感情はカミキリムシ
人生の中で、僕たちは自分自身の感情に対してどのように向き合っていくべきなのか、迷うことが多い。
感情は、時に制御不能に思えるほど激しく揺れ動くものだし、その理由さえわからないこともある。
だけど、考えてみてほしい。
もしあなたが、心の中に「カミキリムシ」を飼っているとしたら、どうだろうか?
ある日、僕は散歩中にカミキリムシを見つけた。
普段ならただ通り過ぎるだけの出来事だったかもしれないが、その瞬間、僕はひとつの大きな気づきを得たんだ。
「こいつは僕の感情だ」と。
カミキリムシは、外部の刺激に反応して動く。
ちょっかいをかければ慌てて逃げ、持ち上げれば脚をジタバタさせる。
その反応は僕たちの感情とよく似ていると思った。
喜びや悲しみ、怒りや不安といった感情も、外部の状況に反射的に生まれるものだ。
それは、長い進化の歴史の中で、僕たちの遺伝子に深く刻み込まれた反応であり、僕が何十年と生きてきた経験やトラウマに基づく瞬間的な反応なのだ。
そして、僕は気づいた。
僕たちが日々感じる感情は、この「カミキリムシ」と同じように扱うべきなのではないかと。
カミキリムシが空腹を感じたときに餌を探すように、僕たちも感情が揺れ動くとき、その感情を無理に抑え込んだり、手放そうとするのではなく、適切に満たしてあげることが大切なのだ。
例えば、あなたがふとした瞬間に不安を感じたとしよう。
その不安の原因を無理やり探そうとするのではなく、その不安を感じている自分を見つめ、その「カミキリムシ」にとって必要なものを与えてあげる。
もしかしたら、それは音楽を聴くことかもしれないし、美味しいご飯を食べることかもしれない。
僕たちの感情は、まるでカミキリムシのように、それぞれ異なる満たされ方を求めている。
だからこそ、自分の「カミキリムシ」が何を求めているのかを理解し、その欲求に応えてあげることが、感情に振り回されることなく生きるための鍵になる。
もちろん、このアプローチには注意が必要だ。
もし、あなたが感じる不安やモヤモヤが、実際に解決すべき問題から来ているものであれば、それは無視するべきではない。
しかし、日常の中で、突然湧き上がる感情の多くは、カミキリムシがその瞬間に何かを必要としているだけの場合も多いのだ。
だから、感情にとらわれすぎず、しかし無視せず、あなた自身の「カミキリムシ」にあった満たし方を見つけてあげてほしい。
そうすることで、日々の生活の中で、より安定した心の状態を保つことができる。
それでも、このカミキリムシ的なアプローチは、あくまで一時的な解決策に過ぎないかもしれない。
なぜなら、真に心の平穏を得るためには、僕たちはもっと深い次元での安定、つまり極上永遠の幸福を求める必要があるからだ。
これを得ることで、カミキリムシに振り回されることなく、生きることができるようになるんだ。
心の中にいるカミキリムシを満たしつつ、しかし本当に求めるべきは、どんな風が吹こうとも揺るがない、極上永遠の幸福にあるのかもしれない。
その答えを探しながら、あなた自身のカミキリムシと向き合ってみてほしい。