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渋谷でキャッチに捕まり美顔器とエステに44万円払った話

これは、パン屋のバイトを辞めたあたりの話です。

19歳の当時、私は本当に世間知らずでした。
18歳までTVなども見れていなかったですし、学校と家に以外の接点があまりなかったため、世の中のことをよく知りませんでした。

でも、渋谷や新宿でキャッチに捕まると危ないという知識はありました。
それでも実際に道を歩いていて声をかけてくる大人に捕まってしまった時、拒絶して歩き去ということが私にはできませんでした。

学校帰りに猥褻行為をされた時も、

電話の営業を避けられなかった時も、

目上の人間が話しかけてくる内容を私がジャッジして、拒否るとか逃げるという行為を。かなり大人になるまで私は上手くできていません。
特に話を受けてしまうと切ることができない。
兄や母親に対してもそうだったので、

そう言った自分を守るコミュニケーションの練習ができていなかったのかと思います。潜在的にそれをやったら嫌われる(捨てられる)からやっては行けないと思っていたのかもしれません。

そんなわけで、ある時私は渋谷でキャッチに引っかかってしまいました。
断れず、雑居ビルの一室に連れて行かれてしまい、延々と美顔器の説明をうけました。どれほど良いものか、このまま何もしないで放っておくとどうなるのか、早めのケアが重要である。
正直、お肌のメンテナンスすら怪しかった私は、美肌になどまるで興味はありませんでした。しかもまだ19歳、お肌ツヤツヤでした。
将来のシミシワの不安もありませんし、説明されてもイマイチぴんと来ていませんでした。ただ、鼻の角栓などは気になっていたのでそれが綺麗になるのかなくらいは思っていました。
でも、だからといってその美顔器が欲しかったわけではありません。
そこから帰るすべがわからなかったのです。
狭い部屋で大人二人に囲まれて「いりません、帰ります。」とはとても言えない雰囲気。
そして、そのまま私は購入のサインをさせられてしまいます。
美顔器一つで23万円でした。
そして、そのまま脱毛サロンに誘導されてしまいました。
系列だったのでしょうね。
そこでも鬼のように営業を受け、私は逃げることもできず、脱毛の契約もさせられます。それが21万円でした。

当時パン屋で得た月8万円のうち5万円を貯金に回していたため、元々持っていたお金も含め8ヶ月で45万円くらい貯金が貯まっていました。
支払い方法も、クレジットカードも持っておらず、振り込みなどのやり方がわからなかったので、店舗に現金で44万円持って行ったのを覚えています。(支払いは同じお店でした)

せっかく頑張って貯めたお金は一瞬で無くなりました。

ただ、この無理やり契約させられた脱毛サロンのほうは、やりたいという意志があったわけではないですが、結果的には行って良かったなということになりました。
私はかなり毛深かったため、毛の処理が毎回とても大変でした。
脱毛サロンに行ったことで、腕や足の毛が薄くなり、手入れがかなり楽になりました。私は自発的に脱毛サロン行くということはまずなかったと思うので、脱毛サロンにかんしてはまぁ良かったかなと思っています。

美顔器は本当にいらなかったのですが、当時クーリングオフという制度があったことをすっかり忘れていました。いや、知っていても、当時の世間知らずな私が一人でその手続きをすることができたかどうかは怪しいです。

この件は絶対に親にバレては行けないと思っていました。確実に怒られるし馬鹿にされると思っていました。なので親には隠し通しました。結局美顔器に関しては、そのまま泣き寝入りとなりました。

余談ですが、この美顔器、中学校の時の友人が同じようにキャッチに捕まり購入させられていました。その話をきいて自分だけじゃなかったとちょっと安心したというエピソードがあったリします。


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