【CLE】打線がシナシナになってしまいました【7月振り返り】
お疲れ様です。いつも読んでいただきありがとうございます。Windiansです。
先月は中旬にオールスターとドラフト、下旬にはトレードデッドラインと、イベントが盛り沢山でした。もちろん合間に試合もありましたので、とてつもない勢いで過ぎていきましたね。さて、今回はそんな勢いに乗せてさっさと忘れたい1ヶ月を振り返ります。
なお、7月にはトレードデッドラインもありましたが、これについては別で記事にしているので、そちらをご覧ください。
1. 7月の成績
7月は13勝12敗で貯金1、シーズン成績は65勝42敗の貯金23としました。前を追うツインズとロイヤルズに一時期は4ゲーム差まで迫られましたが、なんとか両チームとの差を「6」に戻し、地区首位をキープしています。そして、不調だったガーディアンズよりも苦しんでいたフィリーズを抜かし、メジャー最高勝率の座に返り咲きました。なんで?
今月は勝って負けてを繰り返し、瀬戸際で耐えているけど波にも乗れないというひと月でした。特に、苦手なタイガース戦を10試合(???)も組まれたことが響いた思われます。その中で、月末にあったフィリーズとタイガースとの5戦を4勝1敗と、望外の結果で終えられたことは大きかったですね。
詳しいチーム成績は以下のとおりです。
チーム打撃成績
チーム投手成績
打線はあまりにも元気がなくなってしまいました。得点数は混迷を極めている最下位のホワイトソックスと10点しか変わらず、これだけではなぜ月間で勝ち越せたのか全く分かりません。これまでの月と比べて長打が激減しているので、単純にみんな疲れてたんだと片付けたくなってしまいます。
逆に投手陣は結構頑張りました。先発陣はTriston McKenzieに続いてLogan AllenもAAA降格を言い渡されたため、スポット先発要員を注ぎ込んでローテーションの1枠を回す羽目になってしまいました。その中で、開幕前の怪我から今月初めに復帰したGavin Williamsが5~6回まで投げられそうなのはせめてもの救いでしょうか。1点でもリードして試合中盤を迎えれば、あとはリリーフを注ぎ込んで勝ちを拾うという身を切るような試合を続けたことが、貧打の中で月間勝ち越しを決められた要因ですね。まあ先発が高確率で6回持たずに降りるのは全くよろしくないんですが…
2. ピックアッププレイヤー
2-1 Ángel Martínez
先月下旬にメジャー初昇格を果たし、一瞬でAAAに戻ったÁngel Martínezですが、7/4に再昇格してから頑張っております。
今月の昇格後は2番に固定され、1番のSteven Kwanと中軸を繋いでいました。月末に失速してwRC+は100を切ってしまいましたが、ルーキーかつマルチポジションを守るという大変な状況の中、上位打線で結果を残したことは褒められるべきでしょう。
2番抜擢が上手くハマった形で多く出番を与えられましたが、主に守っていたセンターは、今月の成績ではTyler Freemanの方が好成績を残していました。更に、トレードでナショナルズからLane Thomasが加入し、センターも少し守るよことが予想されます。チーム内の競争は激しいですが、Kwan以外決め手にかける外野の枠を勝ち取って欲しいですね。彼は内野のプロスペクトとか言ってはいけない
2-2 Hunter Gaddis
そろそろこの偉人を世間に知らしめなければいけません①
昨年まで8回を任せられており、開幕までにトミー・ジョン手術を受けてシーズン全休が確定したTrevor Stephanの穴を埋めたのは、先発で壁にぶつかっていたHunter Gaddisでした。昨年後半から先発としては不十分としてロングリリーフもやっていたのですが、そこで見せていた短いイニングへの適性を今年は遺憾なく発揮しています。先発の時は5球種投げていたところを3球種に絞り、出力アップなどのリリーフに向けた調整をしたことが功を奏していますね。
今月は三振が多くなかったおかげでFIPが高くでていますが、被打率が.154という低さ(シーズン通算でも同程度)のおかげで失点を防いでいます。ただフルシーズン帯同が初めてなのにメジャー4位タイの登板数を記録しており、疲労が溜まっていそうなのが残り2,3ヶ月での心配要素になりそうです。
2-3 Cade Smith
そろそろこの偉人を世間に知らしめなければいけません②
スプリングトレーニングで圧巻のピッチングを見せ、見事40人枠外から開幕ロースター入りを果たしたCade Smith。トップクラスのエクステンションから放たれる上質な4シームにスプリットとスライダーを混ぜ合わせ、ルーキーとは思えないパフォーマンスを続けています。4シームは当たればものすごいスピードで飛んでいってしまうためBAbipは高いですが、三振で斬って落とせばそんなものは関係ありません。K/9(12.63)やK%(36.1%)は鉄壁のガーディアンズリリーフ陣の中で頭一つ抜けています。
これでも懸念点はあり、今のパフォーマンスではなく起用法です。今月は全登板の半分近くとなる5試合で回を跨いでおり、いずれも火消しからもう1イニングという使われ方でした。先発が頼りない分どうしても火消し役の出番は多くなりますが、中軸と相対する場合、打力が落ちるまでSmithに投げ続けてもらうパターンが増えています。また、前半戦で火消し役を担っていたNick Sandlinが怪我などで任せられなくなり、更に負担がかかっています。
ルーキーな上に、恐らくブルペン陣で最も負荷が多くなっているので、なんとか他のリリーバーたちと分散させたいですね。
3. トピック:オールスター
今年のオールスターゲームには、ガーディアンズから5人の選手が出場しました。
José Ramírez (ファン投票, 6回目)
Steven Kwan (ファン投票, 初選出)
Josh Naylor (選手間投票, 初選出)
David Fry (選手間投票, 初選出)
Emmanuel Clase (選手間投票, 2回目)
Ramírezは、2年ぶりにホームランダービーにも参加しました。他の選手が弾丸のような打球をポンポン飛ばすなか、きれいな放物線を描いたホームランを連発していました。残念ながら準決勝でBobby Witt jr.に敗れたものの、1回戦でトップタイの21発を放ち、爪痕を残せなかった一昨年のリベンジを果たすことができました。
メインのオールスターゲームでは、目立った活躍といえば地元のFryが代打でタイムリーヒットを放ち、Claseが3人で試合を締めたくらいでした。でもオールスターは楽しめればそれで良いんじゃないですかね😊。
4. トピック:ドラフト
昨年のドラフトロッタリーでは、確率2.0%の壁を乗り越え、ガーディアンズが全体1位指名権を獲得してしまいました。ドラフトが近づくにつれて「今メジャー最高勝率を誇っているチームがなんで全体1位で指名できるんだ」と不満の声が聞こえましたが、全くそのとおりでございます。本来は再建期のチームが安易なタンキングに走るメリットを減らすためのシステムでしたが、ここまで極端に歪な結果を生んでしまうとは誰も考えていなかったでしょう。
全体1位候補は、オレゴン州立大学のセカンドTravis Bazzanaか、ジョージア大学のサードCharlie Condonの、カレッジでの成績が頭一つ抜けている2人のどちらかだと言われていました。ただ、直前になってアンダースロットを望めるからJJ Wetherholtを指名するのではないかと書く記事もあり、指名直前までガーディアンズが指名する選手に誰も確証が持てていませんでした。実際にフロントも、指名を決めたのはドラフトの数時間前だったようです。そりゃ誰も分からんわ
結果的にガーディアンズは順当にBazzanaを指名し、Bazzanaはオーストラリア人初の全体1位指名を受けた選手となりました。早速7/26にA+レイク・カウンティでプロデビューし、7/31には初ホームランとなるグランドスラムを打つなど、早くも輝きを放っています。また、ホームのファンにお披露目となるはずだった7/30の試合が雨で延期になると、来てくれたファンのために1時間近くサインを書き、その人気はうなぎ登りです。
ガーディアンズのドラフト全体で言うとでは、オーバースロット覚悟の指名が多めに見られたのが印象的でした。契約金の合計がボーナスプールを超える可能性がありましたが、Bazzanaと$1M近くアンダースロットで契約できたこともあり、指名した21人全員と契約できました。今年のドラフトに関してはケチのつけようが全くなく、100点満点の評価を与えてもいいでしょう。
5. 8月の展望
8月はダブルヘッダーが2日組まれており、31日間で30試合をこなすことになっています。
先月の振り返りで「この先は勝ちを計算できそうな相手との試合がない」と述べた通り、今月は勝率が5割以下のチームとの試合が昨年負け越したカブス(52-58)とレンジャース(52-57)しかいません。そして、ツインズとロイヤルズという、同地区でガーディアンズにプレッシャーをかけ続けている2チームとの直接対決も計8戦あります。
打線は不調に陥って1ヶ月が経ちました。投手陣は相変わらずリリーフが先発を介護するという形を変えられていません。メジャー最高勝率のチームではありますが、後ろの追撃に戦々恐々としながら目の前の強敵と戦っていくひと月になりそうです。