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スクワットより重要? ヒップヒンジの効果と方法

はじめに

トレーニング関連のSNSなどを見ると「スクワット」に比べて「ヒップヒンジ」の情報は少ないように感じます。
でも特にアスリートやスポーツ愛好家の方にとってヒップヒンジはとても重要な基礎動作です。
この記事では、正しいヒップヒンジの方法と、それがなぜ重要なのかについて、わかりやすく解説します。


ヒップヒンジとは?


ヒップヒンジは、股関節を中心とした屈曲伸展動作のことを言います。
股関節がドアの蝶番=ヒンジのように動くことから「ヒップヒンジ」と呼ばれています。

上のイラストにあるように骨盤をバケツだと見立てて、そのバケツに入った水を前にこぼすようなイメージの動作です。

ヒップヒンジでは、膝の動きは最小限に抑えられるので、股関節・膝関節・足関節が同時に動くスクワットとは明らかに違う特徴を持っています。
この動作は主働筋としてハムストリングス(太ももの裏側の筋肉群)と臀筋(お尻の筋肉)が使われており、脊柱を安定させる「固定筋」として体幹部分全体が用いられます。
正しいヒップヒンジをマスターすることで、これらの筋肉群の強化はもちろん、姿勢の改善や下半身の瞬発力向上にも繋がります。

ヒップヒンジの正しい方法

1.足の位置

肩幅かそれより少し広いくらいの立ち位置を取ります。

2.脊柱

背中は自然なカーブを保ちつつ、胸を張ります。
ただ反りすぎないように、動作中常に腹部の緊張も保ち続けましょう。

3.膝関節屈曲

膝は軽く曲げます。
ただスクワットのように股関節と同時に同角度曲げないようにしましょう。

4.股関節屈曲

骨盤を後ろに引きながら、上体を前に倒します。
頭は脊柱の延長線上で目線は自然に真下に向きます。
この際に股関節屈筋群、中でも大腰筋が収縮することで、脊柱はニュートラルを保ちやすくなります。

5.大臀筋・ハムストリングスの伸張

上体を前に傾けることで、股関節伸展筋群である大臀筋・ハムストリングスが伸長されます。

6.股関節伸展

伸ばされた大臀筋・ハムストリングスの伸長反射を使って股関節を伸展し、スタートポジションに戻ります。

ヒップヒンジの重要性→スクワットの対比から

スクワットでは股関節と膝関節を使って動作をしますが、体全体は垂直方向に移動します。
そのため重い重量を垂直移動する動きには有利ですが、大腿四頭筋に関してもハムストリングに関しても、股関節と膝関節をまたがる二関節筋であるため、フルストレッチにはなるず、そのため伸長反射を用いた素早い切り返し動作は苦手です。

ヒップヒンジは、股関節を中心とした円運動に近い動作のため重い物を持ち上げる動作には適していませんが、ハムストリングに関しては伸長反射を利用することができるため、スポーツパフォーマンスにおいて重要な役割を果たします。

特に素早い切り返しやジャンプ、方向転換といった動作において、ヒップヒンジは効果的です。
ですから、アスリートやスポーツ愛好家にとってヒップヒンジをマスターし強化することはとても重要です。

ヒップヒンジ強化のためのエクササイズ

ヒップヒンジを強化し、特に素早い切り返しや方向転換に効果的なエクササイズをいくつかご紹介します。

1. ルーマニアンデッドリフト(RDL)

脚を軽く曲げた状態でバーベル、ダンベル、サンドバッグなどの重量物を持ち、脊柱をニュートラルに保ったまま、股関節から蝶番のように曲げ、重りを下ろします。
この際、重量物を体から離さず、腿に沿うようにして下ろしましょう。

2. ケトルベルスイング

ケトルベルを両手で持ち、膝を軽く曲げつつ股関節を強く大きく屈曲させケトルベルを股間にぶつけるように後ろに振り、その反動を利用して一気に股関節を伸展させ、ケトルベルを前方へスイングします。
このエクササイズは、伸長反射を用いた爆発的な力を養い、ヒップヒンジのファンクショナルな動きを強化するのに特に効果的です。

3.TRX ヒップヒンジ

コアの活性化をして脊柱の姿勢を保ちながら、股関節からのヒンジ動作を習得するとともに、可動性を高めることができる種目です。
上記のRDLやケトルベルスイングの準備として事前に取り入れたい種目の一つです。
TRXの長さはミッドレングスでアンカーポイントに向かって立ちます。
手のひらでハンドルをやや手前に引くような力を入れて立ち、膝は最小限に曲げ、そこから脊柱はニュートラルを保ったまま股関節を屈曲させます。
体重をハンドルに預けすぎないようにし、常に足の裏全体で支えるようにしましょう。

これらのエクササイズは、ヒップヒンジ動作を強化し、スポーツや日常生活での素早い動作に役立つ筋肉を発達させるのに役立ちます。

まとめ

ヒップヒンジのトレーニングは、 他のトレーニング同様、ただ「正しいフォームで行う」だけでなく、「なぜそれを行うのか」を理解することが大切です。
この基本動作をマスターすることで、より高いレベルの動作につながり、日常生活やスポーツのパフォーマンスの向上に寄与します。

ただ文章だけで習得するのは難しい側面もありますので、初めての方は知識と経験のあるトレーナーから指導を受けて習得するようにしましょう。

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