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タッグを組む私と体|ひかり

どちらかというと体は丈夫な方で、日々の小さな体調不良はあれど、風邪をひいたり、体を痛めることは片手で数えても余るくらいに、ほとんど患うことなく過ごしてきた。
夫が旅先でインフルエンザになり、ホテルで一日中看病した時はさすがに覚悟したが、待てども待てども発症する兆しはなかった。
おかげで今のところ、インフルエンザには罹ったことがない。

こんな調子だから、痛みがあったりしても少し経てば治るし、と丈夫さにかまけてほとんど自分の体や体調というところに意識を向けずに暮らしてきた。

ところが、今年の春ついに大きな変化が訪れてしまった。
腰を痛めてしまい、痛みが日常生活の全てにまとわりつき、何をするにも以前と同じように出来ず、これから影響していくことの大きさを考えると、大きな不安がどどどんと立ち塞がってきた。

これは待っても消える痛みではないなと病院へ行くと、ヘルニアの診断を受けた。
え、、、ヘルニア、、、よく聞くけれど、腰を痛めるということは自分とは無縁のことだと思っていたから(本当に勝手な決めつけだったと思う)、診断を受けた時にはショックで、それが私の顔に出ていたのであろう、先生がなぐさめるように完治した患者さんがいることを伝えてくださった。

自分の狼狽え具合に、いかに体に無頓着に生きてきたのかようやく気づいた。
体を過信して過ごしてきた、紛れもなく自分が撒いた種なのだ。

しかも、腰の痛みの原因を紐解くと、芋づる式に要因が見出され、体のあちこちに固い結び目のような滞りがあった。
元気だと思っていた体は、ギリギリのところでカバーし合いながら動いてくれていたんだ。
あまりにも分離していた意識と体がようやくここで繋がった。

それから、滞りを促すことを生活で意識するようになり、少しずつだが、体は変化していっている。
力の入れどころ、関節の使い方、姿勢などが変わってくると、やっぱり体が楽になり、動きにしなやかさが生まれたように感じる。
そうして体が力まないと、頑張ろうとしなくてもよくなってきた。
この頑張ろうとしなくて良いという感覚が一番の驚きで、体を整え始めて本当の心地よさを実感している。

プロセス的に体は元々の位置に戻っていっているのだが、気持ちはどんどん新しい境地へ向かっているようで、今は不安が楽しみに変わってきている。

体が私を心地よい方へ運んでくれるし、また私が体を無理のないところへ運ぶ。
これからはしっかりタッグを組んで進んでいきたい。

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HAKKOU/リレーエッセイ
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