ひとりで作った「理想のタスク管理ツール」は5年でこうなった(なってない)
─これから挑戦する次の誰かにとって、何かの気づきになったら嬉しいです。
@GussieTechです。ひとりで「理想のタスク管理ツール」を作っています。いつも使ってくださっているみなさん、本当にありがとうございます。今日は、ひとり開発の知られざる5年間を、惜しみなくシェアします。
僕が作ったサービス
5年前「理想のタスク管理ツールを作ろう」と思いたちました。軽くておしゃれで「人」に寄り添う、他にはないサービス。こんなものを無料でリリースしたら、世の中ひっくり返るんじゃないかって、本気で思って作りました。それはもう、ワクワクしました。
総売上高 1,240万円。スペース 5,873登録
名前は「Repsona」といいます。ワクワクを原動力にひとりで作ったRepsonaは、5年でこうなりました。数字に感じるところは人によると思います。趣味の個人開発としては大成功。スタートアップ起業としては大失敗です。僕にとってはそのどちらの意味にも感じることができます。
Repsonaと歩いた5年間の世界は、ほとんど失敗だらけの試行錯誤の連続でした。どうすればサービスは知ってもらえるのか、どうすれば売り上げはあがるのか、どうすれば法人利用してもらえるのか・・。もっとうまいひとが運営すれば、もっと違う未来になっていたのかもしれません。僕だからうまくできなかったのかと悔しい気持ちもあります。
今日、あえて公開しなくてもいい数字を出し、このnoteを書こうと思ったのは、ここまでの5年間を振り返り、次の5年間をどう過ごしていくのかを考えるきっかけにしたいと思ったからです。そして、これから挑戦する次の誰かにとって、何かの気づきになったら嬉しいと思ったからです。お役に立てますように。
僕は何を作りたかったのか(どうなりたかったのか)
5年間を振り返る前に、僕は何を、なぜ作ろうと思ったのかを思い出してみます。
何を作りたかったのか
小学生の頃から絵や工作が好きだった僕は、Webシステム開発の仕事に携わる中で「いつか自分の手でサービスを作りたい」と思うようになりました。「いつか作るサービス」のアイディアのメモは、何百と増えていきました。「いつかではなく、いま」となったのが、2018年の5月頃でした。
Webシステム開発の仕事では、いろんなタスク管理ツール(プロジェクト管理ツール)を使いました。高機能で便利な反面、遅かったり、ダサかったり、わかりにくかったり。これが改善できたら素敵だなと思うのと同時に、
「このツールの中で、人のステータス(役職やスキル)がわかったり、装備(機材やファッション)がわかったり、レベルアップしたり、評価できたり、そんなゲームみたいな世界観があったら、仕事そのものがもっとおもしろくて楽しいものになるんじゃ・・・」
などと妄想していたら、ワクワクが止まらなくなったのです。
「ゲームみたいに仕事」という切り口は、他では見られない面白い観点でした(少なくとも僕はそう思っています)。とてもおもしろくてワクワクした一番の要素だったのですが、土台はタスク管理ツールだったので、土台なしにゲームを作るわけにもいきません。まずは最低限の機能を作り、その上にワクワク部分の楽しい機能を作っていく計画でした。
基本機能を考える際に、改めて競合サービスを調べました。あれもこれも、あれもこれも、調べれば調べるほど作るものがたくさんあります。「最低限の機能」とはどこなのか、わからなくなりました。立ち止まっていても開発は進みません。「最低限の機能」を作り続けているうちに数ヶ月が過ぎました。機能は最低限で「ゲームみたいに仕事」はデザインさえできていませんでした。
ただ、少なくとも、おしゃれで、軽くて、ほどよい機能でわかりやすくて使いやすいタスク管理ツールができました。
この姿で世の中に出して、少しずつ「ゲームみたいに仕事」を作っていこうと決めて、この状態でリリースしたのが、2019年6月でした。たくさんフィードバックをもらって改善しながら、自分がやりたい世界観もどんどん実装していけば、サービスの成長も含めて自分もユーザーもきっと楽しいに違いないと考えていました。
ところが、ユーザーから大量の機能面のフィードバックをもらい、確かに、あれもこれも、あれもこれも、足りていないなと感じるばかりでした。いつしか、僕の開発は「機能面の改善」が中心になっていきました。本当に作りたかったものは、まだ少しも作れていないのかもしれません。
なぜ作ったのか(どうなりたかったのか)
作ることが好きな僕に、作る理由は必要ありませんでした。作ること自体が好きなのだから、理由はなくてもずっと作っていたいわけです。だけど、もちろん野望がなかったかというと嘘になります。自分が作りたいように感じるままにサービスを作り、作ったサービスで多くの方に喜んでいただき、しかも、ビジネスとしても成功すればこんな素晴らしいことはありません。夢をみました。
「広告を出せば一定数は有料登録してくれる、売上をまた広告に投入していけばかなりの規模まで拡大できるんじゃ・・・」
この程度の安直な考えで、事業計画を皮算用して、(ふふふ)状態になっていました。今思えば競合ひしめくプロジェクト管理ツールによくもまあ殴り込みに行ったなという感じです。恥ずかしい。でも正直に言いますが、こうなりたかった。
Repsonaは5年でこうなった(なってない)
そんなRepsonaと歩いた5年間を振り返ります。
2018年10月 いきなり法人化〜開発に集中
「こんなものを無料でリリースしたら、世の中ひっくり返る」と本気で思っていたので、会社をやめて開発に集中しました。
僕が有利だったと思える唯一の点は、自分がエンジニアだったことです。原資がゼロでも手を動かせばプロダクトを作ることができる。今は信じて作りきることに全振りする、失うものは生活のための貯蓄だけだ、と。なりふりかまわず開発しました。家族に理解してもらえたことは、本当に感謝しています。
2019年6月 ベータリリース
満を持して、ベータ版として世の中に公開しました。開発期間8ヶ月の力作。「こういうのってすごい勢いでリツイートされたりして一気に広がって、注目を集めて徐々に口コミがうまれてくる」ような様子をみたことがあったので、僕も同じようになるのかと思っていました。世の中だまってない、至る所から声がかかって有名になっちゃうと思っていました。
結果は、アクセスゼロ。本当のゼロで、青ざめました。「おれは8ヶ月もの間なにをやっていたんだろう」「なんで会社辞めてしまったんだろう」「これからどうすんの、人生、家族・・」
noteを書きました
胃がちぎれそうな2週間を過ごして、こういう時みんなどうしているのか必死で調べました。僕のやり方は彼らとは違って、全く下手くそでした。開発期間中にもSNSを使って少しずつ完成までの道のりを見せたり、有名な人とつながったり、注目を集めたりする必要があったんだと思います。なのに僕ときたら「ずっと内緒にしておいてパーっと発表!」してしまったんです。
ニュースにもなりません。シードで数千万円資金調達をしたスタートアップは、その調達自体がニュースになるし、ニュースで取り上げられた企業はプロダクトリリースもニュースになりやすい(多分)。資金調達と全く無縁で開発をした僕は、地味中の地味で、完全な無風、陸の孤島に置かれたわけです。
「ニュースになれないなら、自分で書くしかない。たった一人の人にだけでも気づいてもらわなきゃいけない。」そう思い、はじめてのnoteを書きました。今読むとなにが他のサービスと違うのかもよくわからないし、なんともいえない幼い文章なんですが、これをなんとnote編集部に取り上げていただきました。全く面識はありませんがいまでも加藤さんのところに乗り込んでお礼を言いたい気持ちで生きています。
記事をいくつも書きました
note編集部に取り上げていただいた結果、わずか1ヶ月で1000ユーザー(700スペース)の方々に利用していただけるまでになりました。メディアのパワーよ。「これか」と思った僕は、note、Qiitaなどに記事を複数書きました。はじめのうちは、はてなブックマークで話題になったり、Qiitaのランキングで1位になったり。記事は注目を集めて、Webサイトへのアクセスもどんどん増えていきました。
しかし、次第に失速します。なかなかいい記事のアイディアが浮かばなくなったり、時間をかけて書いた記事が話題にならなかったり。
同時に、一気に増えたユーザーからのフィードバックの嵐に、改善開発へ重心を置くようになっていきました。
開発に集中してしまう
記事を書くのは苦しい。けど、開発は楽しいのです。記事を書くことをやめてもゼロにならないアクセス数。今は開発を選んでもいいのではないかと、開発を優先しました。開発は作れば作るほど成果が目に見えて現れます。ユーザーにも喜んでもらえます。僕の見える範囲では、とてもエキサイティングに派手に、改善とフィードバックのループが回り始めていました。
アピール活動とプロダクト開発のバランスはとても難しいです。この時、実際は、また孤立への道を歩き始めていたのかもしれません。
2019年9月 受託の仕事
起業から約1年間、無給で開発に没頭しました。さすがにこのまま収入なしというわけにもいかずに、受託の仕事をはじめました。ありがたいことに一定の仕事をいただくことができ、収入はいったん安定しました。サービスは思ったようなスタートを切ることはできませんでしたが、胃の痛みは完全になくなりました。生きていけそう。
2019年10月 正式リリース
受託の仕事も忙しい中、サービスを正式リリースしました。ベータ版でいただいた大量のフィードバックを改善し、課金の仕組みを導入して、プラン変更(有料プラン化)に対応しました。有料プランへの切り替え、ひとつでもあると嬉しいなと淡い期待をしつつも、過度に期待してしてもいけないなと思っていました。
ところが、実際に正式リリースしたところ、有料プランに切り替えてくださったスペースがいくつもあり、本当に感動しました。本当の本当に感動して涙がでました。僕はゼロからイチを作った。初月、9,900円でした。
2020年1月 アプリリリース
しかし、やはりすぐに停滞します。note、Qiitaは読まれなくなり、Twitter(現X)は伸び悩み。Webアクセスはみるみる落ちていきました。何か手を打たなければこのまま消えてしまいそうです。
そこでモバイルアプリを作ることにしました。アプリを作ればApp StoreからRepsonaを知ってくれる人もいるはずと信じて、賭けて。まずは最低限の機能でもと、また3ヶ月ほど開発に全集中しました。
アプリは信じられないくらいすべりました。全く注目もされず、検索でも上位にいけず、5年たったいまでも100インストールくらいしかないようです(ちなみに、作ったからにはサポートを続けています。Web版の補助ツールとしてはわりと便利ですよ・・。)
「信じて何かをする」というのが信じられなくなり、全集中は避けるようになりました。
2020年2月〜 受託忙しい期
受託開発はやればやるほど稼げるし結果が見えやすい。しかも、作りたいものに携わっていれば、より情熱を持って働けるし、普通に仕事として楽しい。
Repsonaは改善要望がたくさんある。もっと良いものにしていけば、いつかまた注目を集めるかもしれない。記事を書くのも宣伝をするのも、いまじゃないのかもしれない。
受託開発をやって、改善開発もやって、6時に保育園にお迎えに行って、夕飯を作って家族と一緒に食べる。派手に注目されたり、どデカい売上があがったりはしていないけど、自分の時間に、好きな開発の仕事をして生きる。ひとつの働き方として、こういうのもありだな、いやこれこそが幸せなのかも、と思いました。
この頃、コロナ禍と呼ばれる期間がはじまりました。
2021年9月〜 Repsona集中期
Repsonaは継続的に改善を続けていました。ただ、リリースからまもなく2年だというのに『「ゲームみたいに仕事」という切り口』のような「本当に作りたかったもの」には全くといっていいほど着手できていない現状に気づきました。それを作らずしてRepsonaを作ったと、自分の作りたかったサービスを作ったとは言えません。
受託の仕事は楽しいし安心なので、ずっとやっていたいのですが、このタイミングで一度止めました。いつか後悔したくなかったので、Repsonaに集中する期間を持とうと思いました。
また、機能面だけでなく、Repsonaの知名度を上げるために他にできることはないか、まだやっていないことを試してみようと思いました。SNSの運用やPR活動、広告、コンテンツ制作。苦手なりにもいろいろ挑戦しました。やってみなければわからないことに時間を使ってみました。
この期間の感想は「孤独で、しかも結果が出ない」でした。受託開発のチームで、僕はチーム開発の楽しさや喜びを再び味わいましたが、ひとり開発の限界も同時に、感じることになりました。
結局、「本当に作りたかったもの」は、作れていません。どうやらこれは、もっと解像度をあげて、グランドデザインをして、具体的な開発項目に落としていかなければ作れないようです。一方で、ユーザーはRepsonaにそれを求めていないかもしれません。さくさく動いて、わかりやすくて、使いやすい。これはこれで、すばらしい価値だと思っています。
2022年10月 料金改定
新型コロナウィルスやロシアによるウクライナ侵攻、円安の影響を受けて、世の中全体が値上げムードになりました。
僕は引き続き、Repsonaをより良いサービスにすることや「本当に作りたかったもの」に開発を捧げたいと考えています。そのためにはRepsonaは生きていなければいけません。
何日も考えた結果、料金改定とフリープランへの制限を設けることにしました。結果として、フリープランで使ってくださっていた方々の一部はプラン変更を余儀なくされ、売り上げはあがりました。おかげでビジネスとしてのRepsonaは息を吹き返しましたが、料金改定が成功だったか失敗だったかはわかりません。
Repsonaを事業とみた場合、無料提供範囲を絞ることで、事業正常性が向上したようにも見えました。しかしこれが影響してか他の影響かはわかりませんが、この日あたりから、Webアクセス、CV率が落ちました。「無料でこんなにつかえる」は口コミを作ってくれていたのかもしれません。僕の知らないところで。
2022年11月〜現在 受託忙しい期
しばらくのRepsona集中期をすごしましたが、収入がたりません。Repsoanの売上だけで生活はできません。生活ができないので受託開発の仕事を募集したところ、一気に仕事が到来してめちゃくちゃ忙しくなりました。忙しい中、広告運用、GTP連携、APIリリースなど、地道に信じて手を打つも空振り。Webアクセス数は減少の一途。
一方で、受託の開発は楽しい。好きなサービス開発の仕事をしながら、小さくRepsonaを開発するのが、やっぱりもしかしたらこれを幸せというのかな。だけど、やっぱり自分のサービスを作り、育てて、どデカい成長なんかを目の当たりにできたら、それが最上級に幸せなんだと思う。だって、そうなりたかったもん。
僕は、Repsonaを作り続けたい。
5年間の数字を振り返る
Webアクセス(集客のすべて)
ピーク時で 4,483/月。最初の2年ほどは毎日100ユーザーくらい来て 10%はスペース登録してくれるのが通常でした。これが現在ではどんどん落ちてきて、30ユーザーくらいです。1日1スペース作られるかどうかという感じです。おそらく、note、Qiitaを書かなくなったこと、PR TIMESでのプレスリリースを出さなくなったことで、じわじわと外部からのアクセスが減っていきました。
1年2年は何もしなくてもアクセスがあると思って安心していたところもあります。がんばって開発しているから、なんならむしろ増えると思っていました。発信を続けていかないと、いつか孤立してしまうんだと感じています。
CV(スペース登録数)
Webアクセスの波になぞるようにCVも落ちています。CV率まで落ちています。上のWebアクセス数には、すでにRepsonaを知っている方が、ログインをするためにアクセスしてくる数も多く含んでいて、実際の新規ユーザーのアクセス数はグラフで見える以上に減っていたということがわかります。新しく知っていただけない。それはそうです。何も発信せずに待っていても、誰も見にきてはくれません・・。
ユーザー数
ひとつのスペースを平均3-5名でご利用いただいているようです。スペース数の伸びをなぞるように、ユーザー数は伸びました。5年で、Repsonaを利用したことがある方は、のべ 14,641名です。知ってくれて、使ってくれて、ありがとうございます。
この数字をどう見るか
まず、感謝の気持ちです。リリース時の陸の孤島から、今では毎日1つはスペースが作られるサービスになりました。中には5年間ずーっと使っていただいている方も、有料プランで継続利用してくださっている会社もあります。小さいけれど、ひとつのサービスとして、Repsonaの経営の一部を担っています。ありがとうございます。
SaaSスタートアップとしてはおそらく、発表できないくらいに桁違いに小さい数字です。追加の調達ができなければ早々にサービスを閉じなければいけないかもしれません。会社の新規事業立ち上げなら体力によると思いますが、もう少し人数をかけてマーケティングしたり広告出したりするのかもしれませんが、5年は続けないでしょう。
僕にとってこの数字は、感謝の数字であるとともに、こんな小さな数字で終わらせてはいけない、まだまだもっともっと大きくしなければいけない数字です。使い始めてくれた方に「使いやすい!」と感謝されるプロダクトを、僕はもっと広げなくてはいけません。作った僕には、その使命があるのです。
知ってもらうために、やったこと
プレスリリースに挑戦
プレスリリースといえば、PR TIMES。スタートアップチャレンジ的なサービスがあって、1年間月1回無料でプレスリリースの配信ができるというものでした。当時はせっせと毎月プレスリリースを出しました。PR TIMESで配信すると、PR TIMES自体がニュース配信メディアとなる上に、連携メディアと呼ばれるWebサイトにコピー記事が配信されます。陸の孤島サイトにとってはとても力強いツールでした。「Slack連携」を発表した際には、 ferret-plus.com さんに取り上げていただき、アクセス数が倍増しました。「メディアを持つ力」を感じました。
プレスリリースって本当は、Webアクセスよりも取材や大型メディアに取り上げられることの方を期待しているわけですが、取材の申し込みはありませんでした。取材の申し込みかと思ってドキドキしながらとった知らない番号からの電話は、すべて営業電話でした。スタートアップチャレンジが終わると配信1回3万円。Repsonaにとっては大きな出費なので、最近は配信していません。
コンテンツマーケティングに挑戦
役に立つ記事やブログを書いて、Web集客を狙うコンテンツマーケティング。noteやQiitaに記事を書いたのはこれに近い活動だったかもしれません。Repsonaなら「プロジェクト管理」「仕事効率化ツール」「ガントチャート」などでお役立ちコンテンツを作ることができれば、集客につながりそうです。
といってもSEOにつよいメディアが「ガントチャート 無料」とかで上位を独占しています。その内容は「最新おすすめツール13選」みたいなやつです。これには本当に勝てません。記事を書くのにとてつもなく時間もかかる上に効果が確実じゃなくて、集中する勇気はありませんでした。
PM Handbookは例外で、Repsona集中期間に一度全振りでやってみようと時間をかけて書き上げました。PMBOKをベースとした解説記事を作ったのですが、それでもボリュームがあまり大きなわけでもなく、効果は限定的でした。「テーラリング」というニッチワードで4位。まで上がったものの、検索からのクリック率は2%です。
広告に挑戦
広告運用の経験なしでCPC、CPM、CTR、CPAなんて言葉と戦いました。あれもこれも手は出せないので、Google広告のみ。クリエイティブを用意するだけでも時間がかかるのに、文章やキーワードの設定、LPの最適化からCV率の改善案の適用までこり出したらキリがありません。
Repsonaは無料サービスなので、CPA(顧客獲得単価)は最終有料化までを含めて計測しなければ効果測定できません。例えば広告費3万円かけてスペース60登録でCPA 500円。無料から有料のコンバージョン率が大体1%なので、5万円につき1有料登録。これはだいたい、5ユーザーで1年間使っていただく料金と同じくらいで、あまりお金がない中でこの数字をどう見るかというのは難しいところでした。
ISO/IEC 27001 ISMS認証取得
法人契約や大きな会社に利用してもらうためには安心感が必要と考えて、証明として取得。審査費用38万円。自分だけで準備や運用はできないので、コンサル費年間36万円。継続のための毎年のサーベイランス費用15万円。当時はこれだけでRepsonaの売り上げがまるごと飛んでいく費用感。大型の法人契約があるわけではないので、現時点では準備という位置付けに近く、費用対効果は見えづらいけど「必要なもの」と思っています。
導入事例記事
ご利用ユーザーに直接コンタクトをとって、導入事例の記事を書かせていただけませんかとアプローチしました。こころよく受けてくださる会社さんもたくさんあり、Web会議等で実際に顔をあわせて会話をすると、直接Repsonaをほめていただいたり、しかっていただいたり、とても良い経験でした。
Repsonaがどのような場所でどのように使われているのか、気づきにもなりました。改善のためのフィードバックもたくさんいただき、導入事例の記事をみて、Repsonaを新たに知ってくださる方もいました。
取材を受ける
大きなメディアの取材はありませんでしたが、いくつかのWebメディアの取材をうけました。キャラ作りが中途半端なまま見切り発車で取材をうけたので、天才アピールキャラが痛々しいです。出さなくていい情報も出しまくっていまだにインターネット上にのこっているので、けっこう恥ずかしいものです。もっとすごい注目されちゃうかとおもったけど、効果は微妙です。
僕は何を作りたいのか(どうなりたいのか)
無料サービスで世の中ひっくり返す
こんなものを無料でリリースしたら、世の中ひっくり返るんじゃないかって、本気で思っていました。実際に使っていただいた人たちからは「いろいろなツールを使ってきたけれど、あのサービスよりも、このサービスよりも、わかりやすく使いやすい、チームに定着した」とたくさんの感想をいただいています。これが嘘なわけないと思っています。
だとしたらなぜ、世の中ひっくり返らないのか。たぶん、僕の声が小さすぎるのです。
無料で、10万人に使われるサービスにする
5年やってきて、ユーザー数 14,641人。なのに10万人という数字はとても大きく、目指せるものではないかもしれません。でも、100万人に使われるプロジェクト管理ツール、1000万人に使われるチャットツール、1億人に使われるSNSが世の中にあることもまた事実。
数字からもわかるように、Repsonaが利用されてない理由は、使用感や安全性が理由ではなく「知らないから」に尽きます。無料で、ひとりでも多くの人に知っていただき、ちょっとだけでも使ってみてもらう。そして、無料でずっと使い続けてもらう。
そのためにできることを、まだやっていないことを、もっともっと考えて試行錯誤して、失敗して失敗して、試していきたいと思います。それがなんなのかはまだわかりません。きっと僕が知らない色々があるのだと思います。作戦は、相談させてください。一緒に考えたいです。
さいごに
残念ながら、世の中はひっくり返りませんでした。ひっくり返りませんでしたが、それでもひっそりと、決して少なくはない人たちに使っていただきました。「どのツールよりもわかりやすい」「圧倒的に使いやすい」「いちばんオススメ」と、何にもかえがたい嬉しい感想をいただきました。本当に、作って良かったと思っています。派手なスタートアップとは違うけど、こういう形の起業もまた、ありなんだと思っています。
10万ユーザー、目指します。
そして、この文章が、これから挑戦する次の誰かにとって、何かの気づきになったら嬉しいです。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。Twitter(現X)で、10万ユーザーを目指す作戦を実行します。よかったらフォローしてご観覧ください。そしてたまに作戦のアイディアをいただけたら、嬉しいです!→ @GussieTech
2/4 追記。作戦第一弾をリリースしました。ログインなしで無料で誰でも使えるガントチャートです。アクセスしたらすぐに使えます。
今日Repsonaを知ってくださった方。よかったらぜひ試しに使ってみてください。無料で期間制限なく、仕事管理に関する全ての機能が利用可能です。