悲劇を喜劇にしたくなった話

かねてより、怪談好きを公言している僕であるが、怪談きっかけで相反するものを好きになる出来事がある。

それは怪談好きの延長でとあるホラー映画を見たことがきっかけとなった。

『呪怨』

この映画を知っている方は大勢いるだろう。
その『呪怨』の番外編にあたる、『呪怨-白い老女-』を知っている方はどれくらいいるだろうか。
この映画をきっかけに僕はある役者を知る事になる。

ムロツヨシ

映画では片っ端から家族を殺害する狂った役で、この印象があまりにも強く、エンドロールでムロツヨシと見た時は何故かその役と名前のギャップに笑ってしまった。

以降、ムロツヨシと言う名前を見る度に何故か笑ってしまうようになった。

呪怨でムロツヨシを見た2009年以降、僕の人生もガラリと変わった。

呪怨見たのがきっかけではきっと、ない。

当時まだ関西にいた僕。

2011年に地元、宮崎に帰るまでの間、夢に破れ、大失恋たりと色々と挫折した。

宮崎に帰ってからも、しばらくは何となく、虚無感を感じながら、暮らしていた。

そんな時、夜中まで酒を飲みながらテレビを見ていた僕の目に、ムロツヨシが飛び込んで来る。
キノコみたいな頭をして、変な杖を持っている。
何か変なドラマやってるなーとしか思ってなかったが、どうやらそのドラマでムロツヨシは魔法使い役らしかった。

山田孝之、宅麻伸、木南晴夏、そしてムロツヨシ。
無駄に豪華なキャストの深夜ドラマ。
ムロツヨシのドラマ内での立ち振る舞いに、焼酎を吹き出した。

久しぶりに笑った。

メレブ。

ムロツヨシ。

ムロツヨシが演じるメレブ。

エンドロールは役名も役者名もカタカナだからそんなに面白くない(笑)

ただ、紛れもなくムロツヨシは喜劇役者だった。

あの呪怨で見せた狂った役に漂っていた違和感。

ムロツヨシという人の人生の中で、やっぱりそれも喜劇なのである。

僕の大失恋も、夢に破れた事も、全部喜劇。

ムロツヨシのムロ本を読むと、全てを喜劇と言いたくなる。

喜劇と言いたくない事、つまり、悲劇も自分次第で喜劇と言えるようにしたいなと。

怪談好きがこうじてムロツヨシを知る。

ちょっと面白いよね。

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