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【CLE】Eli Morganのトレードとリリーフ過多問題の解決

 お疲れ様です。いつも読んでいただきありがとうございます。Windiansです。
 オフシーズンが進んでアワードの発表や各チームのロースター整理が進むなか、ガーディアンズとカブスで1対1のトレードが成立しました。今回はトレードの内容と、その起因となっている問題についてです。

※日付は全て現地時間


1. トレード内容

 ガーディアンズはリリーフ右腕のEli Morganイーライ モーガンをカブスに放出し、対価として外野手のAlfonsinアルフォンシン Rosarioロサリオを獲得しました。金銭は関わっておらず、完全な1対1のトレードです。
 ガーディアンズは既にJamesジェームス Karinchakカリンチャックをアウトライト(ウェーバー通過しFA選択で退団)していましたが、なおも過剰となっていたリリーフの整理に成功した形となりました。Rosarioは今年1年Aでプレーしたので、来シーズンはA+からのスタートとなりそうです。コンタクト能力に難があるものの、それ以外は素晴らしい素質を持っているため、そこの改善に成功すれば数年後のメジャーデビューがあるかもしれません。MLB公式のプロスペクトランキングは、カブスでは傘下22位でしたが、ガーディアンズでは傘下28位となりました。

2. Morganについて

 Morganは2017年ドラフトの8巡目で指名され、2021年にメジャーデビューしました。当時は先発ローテーションが様々な理由で次々と居なくなってしまい、その代わりとして半ば学徒出陣のような形で使われて頑張っていました。しばらくはパッとしない結果が続きましたが、シーズン終盤は3失点以下で試合を作ることも多かったです。
 ただ、2022年からは先発ローテーションに空きがなく、スプリングトレーニングではその中に割って入るほどのアピールも出来なかったため、リリーフに転向します。転向後はバルクアップによって球速アップに成功し、エクステンションを0.5インチ伸ばせた事もあって空振りを取れるようになりました。2022年、2023年は後半戦に息切れしてしまいましたが、良いときは三振が取れて、ハイレバレッジで投入しても結果を出せるリリーフに成長しました。

 2024年は軽い肩の怪我や序列の関係でのオプションもあって出番は少なめでしたが、それでも32登板で42.0回を34奪三振、防御率1.93と好成績のまま乗り切ります。ポストシーズンでは10試合中6試合に登板し、4回を2失点(自責1)、6奪三振と役割を果たしました。
 ハイライトは7回1アウト1,2塁から登板した、ALDS第5戦でしょう。この時点で3イニング連続の失点によって2点差まで追い上げられており、しかも既に4人の勝ちパターンの投手を4人中3人も使ってしまったというかなり厳しい状態でした。更なる失点は致命傷となる中、二者連続三振に斬って落としたことでALDS突破に大きく近づきました(以下動画)。

3. Morganに対する所感

 4年間Morganのピッチングを見てきたファンとして、彼の特徴を書き連ねておきます。

3-1 チェンジアップは投げれば抑えられます

 Morganのチェンジアップの最大の特徴は「止まる」です。映像を見ると縦の変化量が大きいという印象も受けますが、とにかく泳がされて弱い打球を打たされているのをよく目にします。かなり甘く入っても打ち損じたフライになるので、基本的にこれを投げていれば安心できる球種です。打球管理の良さは、チェンジアップを決め球に出来ているからこその賜物と言っていいでしょう。
 さすがにど真ん中に投げ込まれたら心臓がキュッとなると思いますが、じきに慣れます。

3-2 4シームは球速に注意しましょう

 リリーフ転向によって平均92mph、最速95mphまで速くなった4シームですが、実は92mphを切ると露骨に打たれるようになります。
 一応Run Valueはマイナスからプラスに転じたとはいえ、球速が際立って速かったり、回転数がものすごくいいわけではありません。そのため、疲れが溜まって球速が落ちれば、たちまち打ち頃の球となってしまうわけです。その境目が筆者の体感だと92mphというわけです。もし90mph台を連発していたら、神のご加護を受けられるよう祈りましょう。

3-3 3ヶ月(600球?)投げると打たれ始めます

 あくまでも傾向と捉えたいのですが、リリーフ転向後は1シーズンにメジャーで3ヶ月投げると急に打たれるようになります。投球数でいうと、600球前後に達したあたりからでした。
 メジャー初年度まで常に先発として投げていたので、リリーフに転向した2022年は、まだショートイニングを全力で投げることに慣れていなかった可能性はありました。ただ翌年も同じような時期から急に打たれて始めたので、通年で安定した成績を望むのは期待しないほうがいいかもしれません。

 今年は5月に肘の炎症でIL入り、6,7月に序列の関係でオプションされていたので、メジャーで投げたのは合計で3ヶ月ほどでした。ポストシーズンも好投できたのはこのおかげか?

3-4 ヒゲを剃ればかわいいです

 選手としての特徴と関係なくて申し訳ないですが、今年から生やし始めたMorganのヒゲが全く似合っていないです(個人の感想)。
 よく海外の人はヒゲを蓄えることで男らしく見せると言われますが、今のMorganはただヒゲが付いただけで、すごい違和感があるように見えるんですよね。スッキリしたMorganの顔は結構かわいくて日本での人気も出そうなので、ぜひ戻していただきたい

4. 最後に

 ガーディアンズは非常に若いチームのため、実は今年の投手陣の中だと、エースのShaneシェーン Bieberビーバーに次ぐ古参でした。そして、Terryテリー Franconaフランコーナ前監督政権末期の苦労を最も味わった選手の1人と言えるかもしれません。その中で小柄な身体でもメジャーで生き残るために、やれることを何でも取り組んだからこそ今の地位を得られたのだと思います。
 人員整理という形でガーディアンズから去ることになりましたが、実力を発揮できれば重要な役割を任せられてもおかしくありません。カブスでも変わらず活躍してくれることを祈っています。


5. 本題:ガーディアンズのリリーフ過多問題

 1章でも軽く触れましたが、今のガーディアンズはメジャーレベルのリリーフが非常に多いです。それを表すのが以下の写真になります。

今シーズン終了時点での、来年開幕ロースター候補一覧

 ガーディアンズのリリーバーは、今シーズン終了時点で計12人が40人枠にいました(リスト最下部の2人は一旦除外)。そして、ガーディアンズは先発5人ローテを採用し、26人枠は投手と野手で13人ずつ割り振っています。つまり、リリーフには8枠しか割けないため、このままではあと4人がAAAで来シーズンの開幕を迎えければいけないわけです。
 しかし、上記のメンバーは全員メジャーで一定の実績を残した実力者たちです。その中から4人もマイナー待機させるのはおかしな話でしょう。ですので、今オフは上記から複数人の整理を行う必要がありました。

 それを受けて、ここまでの動きは以下の通りです。

 一応2人放出することが出来ましたが、途中で40人枠外だった2人を加えたため、このままでは12人のままです。ですので、この中から理由をつけて、開幕ロースターに入れなくてもよさそうな投手を探します。

 今年の盤石なリリーフ陣がほぼ欠けずに残るので、Stephanに大きな手術からの復帰を急がせる必要がありません。彼が開幕をILで迎えると考えたら、これで8人まで整理できたと見ていいでしょう。
 誰か不調でもEnrightAlemanをメジャースタートさせればいいだけなので、今オフはデプス確保もさほど行わなくてもよさそうです。ここまで素早く動けたフロントは褒めてもいいと思います。なので他のポジション、特に先発投手の補強を頑張ってもらいましょう。


Hedges再契約以降の主なトピック



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