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群馬県の醤油・味噌・漬物について知る料理教室 第3回「群馬発酵ごはんキッチン」に参加してみた。



群馬発酵ごはんって?

昨年に引き続き、2024年6月29日(土)に、群馬県醤油味噌工業協同組合が主催する「群馬発酵ごはんキッチン」の第3回目が行われました!いつもは縁の下の力持ちに徹しているけれど、なくなったら毎日の食生活が成り立たない存在の醤油や味噌を、想像力豊かな料理人に活用してもらい、それぞれの個性を知ってもらうというコンセプトの料理教室イベントです。会場は今回も「道の駅まえばし赤城」の調理室にて行われました!

本日の先生

今回の先生は発酵ごはんキッチン第2回から引き続き、前橋市敷島町の和食店「菜穀和食むくび」店主、岩崎暑正さんをお迎えしました!岩崎さんのお店でもいちばんこだわっているのはやはりお出汁だそう。毎日引き立てのお出汁を使って、和食として大事なものを感じていただきたい・体に負担のかからない料理を提供したい・・・という想いでお店を切り盛りしているそうです。今回参加している多くの方々が岩崎さんのお店「むくび」へ訪れたことがあり、みなさんそれぞれお出汁の効いた料理の美味しさや感動をお話しくださいました。


菜穀和食むくび 店主 岩崎暑正さん

本日のワークショップ

今回のテーマは「出汁としょうゆ」。午前の部15名、午後の部12名にご参加いただきました!前橋市の醤油専門店「職人醤油」の高橋万太郎さん司会のもと、最初に群馬県醤油味噌工業協同組合の事務局長の會田さんから、群馬県の醤油や味噌をもっと知ってもらうために実際の料理教室の前に醤油の解説があることの説明がありました。

職人醤油 高橋万太郎さん
群馬県醤油味噌工業協同組合 會田さん


参加者それぞれの前にはテイスティング用の3つの醤油が少量用意され、職人醤油の高橋さんから醤油の解説がありました。今回用意された醤油は・・・

  • 淡口醤油(正田醤油株式会社:館林市)

  • 濃口醤油(株式会社岡直三郎商店:みどり市)

  • 再仕込醤油(株式会社 有田屋:安中市)

の3種類で、それぞれメーカーや蔵元、種類も違うものをご用意していただきました。

手前から淡口醤油、濃口醤油、再仕込醤油

参加者のみなさんは一緒に配られた資料を見ながらそれぞれを味見。1つ目の淡口醤油は旨味を抑えてあり塩味がとても強く感じられます。2つ目の濃口醤油は万能型のスタンダードな醤油で、普段使用している醤油に最も近い味わい。最後の再仕込醤油は熟成期間が長く、使用する原材料も濃口醤油の2倍量で、旨み成分をとても強く感じる醤油でした。

3種類の醤油のテイスティングを終えたところで、高橋さんが好みの醤油についてアンケートを取ったところ、一番人気はダントツで再仕込醤油でした!次に濃口醤油、淡口醤油はゼロという結果に。逆に苦手だった醤油は淡口醤油がダントツに。これは醤油のみを口に含んだ時の結果なのですが、その理由としては「再仕込醤油は味わい深くて美味しかった」「淡口醤油は塩気が強すぎて苦手」という意見が多数。しかしながらこれがお出汁に合わせて料理に使用されると驚きの変化をもたらしたのです!(詳しくは「参加者の声」をご確認ください!)

また、高橋さんから醤油と料理の組み合わせはワインとすごく似ているという説明がありました。例えば淡口醤油の場合は、素材の味を邪魔しない白ワインに見立て、白身魚のような繊細な食材に合うそうです。そして、まぐろのお刺身のような赤身魚やお肉など少し素材にクセがあるものには、赤ワインのようなそのクセをコーティングしてくれる濃口醤油や再仕込醤油など濃い醤油が合うそうです。


メニュー紹介

さて、本日のメニューは、

  • 薄口醤油かけ素麺(そうめん)

  • 濃口醤油かけ素麺(そうめん)

  • 牛丼みたいなつゆだく豚丼

の3つです!今回は「出汁+しょうゆ」の組み合わせによる違いを感じられる素麺2種類や丼ものなど、暑い夏にピッタリのメニューを教えていただきました。3つのメニューを調理する前に一番重要なお出汁・・・まずは「二番出汁」を作りました。

「二番出汁」は最初に昆布を5時間ほどつけおくのですが、その際に「干し椎茸」や「干した海老」などを加えるとまた味わいがグッと広がり豊かな風味になると岩崎さんから説明がありました。また、かつおぶしを3回に分けて加えることが繊細で味わい深いお出汁を引き出す重要なポイントで、参加者のみなさんも普段ご自宅では1回で済ませてしまうけれど、こういった少しの手間が味の違いを生むことをこのあとのお出汁のテイスティングを通して実感されたようです。

「薄口醤油かけ素麺」はみょうがやラディッシュ、大葉などを薬味にしたサッパリ系の素麺。普段みなさんが親しみのあるそうめんつゆに近いのは「濃口醤油かけ素麺」だそうで、揚げ物や魚など味の濃い薬味を加える時はこちらおすすめ。今回はここにミニトマトを添えたのですが、それが油っぽさを消しちょうど良いアクセントとなっていました。

ここで、岩崎さんから素麺を茹でる時の裏技を1つ教えていただきました!ひと玉分くらいの乾麺の端をちょっとだけ茹で湯に浸けるとその部分がくっつくので、茹で上がって流水で絞めた後もひと玉分にまとめやすいとのこと。最後にくっついた部分を切り落としまします。良かったらご家庭で試してみてください!

①素麺をひと玉分にまとめ、端を少しだけ茹で湯に浸ける
②湯に浸けた部分を手で持ち、くっついていない反対側から沸騰した湯に落としていく
③茹で上がった素麺を流水で滑りを取る時は、くっつき部分を気にせず一気に洗い流す
④素麺のくっついた部分を持って、ひと玉にまとめる
⑤くっついた部分のみを切り落とす

料理が完成したらそれぞれテーブルに着き、みなさん揃って「いただきます!」

参加者の声

みなさんからの感想には、丁寧に引いたお出汁の美味しさはもちろんのこと、お出汁と醤油の相性についてのコメントが多く、まさに抜群の相乗効果が発揮されたようです。

なかでも、醤油のテイスティングの時には塩気が強すぎて苦手だという人が一番多かった「淡口醤油」をお出汁と合わせたらビックリするくらい美味しくて、その変化に目から鱗が落ちるようだったとの感想をいただきました!他にも、同じお出汁を使っても組み合わせる醤油でこんなにも味わいに変化が出ることに驚かれている参加者も多くいらっしゃいました。
また、豚丼に使用された再仕込醤油は見た目の色がすごく濃いのでしょっぱいのではないかと心配したが、出来上がった豚丼はちょうど良い塩加減で、非常に美味しくいただいたとのことでした。

その後のコミュニケーションタイムでも「3つのメニューどれも美味しかったです!」「醤油にさまざまな種類があることは知っていたが、このような使い分けがあることがすごく勉強になった」「お出汁は冷めても香りが強く、家でも丁寧に引いてみようと思いました」などなど、うれしい言葉がたくさん届けられました。


レシピ一覧

二番出汁


薄口醤油かけ素麺


濃口醤油かけ素麺


牛丼みたいなつゆだく豚丼


まとめ

以上のように、群馬発酵ごはんキッチンは、その道のプロから直接調理方法を知ることができ、また参加者ご自身が調理することによって、本格的なお出汁の引き方から「出汁としょうゆ」の組み合わせによる味の違いなど、新たな知識や体験を提供しつつ、地元の発酵食材に接することのできる良い機会になったのではないかと感じました。近年では世界中から発酵食品・発酵調味料に対する期待が高まっており、日本食や地域食への理解や関心がさらに広がっているそうです。

次回告知

最後に次回の群馬発酵ごはんキッチンのご案内です。
会場は今回と同じく「道の駅まえばし赤城」にて、「ことことクッキング」小崎ますみさんを先生にお迎えして「親子料理教室」を開催いたします。

第4回 群馬発酵ごはんキッチン 概要
日 時:2024年7月27日(土)1部:11時〜13時/2部:15時〜17時
場 所:道の駅まえばし赤城(群馬県前橋市田口町36)
定 員:各部親子8組様限定(先着順)
参加費:3,500円(親子1組様)

お申し込み方法
以下のリンク先の応募フォームに必要事項を入力ください。先着順での受付となりますので、お早めにお申し込みください。
https://note.com/gumma_shoyu_miso/n/nf916ec6fe20e

【第6回 群馬発酵ごはん お食事会】の募集も行っております。

醤油・味噌の世界を知ってみたくなりましたか?次回の料理教室もぜひ応募してみてください!

文:NiRO inc. 善養寺良子

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