ラボ活動、キックオフ!!/USER INNOVATION LAB. レポートVol3
こんにちは!
博報堂ブランド・イノベーションデザインの今井と申します。
2018年に博報堂に入社以来、企業のブランド戦略や事業開発の支援を主に担当させていただいております。
本記事は博報堂と法政大学西川英彦研究室の共同で立ち上げましたユーザー・イノベーションの研究会「USER INNOVATION LAB.」の活動をレポートする連載になります。
3回目の今回は「ラボ活動、キックオフ!!」と題し、昨年12/16に本格始動しましたUSER INNOVATIONLAB.の初回研究会(以下、研究会#1)の内容について簡単にレポートいたします。
記念すべき初年度の本ラボにご参加いただいたのは、合わせて6社。
電機メーカー(2社)、食品メーカー、生活用品メーカー、コンビニエンスストアチェーン運営会社、デジタルマーケティングサービス提供会社と、多様な業種から1社3名ずつ、計18名の方にご参加いただく形となりました! (ご都合が合わず、初回は1社欠席となりました)
研究会#1は「キックオフ」という位置付けで、以下の流れで行いました。本レポートでは、自己紹介とユーザー・イノベーションワークの様子に絞ってお伝えします。
自分と会社に新しい風を吹かせる場
自己紹介は、事前課題として作成いただいた自己紹介シートをもとにお一人ずつお話いただきました。(以下、私の自己紹介例です)
聞きながら気づいたことですが、役職で見ると新入社員の方から管理職の方まで。職種で見ても、営業、デジタルマーケティング、新規事業開発、経営企画、プロダクトデザインと、幅広い年代・職能の方々にお集まりいただく場となりました。
私自身、ブランドデザインの仕事に携わる中で社内外の異なる職能を持った方々と共創する機会を多くもちますが、違いがあるだけ得られる視点が増えますし、何より場がカオスになるぶんワクワク感が爆増するところが良いなと思っています。
話は戻りますが、みなさんの本ラボへの意気込みも印象的でした。
「多様な方々との出会いを学びにしたい」
「顧客目線や顧客のニーズ発見力を磨く機会にしたい」
など、個人の成長機会として捉えてくださる方がいれば、
「イノベーションは企業がやるものと思い続けてきたが、また異なる新しい知識・知見を得たい」
「自社商品が直面しているコモディティ化のスパイラルを抜け出したい」
「ユーザー・イノベーションに可能性を感じているけど、正直、うまくいくのか懐疑的なところもあるのでこの機会に学びたい」
など、会社や商品の変革を見据える方がいらっしゃる。
ある参加者の方が「新しい風を吹かせたい」と発言されていて「まさにそれかも!」と思ったのですが、みなさん総じて1年間という決して短くない期間のコミットを自分自身や会社に新しい風を吹かせるチャンスにしようとして考えてくださっていると感じました。
研究と実務、興味と課題をクロスさせる
続いて、「ユーザー・イノベーションワーク」と題しまして、持ち寄ったユーザー・イノベーション事例を紹介しあい、ディスカッションする時間をとりました。
具体的な内容は割愛させていただきますが、事例を持ち寄ったことで
「関与度の高いブランドのほうがユーザー・イノベーションが起きやすいのでは?」
「起業家自身がコアなユーザーだと、事業の成功確率が高い気がする」
といった、研究領域でもある向き・不向きや成功法則についての視点が出た一方で、
「社員の平均年齢が高い会社では、どのようにユーザー・イノベーションという考え方の価値を伝えていくか、という視点も重要かもしれない」
「ユーザーのアイデアがどれだけ革新的だとしても、原料調達やコスト、時間の面との折り合いを考える必要がある」
といった、現業での実際の活用に向けたフィージビリティに関するポイントも見えました。
余談ですが、「本ラボのメンバーでお互いの商品をサンプルとして送りあって意見を言い合う中にもイノベーションのタネがあるのではないか」という提案があり、電機メーカーの参加者の方から「(うちの)エアコンはどうすんだよ」とツッコミが入り、この日、一番盛り上がりました。(笑)
問いを携え、いざ研究の世界へ
以上、簡単にではありましたが、研究会#1についてのまとめでした。
ユーザー・イノベーションと相性の良い商材の特徴とは?
ユーザー・イノベーターが声を上げやすくなる場づくりのポイントとは?
ユーザー・イノベーションの考え方を社内浸透させるためには?
ユーザー・イノベーション実現のハードルを下げるためには?
と、今回は懇親に比重を置いたライトなディスカッションでしたが、それでも興味深い問いがいくつも立ったように思います。
次回からは、ユーザー・イノベーションの研究者や実務家からのインプット+ディスカッションを行なっていきます。
最新の研究内容とリアルな取り組みのインプットのシャワーを浴びながら、年代も職能も異なる方々で視点を出し合い、現業での活用に向けた血肉にしていく。
まだ始まったばかりではありますが、ここからどんな新しいケースが生まれていくだろうとワクワクします。
1月の研究会では、静岡大学学術院工学領域事業開発マネジメント(MOT)系列 准教授で、法政大学イノベーション・マネジメント研究センター 客員研究員でいらっしゃる本條晴一郎先生より「リードユーザー/リードユーザー法」についてインプットいただきます。
またレポートしますので、お読みいただけますと幸いです!
(ついでにフォローもいただけると嬉しいです!!)
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