演奏時は全ての音に意図と理由を込めて下さい。それがスタートラインです。
7/19に向けて生意気な話をする、の39回目です。対談動画が公開されました。お時間あるときにご視聴いただければ幸いです。再びCDをいつまで作るのか見たいな話をしています。
https://youtu.be/AdgutXRl7k0
それと、7/19に向けて最後の一押しとしてyoutubeにて生放送を7/14の18:00より行います。よければご視聴ください。
詳細はまた追ってツイートします。
本題ですが、前回の続きです。楽曲作りの際にどの感情を刺そうとしているのかがまず明白である必要があると思います。どこにも刺そうとしてない作品は刺さったとしてもただの偶然にしか過ぎないので。どうやったらどんな感じになるのかという検証も出来ませんし、ノウハウの蓄積も遅くなります。
出来ればどの方向性で刺すかはバンド単位でコンセプトとして持つべきでしょう。もちろん、バンドのコンセプトワークは感情面の方向性以外にも色々とありますからこれはあくまでも一例にはなりますが。身近なバンドさんですと以下のようなものが挙げられます。
ShiningPlace
https://www.facebook.com/shiningplace/
お笑いバンドさんです。一番笑わせてもらっているバンドさんだと思います。年に1回、多くて2回ほどのペースですが毎回違うネタ、内容で、とにかく楽しんでもらおうという気持ちが強く演出等に現れています。全身タイツも感情面で「笑い」が明確なのでそこから逆算したとても綺麗なコンセプトワークだと思います。
Sympathy Black
https://www.youtube.com/watch?v=srrSnm-0duk
自分が進んでスタッフをやろうとした珍しいバンドさんです。自殺がテーマでかつボーカルのJeffさんが声、言葉が非常によく飛ぶ方でして聞いてるとどんよりしてきます。暗い、陰鬱とした雰囲気で毎回ライブを盛り下げてくれていました。盛り下げると言っても、ライブ後の充足感があるので内容としては盛り上がってるんですけども。残念ながら活休です。
バンドとして感情面のコンセプトがしっかりとあれば楽曲作りもしやすいはずです。逆算しやすいですからね。
我々は往々にして恰好をつけようとしてこの感情面でのとんがりを見失ってしまいます。振り返ってみて思うのは演出や歌詞が中途半端でどうしたいのか、というのが自分の作った歌詞では多いように思います。これは要するに、相手をコントロールすると言う意図の弱さが浮き彫りになったものかと思います。
ただ作品を作った、ただ歌詞を書いた、ただ曲を作った。もっと言えばフィルを作った、リフを作った、コード進行を作った。ただの技術を並べただけ、好きなものを並べただけ。自分の感覚ですが、自分の作ってきたものを含めほとんどの楽曲が箇条書きのリストにすぎず、それを小説ですと手渡された感覚になるんですよね。思いつくまま書いたもので、起承転結も特にない。文法としてはまぁまぁ正しい程度。そんなもので人の心は動かないです。
箇条書きにするにしても何かしらのオチや、世界観、テーマなどの強い方向性が必要です。そしてそれらに肉付けしていく作業においてもその方向性に従って肉付けをしていくべきです。もちろん人前で演奏する際にもその方向性を貫くべきです。
よって、作曲段階から全ての音符、コード進行、休符、テンポに至るまで理由が必要で、演奏時においても全ての音、一音一音に対して意図が必要です。サビでの盛り上がりを作るために対局のA,Bメロではクリーンとか、声を小さくするとか。これらの作業が上手くいって初めて、相手の心を操作できますし、刺すことが出来るようになります。
バンドさんに対して良く感じるのは、演出家の不在と、演出に対する統率の無さ、コミュニケーション不足でして。これは自分も反省点なのですが、この曲でこんなんやりたいあんなんやりたいを上手く引き出せず、上手く伝えられないんですよね。客観的な視点を持ちづらいだったり、あるいは人間関係を崩したくないだったりいろんな理由は有ると思います。ただ、その理由は結局のところ演者側の都合で、演者側の勝手です。その演者側の勝手でもって、舞台の価値を損なっていてはお客さんが離れるのも当然の事ですので、ここは色々と取り組んでいただきたいです。
演奏技術ももちろん大事なのですが、演出にせよ技術にせよいずれも手段です。そして技術、音楽理論は演出を実現させるための土台ですが、その逆は有りません。演出が良ければ少々の技術不足は補えますが、演出が無ければいくら技術があろうとも心は打てません。特に人間は視覚からの情報が多い生き物ですから、コンセプトの見える衣装、バンド単位で統率された動きはスタートラインだと思っています。カジュアルな服装もカジュアルでなければならない理由があれば立派な衣装です。逆に理由が無ければハデな衣装も痛いだけです。この辺りはバンド内のコミュニケーションですね。
大抵の場合、コミュニケーション不足に陥るのは慣れです。楽曲や演出への動きの慣れももちろんありますがメンバー間の慣れで言わなくても解るみたいな部分がどうしても出てきます。そして大御所さんになると自分たちがもっているネームバリューという錯覚資産への慣れ。どんな時も、初舞台で全員が初見のお客さんでこれが最後の舞台という気持ちで、もう二度と舞台には立てない最後の演奏、今日のライブの録画が遺作になるつもりで演奏していただければ見る側も見ごたえが増えるのかなと思います。
この辺りも、バンドさんに高い報酬が出ていれば、その報酬を次も得るためにバンド内コミュニケーションがしっかりと発生するはずですから、その点も鑑みるにやはりバンドさんがお金を手にしていなさすぎる現状は改善していかなくてはならないと考える次第です。
今日はここまでです。上記の改善のための取り組みとして7/19にノルマゼロのライブをやります。報酬を出すこと。そしてバンドさんの舞台人としての誇りを育てる事が底上げにも大切だと考えていますので、言い出しっぺの法則でまず自分が出します。5年ほど継続するつもりですので、twitterのフォロー、noteでのご支援など頂けましたら幸いです。
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