巡りめぐっていまに至る
母が病気になってから、私の学びの日々は始まった。
母が脳腫瘍を患い、手術を受けたのが私が24歳の頃。
1度目の手術を受け、腫瘍部分は全て取り除けたということで嘘のように元気になったのだけれど、約1年後には再発。
その時には右半身は麻痺し、言葉を話すことも難しい状態となってしまった。
手術を受けた後に放射線も当て、抗がん剤も使い、苦しい思いを耐え抜いたにもかかわらず、以前よりもひどい状態になってしまい、さらには回復は見込めないと言われてしまった。母は人生で合計5回もの開頭手術を受けた。なんなんだ…。そんな母を見て、現代医学に対しての不信感を抱いた。
そんな時に日本でも知られ始めたアロマセラピーの講座が近所で開講されることを知った。母に少しでも身体も心も楽にしてくれるものなのではないか、とワクワクしながら学んだ。
このアロマセラピーを皮切りに、それはそれは「おもしろそう」「やってみたい」と思うありとあらゆる講座を受けてきた。
彫金、シルバークレイ、スクラップブッキング、ペーパーアートなどのものづくりから、カラー、数秘、マヤ暦、レイキ、フラワーエッセンス、アロマ音叉などなど。同じものでもいろんな先生から受け直しもした。
一見ものづくりは何なの?と思われるかもしれないが、母は右半身がうまく使えなくなっても、絵手紙を書いたり、折り紙をしてみたり、ものづくりに没頭することで自分の世界に入り込み楽しそうにしていた。それもまた、癒しに続くことになるのだと感じ、そんな方法を伝えられたらと思っていた。
途中、いろんなことを学びまくっている自分が何をしたいのか、何を目指しているのか、自分で自分がわからなくなってしまい、それが悩みになったぐらいだった。
でも、そのうち「私は自分を知りたいんだ!」ということに気づいた。自分がどんな人間で、どんな質を持っていて、どんなことをしていたら自分が満たされ、満足のいく人生が送れるのかが知りたい。さらに、周りの人たちにもそれを伝えられたらいいな。さらにさらに、それが健康につながれば最高‼︎この思いが満たされるものを探し求めているのだと思った。
そんな思いに気づいた頃、ヴェーダに出会い、そこからジョーティッシュ(インド占星術)の先生とのご縁があり、さらにアーユルヴェーダに導かれていった。以前からアーユルヴェーダに関しては知ってはいたが、惹かれることがなかった。でも、今は思う。いろんなことを学んできたからこそアーユルヴェーダの凄さをより理解できるのだと。
その人に必要なものが必要な時に与えられるのだということを強く感じさせられた。
アーユルヴェーダは身体も心も魂も健やかにしていくための学びである。私の知りたかった究極の答えを学べるものだ。それは、ヴェーダもジョーティッシュもセットでさらに理解が深まる。
人生も半ばを過ぎ、そろそろ答えを知る機会を与えてもらえたかな、と思う。
これらの学びに終わりはない。学び切れるものではないから。だから、余計に楽しいし、気づきが多い。
そんな私が得た知識を必要としている人に届けられたらな、と思う。
巡りめぐっていまに至る。無駄なことは何もないということだ。
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