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群青
2023年11月16日 12:09
来年の新人賞に向けて小説を書いている。 書くことが楽しい。伝えたいメッセージを芯にして言葉の粘土で肉付けしていく中で、物語の輪郭が見えた瞬間、無から有を生み出す快感に痺れ、病みつきになる。 ただ不安がないわけではない。むしろ不安にまみれている。数年前に挫折した記憶を餌にモヤモヤとした塊が湿度を帯びて大きくなっていく。モヤモヤの塊は首の後ろに居座り続ける。 SNS上では執筆に前向きなつぶ
2023年11月11日 19:24
久しぶりに生のほうれん草を買った。 最近はセールの日でも値段が下がらなくて、今日も冷凍コーナーで買うか、となる日々だった。 生産者さんの顔が印字されたパッケージを破り、ほうれん草の束を両手で掴む。茎と葉が擦れてキュッキュッと鳴いて掌に伝わる。みずみずしい感覚が嬉しくて思わず口の端が持ち上がる。 私は五感の中でも触感に注目することが多い。 そのため、書いている文章は手触りや温度に関する