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地理・歴史学

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人の価値観は、外的環境に大きく影響されます。地球全体に関して時間軸・空間軸双方から、どのような環境のもとで我々が今ここにいるのか?解明していきたいと思っています。
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2021年12月の記事一覧

発展途上国のスタンダード:張り子のリヴァイアサン

引き続き「自由の命運」より。 以下長くなりますが、マスメディアではあまり取り上げられない、でもここに記録せざるをえない、日本人には想像すらできない世界がありますので、惜しみなく以下紹介します。 ■張り子のリヴァイアサン「自由の命運(下)」より、張り子のリバイアサンとは、アルゼンチンやコロンビアなどの南米やアフリカなどの発展途上国に一般にみられる、見かけは立派ですが、ごく基本的な能力しか持たない「見せかけだけの国家」のこと。「自由の命運」で紹介されている数あるリヴァイアサン

民主主義では解決不能なインド:カースト制度

自由の命運(下)より、インドのカースト制度の呪縛を改めて認識。いくら民主主義という政治的自由を採用したとしても、社会の規範(著者のいう「規範の檻」)が変わらなければ、自由は得られない、という事例がインドの事例。 ■カースト制度についてカースト制度は、主にインド人の大半を占めるヒンドゥー教徒の社会規範。外務省データによれば、インド人の人口割合はヒンドゥー教徒80%、イスラム教徒14%、キリスト教徒2%、シク教徒2%(2011年国勢調査)。インドのイスラム圏は元々パキスタンとバ

大阪の風土:自治都市としての堺&富田林

■自治都市「堺」今の堺は、かつての自治都市で東欧のベネチアともいわれた昔の面影は全くありません。  *何度も戦火に遭ってきた堺の悲運 というのも何度も時の権力に壊滅させられ、そして米軍の空襲で焼け野原になったから。それでも今も政令都市として、その立ち位置を確保。旧堺市街を貫く通りは日本の道100選に選ばれた「フェニックス通り」。地元の方によると、堺は何度も戦火に遭いながら復活してきた不死鳥の街の象徴としてフェニックス=不死鳥と名付けられたとのこと[公式にはフェニックス(カ

大坂の風土:泉州&熊野・紀州街道編

大阪は、摂津・河内・泉州を併せて「摂河泉」といわれますが、中でも紀州街道の舞台となった泉州の風土も特徴的でした。以下地図の南の方「和泉」というエリア。  堺を拠点に自転車で旧紀州街道を使って、りんくうタウンの田尻橋まで遠征して、泉州のフィールドワーク。 ■熊野街道「熊野詣で」とは紀州街道に並行して内陸を走る熊野街道は、中世より京に住む人たちの間で盛んだった熊野詣でで使用する街道として利用された街道(残念ながら熊野街道は紀州街道のように現代の街道として明確に残っていない模様