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資格学校は行政書士をどう考えている? その2
今日も資格学校に突っ込んでいきましょう
皆様こんにちは。今日もこのnoteを開いていただきましてありがとうございます。
前回から、資格学校の行政書士講座の売り文句を検証しています。そしてその中でも通信講座としては一番有名なあのユー●ャンを見ていたんでした。
ここは色々変なところがあると思いますので今回もつぶさに見ていきましょう。
まずは合格実績
昨日も書いたように思いますが、10年間で合格者が2687名を「突破」したんだそうです。
これ、何人中の2687名なんでしょうね?何人受験した中の2687名が合格したのかわからない限りはここの講座を受けるべきかどうかの参考資料にもなりません。
ただ、合格者数を発表しているだけでも、まだしも親切なんですよ?
昨日やり玉に挙げましたMTさんとこなんか何人受けて何人合格したのか書いてないんですよね。
令和5年の「合格者の声」の数を数えたら27人?でした(数え間違えていたらごめんなさい)。それだけだったら、曲がりなりにも「大卒」の肩書きを持つ人ばかり集めれば200人ほどの中で27人独学で受かるんじゃないでしょうか。最新の合格率で確か13%あまりですからね。
昨日突っ込まなかったので今日書いておきますと、昨日2番目に挙げました資格スクールでは令和5年合格者数304名だそうです。だから何人中?
「大手資格学校その1」でご紹介した結構大手の資格学校、最初のMTさんと提携しているところなんて、何人合格したかすら書いていません。
ここって、元々あんまり法律資格に強くない資格学校ですので、掲げられるほどの実績がまだないのかも知れませんね。MTさんと組んでこれからって感じでしょうか。
とにかく何人中何人合格したのか、細かい数字が言いにくければ受験者のうち何%合格したのか、それが言えない資格学校は信じるに値しません。
私って私立の高校を卒業した人間なんですけど、地元が公立高校より私立高校の方が優勢な土地柄なんです。で、どこの高校もそうなんですが、有名大学に進学した生徒は何人か紹介してるんですけど、誇るような大学に学年の何%が受かったかというデータは明らかにしないのが通例なんですよね。
だいたいが授業料免除の特待生クラスをひとつかふたつ設けておいて、その他学校の収入のための普通クラスをたくさん持ってます。
まさかそういう制度じゃないだろうな、各資格学校さん?
さて、ユー●ャンですが
行政書士講座のページを開くと、前の記事でも書きましたが10年間の合格実績、学習量が最小限になること、動画講義も充実と謳われているんですが、その下がもう10000円割引になってるんですよね。とりあえず割引で釣るのは資格学校としてはどうなのかなと思います。
で、ちょっと下を見ますと「教育訓練給付制度(一般教育訓練)対象講座」と書いてあります。
私この教育訓練給付制度ってやつ、よく知らないんですけど、バブル崩壊後の底冷え景気のころに創設されてますね。
あのころって、仕事を求めてたくさんの人が公共職業安定所に殺到したんですけど、職安も紹介できるような仕事を持っていませんでした。だからって職安の人も「私たちには何もできません」とは言えないじゃないですか。
だから公金を使って公共の資格訓練校を作って「資格を取れば仕事がありますから」と言って求職者に受講させたんですね。それでもなお求職者はたくさんいたんで、民間の資格学校に公金を出して求職者が受講できるようにした、という流れがあるんですよ。
話はそれますけど、私、もう2年ぐらい前になるのかなあ。コンビニの本・雑誌コーナーで「きっついお仕事」っていう文庫本がたまたま目にとまったんで買って読んだんですよ。タイトルのとおり著者がきっついお仕事を体験してレポートしてたんですが、ゲイ雑誌のモデルとかホストとかそういうのはまあ措いておくことにしますけども、バキュームカーのドライバー兼オペレータとか、下水道の掃除屋さんとか、ゴミの回収係とか、給料が高くても応募がない仕事って結構あるんですよね。
私自身がそういう仕事を体験したわけでもないのにこんなこと言うのも問題かも知れませんが、日本人って毎日職安に通わなければいけないほど仕事に困っててもそういう仕事は絶対にしませんよね。
実は私、そういう会社の社長さんを知ってます。実際に仕事をするのは民間の会社でも、誰がその会社にお金を払ってるかって言えば市役所だったりするわけですね。だから私の知っているその社長さん曰く「人が来ないからと言ってむやみに給料を上げるわけにも行かない」らしいんですよね。そりゃそうですよ。行政から「この金額内でやれ」って言われているわけですから。
というわけで、そういう仕事は外国人がやることになったりしちゃってます。国際化とか多様性とか、きれいな言葉で繕っても結局は奴隷売買だと思うんですよね。古代ローマの時代から、それをやって滅びなかった国はないんです。大丈夫か、日本。
すみません、話を戻りますけれども、そうやって職安が求職者に資格を取らせることでいま減在職がないっていう事実から目を逸らさせたことが、今日の資格ブーム…というか「資格さえあれば働ける」という信仰に近いものを作り上げてしまったんじゃないの?と思います。
ちなみにここの講座は月々3830円の14回払いだそうです。単純に考えると53620円ですか。他の資格学校と比べるとかなり安いですね。この手のものって言うのは安けりゃいいってもんでもないんでかなり不安ですけど。
で、行政書士って何なのか見てみましょう
「頼れる「身近な街の法律家」」とかの下りは昨日見たのでもう省きましょう。「生涯役立つ、頼れる資格」を見ますと
行政書士の資格は、就・転職やキャリアアップ、そして独立・開業に役立ちます。また、手に職をつけることで、定年後の保険にも!
一度取得した資格は生涯有効。老若男女問わず、幅広い世代から指示されています!
だそうです。「指示されています」は「ママ」です。
まずですね。東京都行政書士会の見解では、行政書士というのは一般企業に就職してその企業のために業務を行うことはできないんですね。根拠法を聞いたんですが教えてもらえなかったんですが。
となると「就・転職」には役立たないと言えませんかね?会社から見て役に立つ資格じゃないんだから。
独立開業に役立つというか、それ以外に道がないというのが実情だと思います。
定年後の保険に関しても微妙ですね。定年するまでに行政書士とやりとりがあるような仕事をやっていて、勤務先やその取引先の人に「定年したら独立しますのでよろしく」と粉がかけてあるような人ならまあ何とかなるかも知れませんが、全くの新人が定年後の年齢だったらまず仕事は取れないと思いますよ。
「一度取得した資格は生涯有効」とのことですが、これもちょっと士業独特の事情がありましてね。「資格を持っている」という言葉に二つの意味が発生しちゃってるんです。
行政書士試験に合格すれば、行政書士として登録する資格は得られます。ですが登録しないと仕事はできません。そして自分が開業する地の管轄行政書士会に何十万円か払って登録すると「有資格者」となり業務が行えます。
例えば日商簿記2級に合格したら、何もしなくても日商簿記2級合格って言えるじゃないですか。士業関係は違うんですよね。登録料と月会費を払っていて始めて有資格者たり得るんです。行政書士として登録すると単位会から会報が届くんですが、結構な確率で会費滞納者に懲戒処分が出てますよ。
この辺の仕組み、わかってない人が結構いますね。そこらへんぼやかしてませんかね?
「講座との相性を確かめよう」をやってみた
Q1
わりと聞き上手なタイプだと思う
はい/いいえ
Q2
責任感は強いほうだ
はい/いいえ
Q3
書類作成など、事務的な作業は得意
はい/いいえ
Q4
法律を扱う仕事に興味がある
はい/いいえ
Q5
将来的にも役立つ資格が欲しい
はい/いいえ
たった5問のYes/Noで何がわかるというのでしょう?
Q4、Q5あたりはこの相性診断まで進む人なら誰でも「はい」を選ぶでしょうし、試してみて全部「いいえ」を選んでも相性40%だそうです。
そもそも言うほど行政書士業務に法律って関係ないしな。むしろ半端知識を振り回して本当の法律家である弁護士等々に目を付けられているのは以前お話ししたとおりです。
というわけで、ここ本当に酷いです。
せっかくだから言いたいこと言っちゃおうと思います。今日は結構長くなっちゃいましたんで、また次回に回します。
最後にやはり宣伝です。
私はココナラで行政書士に関する相談を承っております。
何回も申し上げていますが、私は行政書士志願者や受験生、あるいは現役行政書士から「こんな仕事をしたい」「こんな仕事はできませんか?」みたいな質問があったら基本「できません」と気持ちを折りに行く方向で答えています。
そこらへん、甘く考えて、お金を一切失ってしまうぐらいならまだしも、下手をすると犯罪者にもなりかねないからそういうことを言っているわけです。
それでもやってみたいという方にはアドバイスをしています。
それで良ければお申し込み下さい。
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小説なんかも書いております。
こちらもぜひよろしくお願いいたします。
今日もありがとうございました。