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水野はつね
2022年4月7日 22:29
いっそわきまえていたつもりでいて足元に流れ込んだ泉の目の覚める温度いやいやながらに歩きはじめる行かなくたっていい道を南国の花の香は勇ましくすらあるひと噛みの甘さをそこから拝借するたび色づく口もとが他愛ない花木のあいだ千切るたび取り落としてもっとさいわいに顔を上げていられればよかったが虫たちの歌う音階がそこかしこで燃えてもがく指先をときどき焦がしていく(ねえ、針を運んで