【パズル系ローグライト】『Witching Stone』感想
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『Witching Stone』は先月リリースされたばかりのパズル系ローグライト。
スマホゲーにちょっとありそうなタイプのパズルとローグライトが上手く組み合わさり、独特の魅力を持った作品として仕上がっていた良作なので、軽く感想記事を書いてみようと思う。
【一筆書きパズルによる新鮮な楽しさ】
『Witching Stone』のタイトル通り、本作は「石」が重要なテーマになっている。
こちらが本作のバトル画面で、プレイヤーは自分のターンに画面下部に表示されている青いマナの数まで石をなぞる形で消すことができる。
習得している呪文を発動させるための石が消した中に含まれていれば無事に呪文が発動し、それによって戦闘を行うという独特なシステムになっている。
例えばこちらのキャラは「◇〇◇」と「〇◇△」で発動する呪文を初期習得している。
この場合なら「◇〇◇△」と消せば、その中に2つの呪文が含有されているので少ないマナ消費で同時発動が可能という訳だ。
(ちなみに、間に不必要な石が混ざっていても問題ない。)
石はナナメに消すことも可能なので戦闘中に取れる選択肢はかなり多く、道中においてもどのような呪文を習得していくべきかを手持ちの呪文や最終的に目指す戦法と相談しながら決めていくことになる。
独特なパズルバトルが軸となった本作特有の面白さには、脳に新鮮な栄養をもたらしてくれているような感覚を覚えた。
【ゲームを壊せ!バッジシステム】
ローグライトと言えば、いかにしてゲームを壊すか、どのようにゲームが壊れるのかを楽しみにプレイする人も多いのではないだろうか。
『Witching Stone』ももちろん結構盛大に壊れるので安心して欲しい。
その最たる要因は「バッジシステム」の存在にある。
「バッジ」とは呪文につけるアタッチメントのようなシステムで、分かる人向けに言えばワイルドフロストのアレと大体似たような機能である。
例えばこちらの呪文、ブラッドラストは「通常は1ダメージ+HP吸収ダメージ2。ダメージを負っている敵がいるとその数だけHP吸収ダメージが+1されていく」という効果を持っている。
そこに以下のようなバッジをつけてみよう。
「毎ターン連続で発動できなくなる代わりに、全ての値が+1される」という効果を持ったバッジで、名をクロックと言う。
このクロックを付けたブラッドラストはこのような性能になる。
火力が一気に増強され、何より吸収ダメージが飛躍的に増しているのが非常に嬉しい。
しかもバッジは1つの呪文の2つまで付けることが可能なので、その組み合わせ次第では更にこの呪文が全体化されたり、2回発動したりする。
戦闘外ならいつでも付け替え可能なのも嬉しいところ。
総じて本作ならではの面白さの中に、ローグライトとしての楽しみもしっかり完備されている良作と言って差し支えないだろうと思う。
【良くも悪くも中規模のローグライトではある】
人によって大きくプレイ時間が異なるタイプの作品だと思われるが、ラスボスを撃破するまでにかかったプレイ時間は15時間ほどだった。
また、呪文やバッジの総数も、何百時間もプレイしても常に新鮮というほど多くはない。
これに関しては一部の作品が規格外なだけではあるが……。
また、この手の作品はほぼ全てそうだがストーリーやキャラクター要素はフレーバー程度にしか存在しない。
グラフィックが可愛いだけに非常に惜しまれる。
【総評】
あくまで中規模程度の作品としての良作であるという点を、2000円と言う価格も併せて踏まえた上で本作をプレイするのであれば、少なくとも値段相応の充実した時間は過ごせるのではないだろうか。
なんとなく一風変わったRPG系ローグライト作品をやりたい気分、そんな時にこそ本作をオススメしたい。
自分にとって『Witching Stone』は、そんな作品だった。