対右左打者別の投球割合やxwOBAといい、なんて便利なんだ!NPBがしょぼすぎて涙が出てくるよ。でもいずれNPBもこうなるはずだから、先にMLBでこういうデータの見方を勉強しておくべきだよな。うん。

話をランバートの対左チェンジアップに戻すと、アウトコース中心に真ん中~低めでゾーン内を通したり、低めに落として空振りを狙いに行ったりと2パターンでチェンジアップを使い分けていることが伺える。

以下でランバートが今季打者へ投じた結果球が全て映像付きでチェックできるのだが(もちろん球種も事前に分かる)、こちらでチェンジアップを見ていただくと、大きく/小さく沈む、シュート成分が強い/弱い等様々な軌道のチェンジアップで打者を打ち取ったり三振を取ったりしていることが分かる。

こちらは大谷翔平に対して大きくシュートしながら沈んで空振り三振を奪った場面。少し浮き上がってみえた後に球速に沈んだりシュートしたりするのがランバートのチェンジアップの特徴だという印象がある。それにしても、Baseball Savant凄すぎるだろ!!

ランバートの球種別statsを見ると、チェンジアップがズバ抜けて優秀なだけで直球や他の変化球はMLBだと平均以下。

ランバートは今季28試合に登板してそのうち先発は3試合だけと、先発というよりはロングリリーフ寄りだったこともあるからか、左打者に対しては優秀なチェンジアップを多投してなんとかしようという意図を感じる。でもNPBでヤクルトが求めているのは先発として長いイニングを投げること。いくらMLBでも優秀な部類に入るチェンジアップとはいえ、3巡目以降もチェとストレートのツーピッチだと厳しいって。ヤバいって。危機感持った方がいいって。とジョージも言っている。

ではここで、25試合登板のうち11試合に先発している2023年、つまり先発として長いイニングを投げる前提だった年の投球割合はどうなっているのか見てみよう。

2023年ランバート対左打者の投球割合

2023年はストレートの割合は2024年とそこまで変わらず、チェンジアップの割合が下がった分スライダーの割合が増えている。先発としても多く投げていた頃は、対左打者に対してもスライダーを多く使っていたようだ。

では2023年対左打者に対してスライダーをどのように使っていたかと言うと、こんな感じ。

バックドア(=左打者目線外からゾーンに入ってくる軌道)というよりは、かなりインコースに使っていることが分かる。

2023年のスライダーの結果球を見漁ってみたが、スライダーというよりはカットボールという感じ。左打者への結果球としてはそこまで見つからなかった。カウント球としては使えるタイプなのかなというイメージ。

チェンジアップはそこまで23年/24年で変化していなかったので、

アウトコース:チェンジアップで左打者から逃げていく軌道
インコース:スライダー(カットボール)で左打者へ食い込んでいく軌道

で使い分けが行われていたということだ。

ちなみにストレートはこんな感じで、若干外多めだが内にもしっかり差し込んでいっている。

①外角ストレート ②内角ストレート
③外へ逃げるチェンジアップ ④内に食い込むスライダー(カット系)
⑤たまに来るカーブ ⑥その他

NPBで先発をするとなると、2024年のようなチェンジアップとストレートのツーピッチというよりは2023年のような上記の複数コマンドを使い分けて左打者目線的を絞りづらいような投球をしてくれるんじゃないかと期待している。

対右打者は特に面白みは無くオーソドックス

右投手の対右打者はそんなに面白くない。ある程度スライダー方向の変化球が使えれば、ストレートとスライダー系+落ち球をアウトコース中心に投げ込んでいくだけだからだ。

こちらは2024年のスライダー(カット系)。たまに内角へ来る抜けカットが良い味を出している。

アウトコースへ誘う系の球はスラーブの方だ。おそらくNPBだとこちらがスライダー表記、MLBでのスライダー表記がNPBだとカットボール表記になりそうだが。これはスラーブと言われるくらいだから、横成分だけでなく縦成分も結構強い独特な球種。これがNPBの球でどういう変化をして、NPBの打者がどう反応するかは結構楽しみ。これを左打者の足元に落とすような使い方もできないかな?と見ている。

ランバートの武器であるチェンジアップは意外と右打者には使われていない。たったの9%だ。

xwOBAも.293と、対左の.234と比較すると打たれている打球の質もそこまで良くはない。どちらかと言うと右打者にはそこまで嫌に見えない球質なのかもしれない。

対右打者と左打者、どっちが優位?

ランバートは対左へのチェンジアップが良くて、右打者へはチェンジアップ含む全ての球種がMLBでは平均以下と考えると、純粋な対左・対右打者の成績を比較すれば対左>対右の方が得意なんじゃないかという気がするが、さて実際の数字は…。

あれ、ほぼほぼ変わらなかった。

ちなみに、先発が多かった2023年だと…?

あ、やっぱり左打者にそこまで質が良いわけではないスライダー(カット)をある程度使わざるを得ない状況(=先発)だと対右>対左になるのか。とはいえ大きな差はない。

NPBでやるとするなら、右打者打者ともに被打率.230-240くらいを期待したいが…。ランバート、頼むぞ!

まとめ

さて、もう書き始めてから(別日に行った事前の軽い情報収集を除いて)3時間半が経過しておりもう疲れたので、例によって私の優秀なアシスタントである生成AI copilotの"こっちゃん"にまとめをお願いしよう。

以下のブログの『まとめ』に書くものを準備してほしい。
#要件
・ランバートの武器はチェンジアップである旨を入れ込むこと
・左打者のコマンドはどうなっているか入れること
・右打者と左打者でそこまで特段苦手な方は無いのを入れること
#以下ブログ内容
~1章と2章の内容をコピペ~

今回のプロンプト

ランバートの武器は、平均球速87マイル(約139km/h)の速めなチェンジアップです。特に左打者に対してはチェンジアップを多用しており、45%の投球割合を占めています。ランバートのチェンジアップは非常に優秀で、被打率.230、xwOBA.246と強力な打球を許さない球種です。

左打者へのコマンドは、アウトコース中心にチェンジアップを投げ込むことで空振りや凡打を狙い、内角にはスライダー(カットボール)を使って打者を制圧します。このように、複数のコマンドを駆使することで左打者への対応力を高めています。

対右打者と左打者の成績を比較すると、ランバートには特に苦手な打者のタイプは見られません。右打者にも左打者にも安定したピッチングを見せており、どちらのタイプの打者に対しても同様に効果的な投球をしています。

ランバートのチェンジアップがどれほど強力な武器であるか、そして右打者・左打者に対するコマンドの工夫により、MLBでの活躍が期待される選手です。来季のNPBでの活躍にも注目しましょう。

他にも質問があれば、どうぞ教えてくださいね!


うーん、ちょっと変なところもあるけどまあ合格。
太字の部分以外は全て自動生成。

それではまた次回・もう1人の新外国人でありクローザー候補であるバウマンの詳細記事で。

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早坂 レイ
仕事前の朝や週末は基本的にスターバックスに篭ってコーヒーを飲みながら文章を書いたり読んだりしています。 もし僕の文章を気に入っていただけたら、そのコーヒー代400円を奢るという意味でご支援いただけると嬉しいです。

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