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【CLE】ガーディアンズさん、またも複数のムーブを同時敢行する

 お疲れ様です。いつも読んでいただきありがとうございます。Windiansです。
 ガーディアンズは先日、Andrésアンドレス Giménezヒメネスのトレードで獲得したSpencerスペンサー Horwitzホーヴィッツを、パイレーツにすぐさま転売しました。ただFA選手を獲得したり、1つのトレードで完結したりで終わらず、一癖入れたクリエイティブな動きは知恵を絞ったなと感心したものです。
 それから10日ほど経ち、ガーディアンズがまたも複数のトランザクションを同時敢行してきました。そして執筆したのはその20日後😇

 まだ3本くらい書き溜めているので、3月あたりからは頑張ってタイムリーに書くようにします。

※日付は現地時間に統一
※画像の商用的意図は一切ありません


1. ①Josh Naylorをトレード

ガーディアンズ→Dバックス

Dバックス→ガーディアンズ

 まずは大方の予想通り、今オフが年俸調停の最終年で、スモールマーケット球団としてはトレードに出すタイミングが来ていたJosh Naylor(以下Naylor兄と表記)のトレードに成功しました。対価は、昨年デビューし、今シーズンは先発と中継ぎの両方で投げたCecconiと、戦力均衡ラウンドB(2巡目と3巡目の間)の指名権です。執筆時点では全体72位になっています。
 金銭負担は両チーム共にありません。

2. 所感

2-1 対価は妥当

 Naylor兄は、直近3年のwRC+が+120前後で安定している中距離バッターです。今シーズンは30HR100打点をクリアしており、その選手を1年$12Mで雇えるのなら、もう1人くらい対価で貰えなかったのかと感じました。ただ、ファースト守備に不安があることに加え、そもそもファーストは他のポジションと比較してトレード価値が低いことを考えると、出力の高い先発投手を貰えただけでもよかったのかもしれません。

 また、このトレードの翌日に、レンジャースのNathanielナサニエル LoweロウとナショナルズのRobertロベルト Garcíaガルシアがトレードされました。Naylor兄と同じファーストを守るLoweは残り2年保有できますが、それでリリーフ1人しか引っ張れなかったことを考えると、全体75位あたりの指名権まで引っ張ってきたのはフロントが上手く交渉したと捉えることもできます。

2-2 CecconiがBen Livelyと被る

↑ポスト上のCecconiのスペルを間違えています。課金してないので訂正できませんでした。すみません。

 上記は昨オフガーディアンズにFA契約で加入した先発右腕のBenベン Livelyライブリーと、今回トレードで加入したCecconiのPercentile Rankingsです。
 Livelyはエクステンションの長さと四球の少なさが売りでしたが、それがCecconiにも被るところがあります。ガーディアンズはほとんど投手補強をしないので、フロントが好む投手の傾向を掴むことは至難の業です。ただ、もしかしたらこの2点は、フロントが投手を獲得する際に重要視している項目かもしれません。

 CecconiLivelyと異なるところは、出力がLivelyと比べてかなり高い点です。Livelyはシーズン後半から息切れもあってなかなか満足のいく成績を残せませんでしたが、Cecconiを先発使用するならば、Lively以上の成績を残せる可能性がありそうです。でもまずはRun Valueが真っ青な持ち球すべてをどうにかする必要がありますが…

baseball savantより引用

2-3 このトレードの余談

 このトレードですが、当初はNaylor兄Cecconiだけがパッケージに含まれるシンプルな1対1のトレードで交渉が始まったようです。その時点ではガーディアンズ側が難色を示し、暗礁に乗り上げていました。
 その後Christianクリスチャン Walkerウォーカーがアストロズと3年$60Mで契約したことで、Dバックスに全体30位前後の補償指名権が手に入りました。それにより、一巡後ろの指名になる戦力均衡ラウンドの指名権をトレードに出しやすくなったのでしょう。

 3,4日前には大枠が決まっていたとのことで、まさにWalkerの契約から玉突きで決まったトレードでした。

3. ②Carlos Santanaと契約

 Naylor兄のトレードが成立したと同時に、ベテラン一塁手のCarlosカルロス Santanaサンタナと1年契約を結んだことが発表されました。契約内容は以下の通りです。

  • 1年1,200万ドル

  • インセンティブ100万ドル

 この数日前に、1歳年下のPaulポール Goldschmidtゴールドシュミットがヤンキースと1年$12.5Mで契約していました。共にベテランの域とはいえSantanaの方が1歳年上ですが、近年衰えを隠せなくなり、昨シーズンでいえばSantanaより成績が悪かったGoldschmidtの方が、良い契約を貰っています。それを考慮すると、Santanaの契約は結構安く済みました。

3-1 3度目の所属

 Santanaはこれで3度目の所属となります。

 1度目はメジャーデビューの2年前で、ドジャースからトレードでやってきました。当時は捕手をやっていましたが、2010年のメジャーデビュー後は、徐々に一塁で起用されるようになっていきました。2012年開幕直後の延長契約もあって、デビューから8年間、マイナー時代も合わせると10年間という長期間インディアンズで貢献してくれました。

 2度目は2018年オフです。前回FAとなった時に、フィリーズと3年$60Mの契約を結んでいましたが、わずか1年でマリナーズを経由して戻ってきました。残り2年$40Mというスモールマーケットチームには重めの契約を引き受けることになりましたが、まだまだ円熟期とあって、ここまでのキャリアで唯一のオールスター出場とシルバースラッガー賞受賞を達成する活躍を見せてくれました。
 それだけに、2020年のパンデミックによってお金を出せずに引き止められなかったのが惜しまれます。

 そして、今回が3度目となる加入です。2020年以来なので、4シーズンぶりですね。
 前回所属していたときからは多くの選手がいなくなり、慣れ親しんだ監督もお隣のチームに獲られ、そしてチーム名すらも変わってしまいました。あらゆるものが変わった中ではありますが、馴染みのJosé《ホゼ》 Ramírezラミレスと共に、ヤングタレントたちを引っ張ってもらいましょう。

3-2 クリーブランド愛が勝った契約

 今回の契約は9球団ほどの争奪戦を制したものですが、どうやらマリナーズは1年+選手オプションという、ガーディアンズよりも良い契約を提示していたようです。契約保証額も$12M以上あったとのことで、来シーズン39歳になる一塁手への提示としてはかなり頑張ったものになります。

 そして、Santanaはもうクリーブランドに戻ることはないだろうと、ガーディアンズと契約する前週に、クリーブランド近郊のブラテナールに持っていた自分の家を売り払っていました。恐らくこの時点でガーディアンズからのオファーはなく、Santanaの中ではマリナーズ行きがほぼ決まっていたでしょう。それを土壇場でひっくり返してくれたクリーブランド愛には感謝してもしきれません。

3-3 起用法は?

 昨シーズンのSantanaはほぼフルタイムで一塁を守り、38歳にして自身初のゴールドグラブ賞(以下GG賞と表記)を受賞しましたが、今年は一塁とDHで流動的な起用になりそうです。

 一塁にはNaylor兄がトレードで去ったとはいえ、昨シーズンデビューした左のKyleカイル Manzardoマンザルドがいます。チームNo1プロスペクトをメジャー2年目の時点でわざわざDHに追いやるのは誰が見ても悪手ですが、かといってManzardoを一塁固定して前年GG賞の選手をDH中心にするのももったいないです。
 そしてDHには、シーズン途中でDavidデビッド Fryフライがトミー・ジョン手術から復帰予定です。来シーズンはDHのみの出場になりますが、昨シーズンはwRC+がチーム3位の+129と、Santana以上(+114)の数値を記録した男を控えに回すのは非現実的です。

 ですので、Fryの復帰まではManzardoSantanaに加えてたまにJhonkensyジョンケンジー Noelノエルと、復帰後はNoelに代わってFryを入れたの3人体制で、休養日や相手先発の左右に合わせて2ポジションを回すと思われます。

4. 今後の方針

 現在の来季ペイロールは$96Mです。$100M前後だった直近2年からは放映権料が消えたせいで増やせないと考えると、使える金額はせいぜい$5M程度でしょう。

・ ・ ・

誰も取れなくね???

 Shaneシェーン Bieberビーバーに戻ってきてもらい、上手いことやってLuis Ortízルイス オルティズを獲得したとはいえ、未だ先発ローテーションの不安が拭えません。とはいえ、$5Mぽっちで獲れる選手はたかが知れています。ですので、昨オフにほぼ最低年俸で来てくれたLivelyのような、小さい補強が来るかどうかではないでしょうか。
 お金がなければ作ればいいじゃない!と言いたいところですが、もうトレードしておきたい選手はいません。40人ロースターからは使えるお金をもう捻出できそうにないので、筆者はこのままスプリングトレーニングを迎える気でいます。

 最近のガーディアンズにしては珍しく、オフシーズン開始直後からアクティブに動いてきました。やりたいことはほぼやってくれたのでフロントに感謝しつつ、このメンバーで来シーズンさらなる飛躍を願ってこのnoteを締めます。
 あ、 佐々木朗希は多分来ません。


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