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(60)神時間術

【集中力を完全にリセットする裏技とは】

有酸素運動をすることでBDNF(脳由来神経栄養因子)という脳を育てる物質が分泌され、意欲を高めるドーパミンという脳内物質も分泌されます。
結果として集中力が高まるだけではなく記憶力、思考力、作業遂行能力など、脳の多くの機能がアップするのです。


【「人生最大の気づき」と「人生、最大の決断」】

アメリカ人は人生を謳歌している。その気づきを得た瞬間、私の頭の中の回路は完全に切り替わりました。なぜ自分は「我慢比べ」のような人生を送っていたのだろう。もっと自由な時間を確保し、自分のやりたいことをやって「自分らしく」生きよう!
そこで、自分が「本当は何をしたかったのか」を思い出します。自分は本が大好きだった。そして文章を書くことも大好きだった。その時点で既に3冊の本を出版していたのですが、もっと本格的に執筆活動をしようと作家になることを決意したのです。
日本人は「人生を楽しむ」ことに、何か罪悪感を持っている気がします。しかし人生をもっと楽しんでいいのです。「仕事」だけが人生ではありません。「我慢」「辛抱」「忍耐」だけが人生ではありません。

【「書くだけ」雑念消去法】

ツァイガルニク効果を言い換えると、進行形の出来事は、脳の記憶スペースを占拠するが、完了した出来事は、脳の記憶スペースからきれいさっぱり消去されると言うことです。

【切り替え力を高める脳トレーニング】

紙に書いたくらいで雑念は消えない。同じ考えが何度も頭の中を反復して雑念を振り払えないと言う人がいたら注意が必要です。なぜならば、雑念が振り払えないのは、前頭葉が疲れている証拠だからです。脳の中で考えを切り替える作業を行うのが前頭葉です。特に前頭葉の中でセロトニンという物質が「切り替え」と深く関係しています。
うつ病では、前頭葉の機能が低下します。
そしてセロトニンの機能も低下します。うつ病と言う深刻な状態までいかないにしても、睡眠不足やストレスが溜まっている状態でも、前頭ような機能は低下します。
そんな「切り替え力」が弱い人はどうすれば良いのでしょうか。それは前頭葉のセロトニンを活性化すればいいのです。その具体的な方法は「日光を浴びる」「リズム運動をする」「咀嚼する」の3つです。

【なぜ夏休みの宿題は1日でできるのか】

人は追い込まれると脳内でノルアドレナリンが分泌されます。ノルアドレナリンは集中力を高め、学習能力を高め脳を研ぎすまします。結果として脳最高のパフォーマンスを発揮するのです。
人間は追い込まれたときに最高のパフォーマンスを発揮できるように設計されているのです。

【締め切り厳守仕事術】

自分で締め切りを設定します。実際に書き上げるのは締め切り前の2日位になってしまいますが集中して書くので、非常に質の高い文章が書けます。締め切りを設定してそれを厳守するだけで、集中力が高まり、仕事効率がアップする。これを「締め切り厳守仕事術」と呼びましょう。

【日本人は怠惰なのか?】

私がアメリカに留学中の話です。あるパーティーで日本企業に勤めたことのあるアメリカ人からこんな質問をされました。「日本人と言うのは、お茶を飲んだり、新聞を読んだり、なんで朝ダラダラしているんだ?さっさと仕事を始めれば残業なんてしないで済むのに。」
この質問には驚きました。日本人のワークスタイルは勤勉と言われるのに、アメリカ人から見ると「ダラダラしている。」と思われているのです。私が働いていた研究室では、夕方の5時を過ぎると閑散としますが、朝の時間帯は、活況を呈していました。朝の8時半には、ほとんどのスタッフが揃って、実験の準備をしたりミーティングをしたりしていました。
日本人は「9時出社」のイメージがありますが、アメリカ人は、「9時からベストパフォーマンスで仕事を開始する」というイメージを持っています。ですから、コーヒーを飲んだり、その日の実験のミーティングをするなど、「準備運動」的な事は、始業前に済ませているのです。そして9時からは猛然と仕事を開始するのです。

【朝の30分=夜の2時間の法則】

あなたは、始業直後、最初に何をしているでしょうか。パソコンを立ち上げてメールやメッセージの確認と返信をすると言う人が多いと思います。
しかし「始業直後のメッセージの確認は、最大の時間の無駄」というのが、私の認識です。なぜならば、朝にメールチェックをすると「脳のゴールデンタイム」はそれだけでほとんどなくなってしまうからです。

【セロトニンが低いとうつ病になる?】

セロトニンが下がると気分は憂鬱になります。朝目が覚めて、「何もしたくない。」「布団から出たくない」「このままずっと寝ていたい」という気持ちが起こるのは、セロトニン神経が弱っている証拠です。セロトニン神経が弱った状態が長期化して、さらにセロトニンの分泌が悪化することでうつ病になります。うつ病の患者に共通する特徴ですが「朝起きるのが辛い。」ということをよく言います。当然、やる気や元気もなく活力も湧きません。
セロトニン神経は、睡眠中のレム睡眠時にほぼ活動を休止します。つまり朝起きた直後と言うのは、脳内のセロトニン濃度がゼロに近い状態なのです。朝起きて「気分が悪い」「起きたくない」「もっと寝ていたい」と思うのは、セロトニンがほぼゼロなので、当然の反応です。

【始業後、1番最初に何をする?】

始業開始時には、メールやメッセージのチェックをするな、と前に述べました。それでは仕事をスタートしたときに、その最初の時間に何をすべきなのでしょうか。まずは「時間の割り当てを決める。」ことです。
集中時間術で重要なのが、この「時間の割り当て」です。集中力の必要な仕事は、集中力のある時間帯に割り振る必要があります。そのためにまず「To Do リスト」を書きます。今日1日でしなくてはいけない仕事をリスト化します。次にそれをどのような順番でこなしていくのかを決めていきます。1日のスケジュールを仕事の流れとしてイメージします。

【記憶力アップの場所ニューロン効果】

「歩く」「移動する」「場所を変える」というのは、脳に対して非常に良い効果を発揮します。それは移動することによって「場所ニューロン」が活性化するからです。場所ニューロンというのは、海馬に存在する、場所を司る細胞で、もともと自分がどこにいるのかを忘れないように記憶するための細胞です。
場所ニューロンが活性化することによって、海馬全体が活性化し、記憶力が増強します。「歩きながら勉強すると記憶しやすい。」というのは脳科学的に正しいのです。海馬と言うのは記憶の一時保管庫です。脳に入力されたすべての情報は海馬に1時保存されます。
勉強したり、仕事をしたりすると言う事は海馬を使うということです。つまり海馬が活性化すると、記憶力が高まり、勉強や仕事がはかどるのです。

【運動が脳に良い科学的な根拠】

1.「海馬の神経を増やし、長期記憶を強化する」
BDNF(脳由来神経栄養因子)が分泌され、神経細胞の増殖を促進する。
2.「脳を育てる」
脳の容積が増える。シナプスのネットワークが増える。
3.「運動直後から学習機能がアップする」
35分間ランニングマシンで走っただけで、その直後から認識の柔軟性(遂行機能)、学習能力が向上する。
4.「頭が良くなる」
「運動する人」と「運動しない人」と比べると、長期記憶、推論、注意、問題解決、流動性知能の課題について「運動する人」の方が成績が上だった。
5.「作業記憶が良くなる」
運動の前と後とでは、作業記憶(ワーキングメモリ)のテスト結果が50%以上改善した。
6.「ぐっすり眠れる」
週250分の運動で、睡眠の質は65%アップする。
7.「やる気が高まる」
運動開始するとすぐにモチベーション物質であるドーパミンが分泌される。ドーパミンには、記憶増強効果、学習強化効果もある。また継続的な運動によって、ドーパミンニューロン同士のつながりが強まり、さらにやる気がアップする。
以上の結論を求めると、30分程度の有酸素運動によって、その直後から学習機能、記憶能力、モチベーションがアップします。継続的な運動習慣によって、シナプスのネットワークが増え、頭が良くなると言うことです。

【交流は最大の癒し】

交流の時間が、1日の疲れを忘れさせてくれますが、それは精神的にではなく、脳科学的にも「交流」が、癒しになることが確かめられています。
人と交流することによって、脳下垂体からオキシトシンが分泌されます。オキシトシンは「愛の物質」と言われています。オキシトシンが分泌されると「愛し、愛されている感覚」を実感します。さらにオキシトシンには細胞修復作用、免疫力を高める作用などがあります。つまり実際に体の細胞や臓器を修復し回復させる真の「癒しの効果」を持つ物質なのです。オキシトシンは精神的な交流でも分泌されますが、スキンシップによって分泌が高まります。1番は性交やキスによって出ます。またハグだけでもかなりのオキシトシンが出ます。子供を抱っこしたり、手をつないで歩くのもいいでしょう。

【寝る前15分は余計な情報を入れるな】

「人間は寝る前に考えた人間になる」という言葉がありますが、これは心理学的に正しいのです。寝る前の人間は「特別無条件同化暗示感受習性」という状態にあります。寝る前に考えたことが私たちの潜在意識の中に、そのままずっと入って来やすい状態ということです。普段は閉じている。潜在意識の扉は寝る前の時間帯は開くのです。寝る前に今日あった「辛い出来事」を思い出すのはやめたほうがいいです。




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