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人生が苦しくなる本能

いつもいつも、後悔ばかりしている。

中学のとき、手痛い失敗をした。
高校のとき、手痛い失敗をした。

これらの失敗について、ずっと引きずっている。

大学生で、うつになった。
社会人になってからも、何度もうつになった。

うつになったときに、
中学時代と高校時代の選択ミスを、ずっと後悔して、そのことばかり考えて、未来を台無しにしてしまった。

今も、後悔してはうつになる。

過去にこだわっていても、意味などないと、
頭ではわかっているのに、繰り返し後悔が、自動的に思い浮かんで、うつになる。

なんで、俺はこんなにバカなのだ?


原因① 後悔をする本能

統合失調症の発症者率は1%であり、世界中で変わらないという。
(統合失調症は、妄想や幻覚などを伴う重篤な精神病である。つらい病気)

統合失調症の有病率は約1%であり、およそ100人に1人の割合です。統合失調症はあらゆる社会と地理的地域に見られ、発生率および有病率は世界中でほぼ同様です。

https://www.asabu-mental-clinic.com/subject/04tougou.html

統合失調症は、世界中で同じ割合ということから、人類の本能、性質、遺伝子レベルに組み込まれたメカニズムが引き起こしているのだろう。

同じように、人間には後悔をする本能が備わっている。
問題は、この後悔をする度合いが人によって異なるということ。

後悔をしない人間は、同じ失敗を繰り返す。

人類が遺伝子的に完成形になった石器時代を考える。

石器時代は、
 不適切な場所に寝転がって蛇にかまれたり、
 毒キノコを食べて食中毒になったり、
 獲物を倒すための毒矢で自分自身をうっかり傷つけたり、など
ありとあらゆる場所に命の危険があった。

石器時代にも、ハインリッヒの法則は有効だった。
うっかり死んでしまうような失敗の背景には、30の軽傷を負う失敗があり、300のヒヤリとした体験があったはずだ。

石器時代においては、小さな失敗をいつまでも覚えておいて、おなじ失敗を繰り返さないような本能は、きわめて重要だった。

石器時代を生き抜いた人類の末裔である我々には、もれなく失敗を後悔する本能が備わっている。
くよくよと過去を思い出しては嘆く本能がそなわっている。

問題は、、、、
この本能が強すぎる場合である。

僕は、後悔をする本能が非常に強い。
病的といえるレベルまで強い。

いつまでたっても後悔ばかりしていて、未来に目が向かない。


原因② 取り返せないライフステージの出現

現代社会を生きることは大変だ。
現代社会には、ライフステージというシステムが存在する。

小学生
中学生・高校生
大学生
社会人 20代
社会人 30代
社会人 40代
・・・・
などの区分により、ルール、目的、やるべきこと、が変わってくる。
人間関係も大きく変わってくる。

現在社会では、
 小学生の目標、やるべきことは、友達作りと遊びとお勉強と集団生活への順応である。
30代社会人の目標は、組織の歯車として労働力を供給すること、恋愛市場に参入して大量のお金を消費すること、結婚して家庭をもつこと、など多岐にわたる。。

基本的には、大学生まではお勉強であり、社会人は組織の歯車である。
ルールも目的もやるべきこともガラッと変わる。

石器時代はどうか?
10歳くらいの少年だろうが、35歳のおっさんだろうが、獲物を弓矢で狩って焼いて食うという、やるべきことはあまり変わらない。

農業社会はどうか?
10歳くらいの少年も、35歳のおっさんも、田畑の手入れを一緒にやるのである。やるべきことはあまり変わらない。

現代社会でも、前のライフステージで学んだ失敗に対する教訓は、抽象化すれば次のライフステージでも使える。
でも、抽象化できなければ、同じ失敗をする場面は二度とやってこない(前のライフステージには戻れない)ため、まったくもって失敗に対する本能は役に立たない。

そして、失敗を抽象化して、それをちゃんと次に生かすことができるのは、かなり頭のよい人間でないと難しい。


原因③ 後悔できるだけの”豊かさ”の出現


石器時代であれば後悔ばかりしており、未来に目が向かない、という現象はほとんどなかったと思う。

江戸時代までの、農村社会でも同じだろう。

なぜなら、後悔するほどの選択肢などないのだ。

石器時代であれば、獲物をとる。
江戸時代までの、農村であれば、農業をする。

目の前の仕事に忙しく、取返しのつかない後悔を、えんえんと悩むということはない。

えんえんと後悔して行動できなくなるような、そんな人間もいたと思われるが、食料が不足しがちな時代において、すみやかに餓死したともいえる。
昔は命が安かった。

中学や高校など、学生時代というものが出現したのは、第二次世界大戦以降だろう。特に、部活動や青春などが輝かしいものだとされるのは、豊かになった高度経済成長以降である。

だから、高度経済成長までは、後悔するネタが不足していたのだ。


原因④ 後悔すること自体による、脳回路の再強化

脳の回路は、使えば使うほど強化される。
だから、後悔すればするほど、”後悔する” 脳回路が強化されてしまう。

そして、後悔しかできなくなってくる。
この、後悔が後悔を呼ぶ悪循環を、どうにかして断ち切らねばならない。


結論


僕が後悔ばかりしているのは、
 ①もともと人間には後悔する本能がそなわっており
 ②一方通行のライフステージ変化が強制イベントになっている現代社会では、後悔が役に立たなくなっており
 ③豊かさにより、選択肢が増えたぶん、後悔しやすい環境が整っており
 ④いったん後悔しだすと脳の再強化により後悔の悪循環に陥るからである。

つまり、原因は「人間の本能」と選択肢が増え、ライフステージが複雑化した「社会」に原因がある。
これらは、どうしようもない。

現実的な対処としては、
後悔することが後悔を呼ぶ、脳には再強化機能があることを認識し、後悔しはじめたら、小指を強く噛むなどの特定の行動をして、即座に思考を変え、違うことを考えるようにする
ことである。

後悔しだしたら、やばいやばいやばいやばい、と言って慌ててほかのことを考える。これを習慣化する。






おまけ


7つの習慣より、まずこの”後悔をやめる” 習慣を身につけるべき。

小学校の教科書に、載せとけ・・・

もちろん、小学校では ”後悔先に立たず” ということわざだけは学ぶ。
でも、解説がプアすぎる。

頭のよい人間なら、ここから真の意味を読み取れるかもしれないが、大半はことわざを覚えるだけ、である。

人間には失敗を後悔しやすい本能的性質があって、
現代社会では後悔はほとんど役に立たなくなっているから、
自分自身の思考をちゃんとコントロールすることが大事ですよ

自分自身の思考をコントロールするために必要なTipsは、これこれこれで、、、、

みたいな情報を、”後悔先に立たず” と一緒に教えなければ、
十分な教育をしたとはいえない。



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