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ちょっとオススメ映画「ロードハウス/孤独の街」~ひたすら肉弾戦で痛い痛い~

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 近頃ダーティーな役ばかり演ずるジェイク・ギレンホールが、またまたタトゥーたっぷりな格闘家に扮し、肉弾戦のオンパレードを展開する。1989年のパトリック・スウェイジ主演「ロードハウス 孤独の街」のリメイクとか。製作も同じジョエル・シルバー。前作がベン・ギャザラ、ケリー・リンチ、サム・エリオットが脇を固め、ちょっぴり琴線に触れる作品だったが、本作はとことん「痛い」にフォーカスする。

 脇を固めるスターバリューがちょいと弱いが、ヒール役の破壊屋に扮したコナー・マクレガーが実に面白い。実際に格闘家だとかで、ムキムキにタトゥーベタベタのド派手で、思考回路はいたって単細胞、無暗にジェイク・ギレンホールに戦いを挑む。本作の唯一の面白さはこの2人の実に壮絶な肉弾戦にある。メジャー・スターであるジェイクも例によって目をギラギラさせての怪演で、多分巧妙にスタントを使っているのでしょうけれど、まるで判らぬ激しい「痛さ」が画面からひしひしと伝わってくる。

この木の破片で相手を刺すのですよ、ひぇ~

 着衣ならいざ知らず、2人ともすぐに上半身脱ぎたがり、落ちて転んで擦りむいて、頭・胸・背中とあらゆる部位を強打の連続。まあ、よくぞここまで振り切ったアクションに集中出来たもので。出色はクルーザーとモーターボートによる水上アクション。空中から突っ込んで来るボートの底に頭を直撃なんて、細かしいアクションをしっかり判るように描くのがプロ根性で、お見事です。

 お話はありきたりの用心棒もので、雇い主の巨大クラブを荒らす不届者を成敗するだけ。ちょっぴりウェットなところがあってよさそうですが、バッサリとアクションに集中です。と言うより、現在のジェイク・ギレンホールにラブを演ずるイメージがまるで湧かないのが現実です。今時こんな手荒な手段で店をぶっ潰すなんてところが、妙にレトロで好ましくもある。

 それにしてもフロリダの先端に、島々を貫く道路があって、随分と素敵なロケーションですね。大味な造りで、ステージは金網で囲われた物騒な様相、それらも含めてアメリカンな佇まいが行ってみたいと思わせます。

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