大きなショックから立ち直りたいのに「自分のために何も出来ない」と悩んでるあなたへ【ヒトがどう苦難を受容していくのか】
どうも。ぐらです。
僕の生い立ちについてはこちら
最近Twitterやnoteで行動療法やその他精神的なライフハックを発信しています。
が、
全員が全員紹介するような"した方がいいこと"が出来るわけではない、と思っています。
それについてご説明するにはDABDAについて知っていただかなければなりません。
■DABDAについて
人は大きなストレスの伴う出来事を
1.否認(Denial)
2.怒り(Anger)
3.取引(Bargaining)
4.自己否定(Depression)
5受け入れ(Acceptance)
の段階を踏んで受け入れると言われています。
(それぞれの頭文字を取ってDABDAと略されます)
1.否認
認めたくない、信じたくないという段階です。
「本当に私の身に起こったことなのか」
「自分のせいじゃない」のような思考が起こります。
ショッキングな出来事を最初は受け入れられません。
2.怒り
原因になった人間だったり、自分だったり、関係ない人だったり、なんなら神様にすら怒りが湧いてくる段階です。
真正面に向き合ったら心が壊れてしまうので、ベクトルを違う方向に向けるのです。
「俺が何をしたっていうんだ」
「こんなに苦しんでるのにあいつら楽しそうでずるい」
「こんなことしてる場合じゃないのに、なんで」
3.取引
説明が難しいのですが我慢、善行との取引行為を始めます。
神頼みなどの行動も見られます。
この時期が最もスピリチュアルなものにハマりやすくなるので注意しましょう。(自然療法的なものにも)
〇好きなものを我慢する
〇厄払いやお布施をする
〇良い習慣をつけてみる
など、とにかく今悩んでいることと関係ないことで我慢したり善行したりすることで自分を納得させようとします。(同時に逃避している)
「こんなに我慢or善行してるんだから良い方に向かうに違いない」と思い込みたい思考です。
4.自己否定
上記の通り「取引」は今の悩みとは関係ないので一向に改善しません。
すると段々自分が嫌になってきます。
「私はダメな人間だ」
「誰も私を認めない」
「もう普通の生活を送れない」
こんな誤った確信を持ってしまい絶望してしまいます。
また抑うつ、うつ病の症状も呈します。
5.受け入れ
そして時間が経つと
「私は乗り越えて頑張れる」
「応援してくれる人もいる」
「意外とこんな人いる」
という思考に変わっていきます。
良い意味で「諦めるべきところは諦める」という気づきを得た状態です。
この段階が一番行動療法やライフハックを試すのに向いています。
あなたはどの段階ですか?
■必ずしも順調に段階を踏むワケではない
特に1.否認と2.怒りの段階は行ったり来たりしやすいと言われていますし、ずっと自己否定している等のように特定の段階でとどまってしまう人もいますし、受け入れるまで多くの時間がかかる人がいます。
■"した方がいいこと"は「受け入れ」の段階の人向け
実体験としてそう思います。
僕は早い段階から行動療法(した方がいいこと)の存在を知っていたので、双極性障害と診断される前(うつ病で落ちた認知機能をなんとかしようとしてた)から色々やっていきましたけど、
1.否認~4.自己否定の段階の時はまともに出来ませんでした。
私の受け入れまでの段階
否認
"行動療法を行う=まともじゃない"(あくまでこの時の偏見です)ことを認めることになるので、出来ませんでした。
怒り
虐待されていたこともあってか、自分のせいで精神病になったわけじゃないのにどうして自分のお金と時間をかけてこんなことをしないといけないのかイライラしすぎて出来ませんでした。
取引
この段階、自分の認識としては「受け入れ」のように思えたのですけど実際は違いました。
私は取引材料に行動療法を頑張ることを選んだのでした。
『むちゃくちゃ行動療法を頑張るからそれに見合う成果をくれ』
自分は精神疾患で遅れた分を取り返さないといけない。
そうしないと周りに馬鹿にされる。
と信じ込んでいたため行動療法を頑張って健常者以上のスキルを身につけないといけないと
日に13時間の行動療法を課したり
到底叶えられないくらいの目標を決めたりしていたのです。
目標が高すぎると病むって研究もある通り結果↓
自己否定
うつが再発したりしました。
何か月もなにも出来ない→回復してまた無理な目標を自分に定める→病む
というサイクルを何回も何回も繰り返してようやく
受け入れ
良い意味で諦めることが出来ました。
自分は頑張ってもいいけど、
別にこのままでもいい
という気づきを得ることが出来ました。
行動療法を始めた時(否認の段階)から6年が経っていました。
だから自分と同じように1.否認~4.自己否定の段階にいる人は自分が紹介しているような行動療法を行えないと思っています。
いや自分じゃない人が紹介している行動療法もそうですが、
そういう「した方がいいこと」をあなたが出来ないのは仕方のないことなのです。
ということを知ってもらいたい。
このようにnoteでこのネット上に知識を置いておくので、取りに来られるようになったら取りに来てくださいね。
あれ?
そういう"考え方を変えようね"みたいな言葉嫌いなんじゃなかった?
その通り。
なのでちゃんと用意してあります。
■段階別適応策
否認
"心理教育"がよく効きます。
自分の今の状況と原因についてよく知るということです。
否認に陥っている人は視野狭窄に陥っていることが多く、実際よりも酷く物事を受け止めてしまいがちなので良く知ることで"現実的な苦しさ"までそれを小さくします。
このnoteでDABDAについて知ったのでもう一歩前進出来ています。
怒り
論理的な思考がよく効きます。
紙に怒りを書き留めて、それの整合性について思考したり、
論理的な他人を頼って自分の考えが正しいのか確かめたりするのが良いです。
取引
これも心理教育です。
その取引行為が本当に意味があるのか考えます。
例えば好きなものを我慢したり、厄払いやお布施をしても現実は変わらないし良い習慣をつけてみるのが一番の解決策とは限りませんよね。
大きなショックと向き合う必要があります。
自己否定
逆説的ではありますが、"自己否定"を気にしないのが自己否定の解決策です。
著者的には他人のために頑張ると自己肯定感が上がるらしいのでそれをおすすめします。
受け入れ
この段階まで来れたなら"必要なら自分を高めていく"程度で良いです。
"受け入れ"までは精神的に相当キツいのでこれらが出来なくても自分を責めないようにしてください。
■さいごに
出来たらこのDABDAの情報を自分を許すために使ってもらえると嬉しいです。
自分は今"怒り"の段階だから怒っても仕方ないし、
"した方がいいこと"を出来なくてもしょうがない
みたいな。
自分がどの段階にいるのかを把握するだけでも良いです。
とにかく自分を客観的に見てみる。
そういうことが大事
参考文献
Monica Ramirez、野村訳『バイポーラー(双極性障害)ワークブック 第2版』星和書店、2016.