デザイナーと歩んだ180日間
こんにちは、小室(@h08k07p)です。
2022年春より、女性用コスメのD2Cブランドを立ち上げるまでの道のりをnoteに綴っています。今回はデザインと製品名についてお話しします。前回のnoteはコチラ↓
BELMEの「プロダクトデザイン」作成に向けて本格的に始動したのは、2022年1月の段階でした。
前職ではプロダクトデザイナーとの関係は薄いものだったし、正直なところ会社自体がパッケージに重点を置いていませんでした(私はそのように思っていた)
でもデザインにもこだわったら、どんなが結果が生まれるだろう。そうした好奇心は常に抱いていましたし、自身のブランドでもあるため、これまでやらなかったことをやってみようという、ワクワク感を頼りに進めていました。
WEB領域が発展する今、場所を問わずデザインに携わる人は数多くいます。そして、今では低予算でクラウドソージングすることも可能で、アマチュアの方にも依頼する事はできるかと思います。
ただ、このブランドに命を吹きかけることができるのは、開発者(私)とデザイナーとのコミュニケーションと熱い議論、そしてスピードが大切だと思っていました。後悔は絶対にしたくない。そんな思いから、多くのフリーで活躍するデザイナーと直接私が連絡を取り、会話することから始めました。
中には、化粧品デザインを手掛けた実績のあるデザイナー。業績を伸ばしているD2C関連デザイナーの方など、多くの方とお会いして話を聞いてきましたが、今回担当していただいたデザイナーは、音楽業界などのエンターテインメントに関わる小野友也さんにお願いすることにしました。
NINJA GRAPHICS INC. 小野友也
2009年より「NINJA GRAPHICS(屋号)」としてフリーランス活動を始め 、2019年に「株式会社 NINJA GRAPHICS」を設立し、
現在に至る。音楽・エンターテインメントを中心に、グラフィックデザイン全般で活動中
http://ninjagraphics.jp
なぜエンタメ?という疑問に対して説明すると、なによりも「これまでにない新しいデザイン」を作りたいという想い。ここ最近店頭で並ぶ商品は、似たようなデザインがとても多いように感じます。例えば、ブランドロゴをパッケージにボンッと載せたもの。もしかしたら読者様の周りの"モノ”のパッケージを見ると、このようなデザインはあるかもしれません。
いろいろな説や意図などあると思いますが、私はパッケージというのは、ブランドの全体世界を考えてアートするものだと思っています。例として別の方向に置き換えて考えてみます。名前は伏せますが"夢の国”といわれる施設では、すべてのグッズやアトラクションがロゴで解決しているわけではありません。コンサートグッズもそうです。アーティストにもアーティストロゴのようなものがありますが、演出やグッズすべてがロゴで主張しているわけではありません。
化粧品といえばコレ、D2C製品といえばコレ、が全く固まっていない。そしてお客さんの心を魅了するエンターテインメントの世界でクリエイティブに携わる方小野さんであれば、きっと素敵なものが仕上がると思い依頼することにしました。
キーワードから一緒に組み立てるクリエイティブ
まず始めたことはキーワード作りからデザインを起こす作業でした。当時、商品名もブランド名も決まっていなかったかと思います。じゃあ何から始めていく?と考え動いたことは、開発者自身(私)の大切とするキーワードをデザイナーと一緒に洗い出すことでした。
これまで前職でも様々なデザイナーの仕事を見てきましたが、多くの場合は会話の少ないまま、出来上がったクリエイティブを一斉提出され、決断を要求させられる場合が多かった気がします。ただ、的はずれのものができた時に取り返しがつかないことが懸念でした。そのため軸となるものが決まるまで、とことん会話し、デザインを形成していくことにしました。
BELME(ベルム)はフランス語のBEL(美しい)英語のME(私)という名から命名しました。これは"自分自身を美しく”という願いなのですが、何も着飾っていないがあなたが一番美しいという意味を込めています。
優しさ、ありのままのあなたが美しい、男女問わない、やさしさ、などディスカッションの中で色々なキーワードが生まれていきました。骨組みのようなものが決まれば、色味や文字の太さ、軽やかさ、鮮やかさなども組み立てていきました。
洗い出しを進めていくと、だんだんイメージしているモノに近づいていることがわかりました。最終的にはキャップの大きさ、高級感、色は何色にするかなども決まりました。
実際に、この段階で決まって良かったと思っています。後にジャー容器メーカーとも折衝することになりますが、デザインの考えがブレず、きっちりした意図と論理的な思考も生まれた気がします。
製品名について
前回の記事で紹介しましたが、今回は胡蝶蘭(こちょうらん)のイメージが私にとって凄く大きい存在でした。そんな想いから、製品名を胡蝶蘭の英語名ファレノプシスという名から「ファレノ リペアクリーム」と命名していました。手にとった人が幸せになってほしい、そんな願いを込めた大切な製品です。
胡蝶蘭は白色、紫色、青色など様々な色がありますが、キーワードとして洗い出していた「やさしさ」「大人らしさ」「ありのまま」「男女」などから紫色が基調となりました。約3ヶ月、思考錯誤を繰り返し出来たBELMEのラフ(プロトタイプ)がこちら↓
BELMEのアイコン「B」マークを作り、ジャー容器にはそのマークを前面に出すことにしました。そして基礎化粧品ではあまり見られないのですが、キャップにも銀の箔押しスタンプを付け“絶対にこのブランドを忘れさせない”ようにしました。また、化粧箱を開くと、銀に輝いているマークが見えるのもサプライズとなる一つです。
化粧箱は全体的に網目のような背景となっていて、皮膚に胡蝶蘭(紫)が浸透していく世界を表しています。
私と小野さんにとって始めての業種となるデザイン。化粧品はこうあるべきだなどあるかもしれませんが、これがBELMEの考える「新しい価値」だと自身ももって提供することができます。
ここから多少デザインの変化を繰り返すのですが、完成パッケージは後日noteで紹介したいと思います。
今月更新するnoteでプロダクトの全貌すべてとリリース情報を公開します。ぜひご期待ください。
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