サンデーフレッシュわいのわいの90
よく聞いていたのが、どれくらいの時だろうか。社宅に住んでいたことろだと思うので、記憶に残っているのは小学生の頃だろう、きっと。
パーソナリティは、笑福亭鶴瓶師匠。鶴瓶師匠は、今でもそうだが視聴者参加番組を好んで出演されているのはご存知の通りである。「鶴瓶の家族に乾杯(NHK)」「A-Studio(TBS)」など、納得できると思う。
私が小学生の時の鶴瓶師匠の印象は、二つ。
一つは自己紹介である。当時、アフロヘアの鶴瓶師匠は、かけているメガネを顔の上にあげて、「落語界の…(若干の間)…笠置シヅ子。笑福亭鶴瓶ですっ。」というもの。
もう一つは、素人さんに「私の名前、わかりますか?しょうふくていつる…」とまで聞き、「こうさん」と言わせて笑いをとること。
これは、当時兄弟子の笑福亭鶴光師匠の方が、認知度が高く、たいていこういう聞き方をすると、勢いで「べさんです」ではなく、「こうさんです」とついつい言ってしまうため。
この番組は、日曜日の夕刻、ステレオにスイッチを入れ、父がよく聞いていたのを自分も聞いていた。スタジオに若者を入れて、楽しく番組を進めていた。中でも、一番強烈だったのは、「家族に感謝のコーナー」である。
このコーナーは、スタジオに来場した若者に家族に感謝の意を表す作文を事前に書かせておき、番組中に作文筆者の自宅に電話を発信。感謝したい当の家族本人が電話口に出たところで、前置きもなく、書いてきた作文を朗読させるのである。
まず、コーナー最初から可笑しい。ジングルに続き、「かぞくにっ、かんしゃの、コナー~~~」とコーナーの前半を伸ばさずに鶴瓶師匠が叫ぶ。
電話冒頭は、「おかあさん、よく聞いてきくださいね。」と、感謝したい家族に語り掛ける。そして、作文朗読後、「ありがとう、おかあさん。」といった形で終わる。
朗読が終ると間髪入れず、すぐに鶴瓶師匠が、その家族に語り掛ける。
「いやぁ、お母さん。いいですねぇ。〇〇子さん」と言い始め、親子関係など、作文から感じ取れるところを話していく。
一通り会話を終えると、「ちゃんとはよ帰れるようしますんで、ご安心ください」などと伝え、いい感じで会話を終え、電話を切るかと思いきや、切る間際に必ず叫ぶのである。
「娘は預かった!」まるで誘拐犯である。
この「娘は預かった!」を聞きたくて聞いていたと言っても過言ではないだろう。令和の今なら、使えないんじゃないだろうか。こんな若手の頃を知っているからこそ、「家族に乾杯」「A-Studio」などが増幅して面白く感じられるのである。
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