ヒーローを売ってしまう昭和社長の熱い魂 (ジャンボーグA)
ヒーローは常に困難に見舞われます。
ぱっと思い浮かぶだけでも・・・
変身前に大怪我をして全力を出せない
必殺技が通じない
仲間の防衛隊が壊滅する
愛しい人々を人質に取られる
ヒーロー(に変身する乗り物)が売られる
ん? 最後なんかおかしいぞ(゚д゚)
というわけで今回は幼少期に衝撃を受けた「ヒーローが売られる話」を放映したジャンボーグAについて語ります。
ジャンボーグAは1973年に放映された乗り物がウルトラマンに変身する特撮番組です・・・って雑すぎん?(;´Д`)
時期的には先日語ったウルトラマンレオの1〜2年程前の作品です。
このジャンボーグAはいろいろと新しいことを試みた作品で、その特徴的な要素は他の様々な作品でも形を変えて取り入れられたりと巨大ヒーローなだけに一般の方にはウルトラマンと混同されがちなものの上手く差別化を図れた作品だと思います。
幸い私もジャンボーグAごっこが出来る程の年齢で再放送を観ることが出来たのでセスナに乗ったら「ジャンファイト!」とポーズをとったものです・・・って、セスナに乗る機会なんてないわ!(゚д゚)
そう、このジャンボーグAはパイロットの立花ナオキの操縦するセスナ(ジャンセスナ)が変形・・・変身?する事で姿を現すヒーローなんです。
ただこのセスナはナオキの所有物ではなく彼の勤める会社、大利根航空の伴野社長の所有物です。どさくさ紛れに「俺のものだ!」とナオキから面と向かって言われてますが。
そう、自分の財産ではないのでナオキも自由に乗り回したりは出来ないのです・・・いや、好き勝手に乗り回していたな(笑)
そんなある日ジャンボーグAに最大の危機が訪れます。 強力な敵が現れた? いえ、高値をつけてくれる買い手が現れたのです。
??? (゚д゚) ???
要はナオキの(ジャンボーグAに変身する)愛機は他所に売られてしまったわけですよ。
そりゃ絶望するわけです・・・愛機には乗れないわ怪獣がでてもジャンボーグAを呼び出せないわで。
このネタは結構有名な様で特撮的な笑い話では定番の扱いなのかも知れません・・・そりゃ主人公以外真実を知らないとはいえヒーローが売られるというのは衝撃ですしね。
話の着地点としては実の弟の様にかわいがっている少年の嘆願(ナオキの知らないところで一生かかっても代金を支払います!と宣言してたぞ)で買い主が取り引きを無かったものとして元の鞘に収まります。
一見とても良い話なんですが・・・思い出してみてください。セスナのオーナーは先程ご紹介した伴野社長です。
要は高値で売れたセスナが返品された上に今後も従業員の私物的に扱われ結局は壊されるわけですよ・・・これでは踏んだり蹴ったりです。
しかも大利根航空の所有機は恐らくこの一機だけ。もしかすると今流行りのFire(早期リタイア)の目も潰されたのかも知れません。
でもね、この社長凄いんですよ。作中ナオキが「実は正義のヒーローかも知れない・・・」なんて気づきは欠片もなく、毎度無鉄砲に飛び出した挙げ句の現地での乗り捨てや墜落寸前の緊急着陸なんて滅茶苦茶なやらかしをするだけの(ように見える)ナオキを怒鳴りはするものの何だかんだと心配し「やらかしはやらかし、今大事なことはこれ」とばかりにその場での判断は常に重要なことを優先させる描写が多いのですよね。
まさに「昭和の社長」と言った男気があります。
この伴野社長は後継機であるジャンボーグ9(こいつも所有権的な経緯に難あり)の登場辺りから徐々に姿を見せなくなるのですけど、個人的にはウルトラシリーズとの差別化となる人間関係の軸の一つだったので寂しさがありましたね。
途中から姿を見なくなった伴野社長、実は副業で大成功とかでナオキにセスナをパクられても貸し出しても余裕で食べていける勝ち組になれたことを願いたいです。
あの様な義理人情に厚い人が成功してこその、平和な世の中ですからね(゚∀゚)
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サブカルチャー的なものを中心に緩く語っています(゚∀゚)