矛盾した世の中 / ロバート・デ・ニーロ、ジョディ・フォスター出演『タクシードライバー』(1976)
高一の時、ケーブルテレビの映画専門チャンネルを視聴できた時期があった。せっかくなので映画を一日一本観ようと決めて挑戦した。
三ヶ月弱で挫折したが、それでも60本以上は観賞できた。その中の一本が、ロバート・デ・ニーロの出世作である『タクシードライバー』だ。
キッカケは具鷲逸品集
私はブルート通信というメディアを持っている。その中で具鷲逸品集というコーナーがある。
ブランドに関わらず、思い入れのある品を毎月紹介している。最新号では、タクシードライバー役のロバート・デ・ニーロのポストカードを紹介した。これも縁だと思い、ひさしぶりに名作を観ることにした。
佐藤嘉洋ランキングについて
ちなみに私は、グラビアアイドルの画像収集も趣味である。佐藤嘉洋ランキングと名づけて公言してからというもの、世界中から美女の画像が送られてくるようなった。
今作にもとんでもない美女が二人出ていたので、紹介しておきたい。
矛盾した世の中
映画というのは観たときの自分や年代、環境などによっても感じ方が変わる。高一の時は、まだまだ経験不足の小僧だった。これは大人向けの映画だ。
しかしながら訳がわからなくとも、流れている映像や音楽、なんとなくの物語がわかっていれば、とりあえずそれでいい。
観なければゼロだが、観れば少なくともゼロではない。ゼロか否かでは、天と地ほどの差がある。それがたとえ0.1だったとしても。
高一だった私も四十歳という不惑を過ぎ、貴い経験もくだらない経験もした。今の自分はどう捉えるのか。まず、新明解国語辞典の「世の中」の語釈が頭に思い浮かんだ。
すごい語釈である。盲目のポジティブちゃんではとても耐えられない世の中だ。
この映画でも主人公は新聞に載って善人扱いされるが、一歩間違えたら悪人として新聞に載った可能性もあった。他人が決める世間的な評価の善悪は信用ならない。
行動する力や情熱には危うさや矛盾もついて回る。善人に見えた人が実は悪人に見えたり、その逆もまた然りである。
作中の恋愛模様も興味深いが、今月はこの辺で。今から読書感想文も書かないといけないので。
明るく生こまい
佐藤嘉洋