格闘家における高重量トレーニングの注意点と効果的なアプローチ
はじめに
僕はこの10月で武道・格闘技を始めて51年。
そしてトレーナー歴41年。
現在までフィジカルトレーナーとして多くの格闘技選手に対してトレーニング指導をしてきました。
最近は多くのパーソナルトレーナーの方が格闘家のフィジカルトレーニング指導をしているケースを目にすることも増えてきました。
もちろん素晴らしい内容のこともありますが、ただ「BIG3」や「クイックリフト」などをするだけで、対象が「格闘家」だとすると疑問符だと思うトレーニングの場合も少なくありません。
そこで今回は「格闘家の勝利に直結した筋力レーニング」についての考えを述べたいと思います。
格闘技において筋力トレーニングは、競技パフォーマンスを向上させる重要な要素の一つです。
しかし、高重量トレーニングを取り入れる際には、いくつかの注意点を考慮する必要があります。
このnoteでは、格闘家が高重量トレーニングを行う際に気を付けるべき点と、それに代わる効果的なトレーニングアプローチについて解説します。
1. バルサルバ法の影響
高重量トレーニングでは、バルサルバ法(息を止めて体幹を安定させるテクニック)が一般的に用いられますが、これが習慣化すると、試合や練習中に息を止める癖がつく可能性があります。
バルサルバ法を使うことで瞬間的な力の発揮が可能になりますが、呼吸が制限されるため、筋肉だけでなく脳への酸素供給が不足するリスクがあります。
脳とパフォーマンスの発揮について詳しく説明するのは、今回の趣旨ではないので省略しますが、格闘技において脳が酸欠になるのは致命的なミスと言えます。
ハードなレジスタンストレーニングを取り入れる場合には、まず動作中の呼吸をどのようにするのか?
その知識と技術を身につけてからにしたほうが良いのではないでしょうか。
2. ウエイト制競技における筋肥大のリスク
高重量のトレーニングによって筋力が向上する一方で、筋肥大が進むと、ウエイト制の競技において減量が困難になる場合があります。
筋肉量が増えることで、体重が上昇し、試合前の過度な減量が必要となると、パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、格闘技の特性に合わせて、無駄な筋肥大を避けつつ、必要な筋力を向上させるためのトレーニングプランが重要です。
そのために重要なことの一つが「連動性」
特定の筋肉にアイソレートするのではなく、抵抗負荷に対して以下に全身を使って動作をするのか?
この能力を強化することで、不必要に菌肥大することなく、競技におけるパワーを高めることができます。
ただ一つ付け加えると、これは「ハイクリーン」や「スナッチ」ができることを指すわけではありません。
競技ごとに、そして選手ごとに考え、厳選された種目を行わないと、逆効果になることもるので注意が必要です。
3. 伸長反射を意識したトレーニングの必要性
筋肥大のリスクを軽減し、競技に役立つ能力を養う、もう一つのキーワードは「伸長反射」です。
格闘技においては、筋肉に対する直接的な刺激よりも、素早い動作や反応を向上させることが重要です。
そのため、伸長反射(筋肉が伸ばされる際に瞬時に反応する能力)を高めるトレーニングが有効です。
これにより、攻撃や防御の際の素早い動きや反応速度を向上させることができます。
今後、その具体的な方法についても情報発信をしたいと思いますが、一つ言及するなら「予備動作で力を出すのが伸長反射」であり「大きな予備動作をしたくないのが格闘技」であるという事実です。
ですからこれで重要なのは格闘家のトレーニングが「単なるトレーニング」に終わらず、技術と直結した「動きを強化する」トレーニングであるということ。
単に筋肉に「効かせる」トレーニングではなく、動作の連動性や反応を重視した、技のフォームに基づいたトレーニングが重要な要素です。
4. 個別のトレーニングアプローチの重要性
以上の点を踏まえ、格闘家にとって筋力トレーニングが無意味というわけではありません。
重要なのは、競技特性や選手個々の体質やパフォーマンスを理解し、それに基づいた個別のトレーニングプランを立てることです。
各選手の特徴を見極め、適切なトレーニング方法を提供できるトレーナーの指導を受けることが、パフォーマンス向上への近道となります。
ぜひご連絡ください!
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