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食の欧米化による肥満を抑制?脂肪酸と腸内細菌の意外な関係。

近年、日本では食の欧米化に伴い、脂質の摂取量が年々増え、生活習慣病や肥満の問題が顕在化しています。

好きなものを好きなだけ食べられる環境ですから、肥満が増えてきているのも納得です。

脂質を構成する脂肪酸には様々な種類があり、人の体内で合成されるものがある一方で、体内では合成できないために食事から摂取しなくてはならないものがあります。

その代表例として、オメガ3系脂肪酸やオメガ6系脂肪酸が挙げられます。

オメガ3系脂肪酸には健康機能が注目されているEPAやDHA、その素となるα-リノレン酸が、オメガ6系脂肪酸には植物油に多いリノール酸が含まれます。

この2種類の脂肪酸をバランスよく摂取することが重要だと考えられており、オメガ3系の摂取量に対して、オメガ6系脂肪酸の摂取が過剰となると肥満や疾患につながる可能性があることが報告されています [1] 。

近年、食の欧米化が進んでいますが、この欧米風の食事にはオメガ6系脂肪酸が多く含まれているため、私たちの日常生活においてその摂取量が必然的に増えてしまっているのが現状です。

そのため、、オメガ6系脂肪酸が私たちのからだへ与える影響を解明すべく、様々な観点から研究が進められています。

そこで今回は、オメガ6系脂肪酸と腸内細菌、そして肥満の関係について調査した研究をご紹介します。

1、研究の背景

これまでの研究で、摂取した食事に含まれる脂肪酸が腸内に届き、腸内細菌によってどのように代謝されるかについて解明が進められてきました。

しかし、その代謝経路において合成される脂肪酸が人体に与える影響についてはあまりよくわかっていませんでした。

そこでこの研究グループは、これら脂肪酸のうち、オメガ6系脂肪酸であるリノール酸が分解されてできるHYAという脂肪酸に着目し、マウスを用いた研究でHYAの体内での働きについて調査しました [2] 。


2、実験方法

マウスに高脂肪の食事を与えて、マウス体内の腸内細菌、脂肪酸などの種類や量を分析し、普通食を与えた場合のデータと比較しました。

また、オメガ6系脂肪酸であるリノール酸が分解されてできる脂肪酸HYAのはたらきに特に着目して調査が進められました。

具体的には、リノール酸やHYAの量を調節した食事を肥満体質のマウスに与え、各種分析によりその影響を調査しました。

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