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パルミジャーノ・レッジャーノ(チーズ)がもたらす腸内環境を整える作用とは?
腸内環境を整えるために、私たちのからだに良い影響を与えてくれる微生物やそれらを含んだ食品である「プロバイオティクス」を摂取することが大切です。
では、口から摂取した食べものに含まれる微生物が実際に腸へと届き、定着することについてリアルにイメージされたことはありますか?
今回は、イタリア・パルマ大学の研究グループが2019年にNATURE COMMUNICATIONSに発表した、プロバイオティクスであるチーズ(パルミジャーノ・レッジャーノ)がもたらす腸内環境を整える作用について調査した論文を紹介します[1] 。
1.研究の背景
特定の細菌が食べものの摂取を介して人間の腸に移動し、腸内に定着するメカニズムについては未だ解明されていません。
これまでの研究で新生児が母親からの母乳を摂取することなどによって無菌状態の腸に細菌を取り込み、腸内フローラを形成していることがわかっていました [2] [3] 。
そこで、この研究チームは、パルメザンチーズを食べた場合に、チーズに含まれる乳牛関連の細菌が、人間の腸に移行・定着するのかについて調査しました。
2. 実験方法
まず、イタリアのエミリア・ロマーニャ地方にある5つの牧場の周辺のゴミを調査し、それらに含まれる細菌のグループの特徴を発見しました。
そして、それぞれの牧場の合計50匹の牛の糞便とミルクを採取し、それらに前述のゴミから特徴付けされた細菌のグループが含まれているか否かを確認しました。
同時に、各牧場で採取した牛乳でパルメザンチーズを製造し、パルメザンチーズを食べた20名の腸内にチーズに含まれる細菌が移行・定着しているかを調査しました。
また、この調査と並行して、パルメザンチーズのみを摂取したグループとパルメザンチーズに加えて牛乳を毎日摂取したグループの腸内細菌を比較することより、牛乳の摂取が細菌の定着に役立つか否かについての調査も行いました。
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