あれ、あの子はどこにいったんだろ
幼稚園のとき、同じクラスに、知的なしょうがいを持つ子が2人いた。
同じ給食を一緒に食べて、同じことをして一緒に遊んだ。楽しんだ。
同じクラスの、クラスメイト。バレンタインにチョコをあげた記憶もある。
しょうがいなんて、ちっともわからなかった。
小学校に入った。1人の子は、学区が違ったのか、どこか別の学校に行ったのか、いなくなった。もう1人の子は、学校は一緒だった。
けど、卒業まで、クラスが一緒になることはなかった。
その子は、しょうがいのある子たちだけが集まったクラス。
一応、いわゆる通常学級の方にも名前があったから、誰かのお話を聞く特別授業とかは一緒に受けた。
運動会も一緒に走った。修学旅行ももちろん一緒。
でも、基本的には、教室も離れたそのクラスにあの子はいた。
一緒に遊んだ記憶は、ほとんどない。
中学。私立の中学校に入った私。
もう、あの子はいない。
しょうがいがある子たちだけが集まったクラスもない。
高校、大学、社会人。
あの子は、私の世界から完全に消えてしまった。
ダイバーシティという言葉は、大人になってから知ったけど、
大人になればなるほど、周りは似た者同士になっていたのかな。
あの子は、どこにいったんだろう。
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