「ホモホモ7」・・・この刺激的なタイトルの本は、 閉塞的な毎日に飽き飽きした時に是非読みたい本。
かつて上方落語の桂枝雀師匠が、「笑いとは緊張と緩和である」と語っておられましたが、この本は、その十数年前から緊張と緩和を実践していた。
『ホモホモ7 みなもと太郎 作』
週刊少年マガジンに連載当時(1970年ごろ)小学生だった私は、学校で友達とこの作品の話をしたかったのだが、少年誌連載でありながらぶっ飛んだタイトルだったので、女子の目を気にして「言いづらいなぁ」と思っていた。堂々と語れるようになったのは、高校生になってからだった。
内容は、決して今流行りのBLではなく、スパイアクションギャグ漫画とでも言おうか
世界平和を目指す秘密組織「ホモホモブロック」のエージェント(スパイ)「ホモホモ7(セブン)」のずっこけながら活躍する姿を描いていく作品。
ギャグマンガでありながら、突然劇画調になる登場人物。
それに対して「ズルいですよ、自分だけ劇画調になって」と突っ込みを入れられると、「ちぇえ」と言ってギャグ調に戻る、などの映像的な緊張と緩和が実に巧み。
さらに、ギャグ漫画とは思えない巨大な見開で風景を描いたその直後に極端に矮小な事柄を描くという構成上のギャップを使った緊張と緩和が、もう抱腹絶倒であった。
みなもと太郎作品の魅力は、ギャグの装飾を散りばめた、深い洞察と、事実や原作の読み込みにある。
「レ・ミゼラブル」はあの長編をギャグと笑いを満載した上でわずか2巻にまとめ、それでいて読みごたえがある。
「松吉伝」は、明治維新を関ケ原から通して描いた「風雲児たち」の制作裏話としての側面もあり、作者がどれほど真摯に史実に迫ろうとしていたのか、感じられる。
どの作品も、現実に疲れ、色々な物から距離を取りたい、と思った時におススメ。
(敬称略ですみません)
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