「自販機デリカテッセン」・・・思い出は守られた。
昔、家族で訪れて、美味しかった思い出のデリカテッセン(西洋料理店)「アンジェラ」を再訪した。
路地の奥にあるが、小雨降る中、路地が何となく暗い。
不安を押さえながら、入っていくと・・・
残念ながら、お店は電気が消え、お客もいないようだった。
しかも、入り口の脇に大きな自動販売機が置かれていた。
「もう営業していないのか。残念だな」
諦めて帰ろうとして、その自販機を見直した。
それはジュースなどではなく、
そのデリカテッセンが提供していた料理の自販機だった。
「トリッパ・ハチノス(牛の胃袋)のトマト煮」
「牡蛎のリゾット」
「鶏のコンフィ(塩とハーブをまぶして油脂の中で加熱した肉料理)」
など、その店の自慢料理が冷凍で売られていたのだ。
冷凍ということで、不安もあったが、試しに買ってみる事にした。
買ったのは「トリッパ」と「コンフィ」。
密閉されたパックに入った、よくある冷凍総菜とほぼ同じに見える。
*パックの写真を撮り忘れました。すみません。
自宅に戻り、早速温めてみる。
一口食べて、口の中に幸福なあの瞬間が蘇った。
そうだ、この味、変わりない。
かつて息子がお嫁さんを紹介するために設けてくれた席の事を思い出した。
味と共に思い出も蘇るのだ。
嬉しかった。
こんなご時世でお店を営業するのが難しくても、その味を守り、形は変わっても提供し続けてくれたことに感謝した。
「自販機は、貴重な味も守る」という事なのかもしれない。
今度はブラウニーとジェラートを買ってみようと思う。
アンジェラは神楽坂の大通りから入った狭い路地の一番奥にある。
ご興味のある方は、是非グルメサイトなどで情報を調べて行ってみて欲しい。
おわり
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