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おじさんの推し活

福岡伸一。

それが、おじさんの推しの名前だ。

氏は、1959年生まれの生物学者である。

生物学的におじさんと分類、、、じゃなくて、世間一般にはいわゆるおじさんだ。

1973年生まれのおじさんも、学者のような立派な人間ではないがもう立派なおじさんである。

需要があるのかないのか、、、いや、ないだろう、おじさんがおじさんを推すという謎の推し活。

後期高齢化社会の波がこんなところまで推し寄せる、、、いや、押し寄せる。


そんな推しの著書のひとつ『生物と無生物のあいだ』は、タイトルの求心力がまるでブラックホールの超重力が成す引力が如く凄まじい。

「いかにもおじさんが好きそうなタイトルだ」とお思いのことだろう。
(...誰も思っとらん。。)


Amazonにレコメンドされた本書を光の速さでポチったのは言うまでもない。



届いた本書を開くと最初のページから気品あふれる言葉たちによって美しい文章を堪能できる。

うっとりするおじさん。

君にもう夢中とばかりに本書にもう夢中❤️


朝焼けや夕焼けのような、

モンシロチョウが舞う一面に広がった菜の花畑のような、

凪いだ穏やかな海が強い陽射しをキラキラ乱反射させるような、

鮮やかに紅葉したモザイク画のような、はたまた、雪化粧してしんとした山のような、

そんな雄大な自然を想起させる美しい文章。


語られる言葉が的確で心地が良く、まるで、ジグソーパズルのピースが違和感なくスッとはまり込んでいるかのよう。


読書中、馴染みのない言葉に出くわして「なんでわざわざこんな言葉使うんだ?」とモヤモヤしたりすることがなく、
氏が使う言葉は、馴染みのない言葉であっても素直にその言葉を受け入れることができる。

捻くれ者のおじさんにとってこんなことは珍しい。

(...いや、まあ、馴染みがないのは活字に触れる機会がただ単に足りてないだけなのだろうが。。)



そして、
物理学者の氏によって語られる実験やそれにまつわる歴史や人物などの背景描写が、まるで科学ミステリーのようで、それをつまびらかにしていく過程、
つまり、
仮説などのまだ立証されてないことが、ひらめきだったり実験だったりから史実となっていく過程は興奮を禁じ得ないのである。


氏のYouTubeチャンネルも併せて観ると、より理解が進み味わい深さが増すことだろう。


そして、
氏をウォッチしていくと、氏が唱える「動的平衡」から垣間見える生命の不思議さがより一層不思議さを増して迫ってくるのである。



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