群馬の発酵調味料の魅力を伝える「群馬発酵ごはんフェス vol.1」が開催されました!
2024年10月1日、群馬県醤油味噌工業共同組合は道の駅まえばし赤城にて「群馬発酵ごはんフェス vol.1」を開催いたしました。当日は、平日の日中にも関わらず多くの人にご来場いただきました!
みなさん10月1日は何の日だかご存知ですか? 実は「醤油の日」なんです。醤油の日とは、醤油業界が日本の伝統的な調味料である醤油の価値を理解してもらうために制定したもので「10」が干支の「酉」にあたり、酉が瓶(かめ)に由来する象形文字であることと、「醤油」という語に「酉」が含まれることからだそうです。また、10月は新しいもろみを仕込む時期であったことから10月1日に制定されたと言われています。
群馬の味を発見! 発酵調味料の試食販売会
道の駅まえばし赤城のマーケット広場では、組合員6社による「試食販売会」が行われました!
館林市の「正田醤油」さん、安中市の「有田屋」さん、みどり市の「岡直三郎商店」さんといった醤油メーカーの各ブースでは、生揚醤油(きあげしょうゆ)の試飲会を開催。諸味(もろみ)を搾ったまま火入れをしていない生揚醤油は一般的には流通することは少ないので、今回のようなイベントだからこそ味わえる貴重な試食体験です。来場者のみなさんはその味のフレッシュさ、普段使用してる醤油との味の違いに大変驚かれていました。
その他に、群馬県産の原材料のみで醸造した群馬醤油や丸大豆醤油、再仕込醤油などが販売されていました。原材料に小麦を使用しない溜醤油(たまりじょうゆ)は近年海外でも人気で、どのメーカーも海外展開に力を入れているそうです。
藤岡市の酒造メーカー「高井」さんでは、看板商品「巌」シリーズの日本酒の試飲・販売、また酒粕を使った辛味噌の販売をしていました。少人数によりすべて手作りされる商品は、群馬県西毛地域の酒屋さんのほか、香港やベトナムなどの海外でも取り扱われているとのことでした。
前橋市の味噌メーカー「榎田醸造」さんでは、白ごはんにピッタリのふき味噌やゆず味噌など人気の商品をお手頃な価格で販売。
富岡市の味噌メーカー「せい」さんは、海外で大人気の味噌パウダーや、群馬県産花豆を原材料として花豆みそが人気を博していました。中でも味噌パウダーは原材料や製造法の違いで5種類用意され、試食してみたところそれぞれ全く違った風味で新鮮な体験ができました。オーガニックな味噌パウダーはアメリカをはじめとした海外でも大人気となっています。
職人醤油 高橋万太郎さんと楽しむ利き醤油体験
蔵元仕込みの醤油を100mlの小瓶で販売する「職人醤油」を運営している高橋万太郎さんは、メーカーの試食販売会ブースの一角で、利き醤油を行いました。
醤油が気になっている方に高橋さんが声をかけ、醤油の使い道や味の好みを伺いながら何種類かの醤油を試食してもらい、気になった醤油がある方はその場で購入されていました。醤油の試食や詳しい方に相談できる機会はなかなかないので、お客様の真剣に醤油に向き合う姿がとても印象的でした。
しょうゆもの知り博士がやって来た! 出前授業で学ぶ醤油の世界
日本醤油協会は、醤油を通じた「食育」を推進し、全国の小学校で出前授業を実施しています。今回の講師は、正田醤油株式会社 発酵研究所の所長で、令和3年6月に博士号を取得した森山博士です。平日の授業だったため、今回の参加者は大人でした。
授業は、3種類の醤油の味くらべクイズからスタート。参加者は香りや味の違いを楽しみながら、和やかに授業が進行しました。テーマは「醤油の味、香り、色」。実物を用いながら、麹菌やもろみ、熟成中の醤油の変化が説明され、とても分かりやすい内容でした。
醤油の香りは、塩分濃度の高い環境でも生きられる酵母菌の働きによるもので、300種類もの香りが含まれています。しかし、酵母から自然に生まれるその香りの全貌は、いまだに完全には解明されていないそうです。
醤油の色も興味深いポイントでした。ボトルでは黒っぽく見えますが、試験管に入れた醤油に光を当てると本来の赤色が見えるという実験が披露されました。
最後に再び醤油味くらべクイズが行われ、正解者には醤油がプレゼントされました。質問タイムでは、「醤油を作る麹菌は他の麹菌と同じか?」「九州の醤油はなぜ甘いのか?」「ろ過によってどの程度醤油がきれいになるのか?」といった質問が飛び交い、活発なやり取りが続きました。
参加者からは、「普段から質の良い醤油を選んでいるが、1から醤油について学べて勉強になった」「健康のために成分や製造工程を知れて良かった」「生醤油と普通の醤油の違いが分かったので、今後使い分けたい」といった感想が寄せられました。
麹屋さん直伝! 味噌づくり教室
味噌づくり教室の先生は、高崎市の麹屋22代目ご主人 飯島藤平さん。麹屋は室町時代から450年続く老舗の味噌メーカー。今回は5kgの味噌を作りました。少人数の教室ということもあり、とても和気藹々とした雰囲気で味噌作りは始まりました。
先生の説明に沿って、材料を混ぜ合わせていきます。まずは、ボールに糀と塩を入れるのですが、この糀の量は味噌の甘さに大きく影響してくるそうです。ここに、種水と呼ばれる大豆の煮汁を加え、潰した大豆をよく混ぜていきます。参加者は潰した大豆を味見してみて、その天然の甘さにとても驚いていました。
大豆を混ぜる際には、最後の材料である「愛情」も一緒に混ぜることがとても重要と先生がおっしゃっていたので、みなさん真剣な面持ちで大豆を混ぜていました。大豆が完全に混ざったら、団子状に丸め、空気が入らないよう勢いよく樽の中に投げ入れます。すべての団子が樽に投げ入れられたら、蓋をして今回の味噌作りは終了です!
自宅で保管し、食べ始める1ヶ月前には味噌をよく混ぜ合わせ天地返しをします。この天地返しは、味噌だまりと呼ばれる熟成した汁と味噌を馴染ませ、塩馴染みを良くする目的があります。味噌は発酵し続けるため、半年を過ぎれば食べ始めるのはいつでも問題ないそうです。みなさん驚いていた点は、味噌に明確な賞味期限はなく、作ってから1年経っていても問題ないということでした!
味噌の保存方法は、西日や極端に暑くなるような場所を避ければ、常温保存で大丈夫だそうです。時間が経ったり高温だと、味噌の色が濃くなってきますが、これは問題ないとのこと。色が濃くなるのを避けたい方は、保存ビニル袋などに移し入れ冷凍庫で保管します。味噌は凍らないので、冷凍庫から取り出してそのまま使うことができるそうです。
参加者は「冷蔵庫に入れずに常温保存で良いことや、賞味期限がとても長いことが驚きだった!」「味噌にぎりを作る際は、おにぎりに直接味噌をつけるのではなく、手に味噌をつけて握ると良いということを知れてよかった」「今回の味噌がうまくいったらまた挑戦してみたい」との声が聞かれました。
糀屋では、高崎で定期的に味噌教室を行なっているそうです。子供から大人まで色々な方が参加しているようなので、興味のある方はぜひ足を運んでみてください!
高校生とコラボ!大吟醸味噌プリン販売
群馬県立勢多農林高等学校 食品科学科が運営する「Patisserie SETANO」では、菓子製造業の販売許可を取得し、商品開発や製造、販売に取り組んでいます。
今回、公認味噌アンバサダーとして、群馬県の味噌の魅力を発信する活動の一環で、榎田醸造の大吟醸味噌を使った「大吟醸味噌プリン」を開発しました。
試作を重ねて完成したこのプリンは、発酵フェスで高校生たちが積極的に声かけやチラシ配りを行い、約100個が完売。初めての学校外での販売も成功し、今後の活動が期待されています。
次回、発酵ごはんのご案内
最後に「第6回 群馬発酵ごはん お食事会」のご案内です。このイベントは、料理人が群馬の発酵調味料を活用し解説も含めた料理コースをご提供する特別なお食事会。プロの料理人が素材の力を最大限に引き出すためのアイデアを教えてくれます。
開催概要とお申し込み方法です。
以下からお申込みいただいた皆様の中から、抽選で14組様をご招待いたします。たくさんのご応募お待ちしています!
お申込み方法
以下のリンク先の応募フォームに必要事項を入力ください。
応募者多数の場合は抽選となります。
https://docs.google.com/forms/d/1ycbxMlNW9pVJzVRZNmwCvnow6qia-1FUxHECbGj6Kus/edit
お早めにお申し込みください。
応募期間:2024年10月27日(日)23時59分まで
発酵調味料の新たな世界を知ることのできる貴重な機会です!みなさま奮ってご応募ください。
文:NiRO inc. 小池/秦野/善養寺
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